クールジャパン★Cool Japan

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現代人の心に生きる縄文01

2012年10月10日 | 現代に生きる縄文
最近、「日本文化のユニークさ総まとめ」という形で、これまで書き散らしてきたことを整理する試みを行ったが、途中で尻切れトンボになっている。しかし、私の中では整理したいという気持ちは強く残っている。すこし形を変えて再出発することにした。

まず行うべきことは、これまでに書いてきたものを日本文化のユニークさ7項目にそって集約することである。次のリンクにその7項目を掲載している。

日本を探る7視点(日本文化のユニークさ総まとめ07)

前回はこの7項目のうち途中から始めたことも、続かなくなった一つの原因かもしれない。今回は一番目から順に整理していく。縄文関連だけでも、書いた記事はかなりになると思う。まずは日付が古い順に何回かに分けてそれぞれの記事の要約を掲載する。何回か掲載したあとに、出てきた論点を整理してみたい。

(1)狩猟・採集を基本とした縄文文化が、抹殺されずに日本人の心の基層として無自覚のうちにも生き続けている。

クールジャパンの根っこは縄文?
日本を体系的に理解するには三つの指標が必要だ。欧米化された日本、中国や韓国と似た農耕アジア的な日本、そして前農耕アジア的(縄文的、自然採集的)日本だ。日本文化と特色は、アジア的農耕社会である弥生時代以前の歴史層に根をもち、それが現在にも生きていることにある。

他のアジア地域では、アニミズムそのものが消えていったが、日本ではソフトな形に変化しながら、信仰とも非信仰ともいいがたい形をとりつつ、近世から現代へ、一般人の間から文化の中央部にいたるまで残っていった。日本的なソフトアニミズムは世界に受け入れられる普遍性をもっている。劇画やアニメは、この柔らかなアニミスティックな世界から立ちおこった芸術表現だ。(呉善花)

クールジャパンの文明史的な意味(2)
日本列島で一万年以上も続いた縄文文化は、その後の日本文化の深層としてしっかりと根をおろし、日本人のアニミズム的な宗教感情の基盤となっている。日本人の心に根付く「ソフトアニミズム」は、キリスト教的な人間中心主義とは違い、身近な自然や生物との一体感(愛)を基盤としている。日本にキリスト教が広まらなかったのは、日本人のアニミズム的な心情が聖書の人間中心主義と馴染まなかったからではないのか。

日本文化のユニークさ03:縄文的基層を残すからキリスト教は広まらなかった
縄文時代は、中期にすでにひとつの言語的なまとまりが成立していたらしく、したがって小集団ごとに渡来した人々は、長い年月の間に言語的にも縄文人と同化していったであろう。海で隔てられていたからこそ徐々にしか渡来できなかった。また山と森に覆われていたからこそ、縄文人と弥生人の緩やかな住み分けと共生が一定期間可能であったのである。こうして縄文的基層文化は、弥生時代になっても消えず、銅鐸の文様に縄文的な図形が描かれ、弥生土器にも縄文土器の流れをくむものが見られる。その後大陸からもたらされた仏教も、縄文的な基層文化に合うように変形され、受け入れられていく。

日本文化のユニークさ12:ケルト文化と縄文文化
ケルトでは、渦巻き状の文様がよく用いられるが、これはアナザーワールドへの入り口を意味し、大いなる母の子宮の象徴であった。それは、生まれ死に、さらに生まれ死ぬという輪廻の渦でもある。ケルト文化が母性原理の文化だ。日本の縄文土偶の女神には、渦が描かれていることが多い。土偶そのものの存在が、縄文文化が母性原理に根ざしていたことを示唆する。ケルト文化と日本の古代文化を比較することは、多くの新しい発見をもたらすだろう。

日本文化のユニークさ17:現代人の中の縄文残滓
上野景文は、日本人や日本社会の思考、行動様式を以下の七点の特質にまとめ、それらの、日常的な場面で見られる特質が、アニミズム的な発想に関係しているという。

イ)自分の周囲との一体性の志向
ロ)理念、理論より実態を重視する姿勢
ハ)総論より各論に目が向いてしまう姿勢
ニ)「自然体的アプローチ」を重視する姿勢
ホ)理論で割り切れぬ「あいまいな(アンビギュアス)領域」の重視
ヘ)相対主義的アプローチへの志向(絶対主義的アプローチを好まず)
ト)モノにこだわり続ける姿勢

これらの特質は偶然に並存しているのではなく、それぞれの根っこに共通の土台として「アニミズムの残滓」た見て取れるというのだ。


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2 コメント

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Unknown (T.K)
2012-10-11 20:36:47
過去に発掘されていた獣骨に対する動物学者及び生物学者による再鑑定の結果から、弥生時代中期頃には中国南部から東南アジア一帯の地域で家畜化されたアジアブタが日本でも飼育されていたことが判明しています。
また、再鑑定された獣骨の中には数世代に渡って飼育下に置かれることで変化していく過程上にあるイノシシの骨も見つかっており、弥生時代中期には小規模ながら養豚やイノシシの家畜化が始まっていたことが確認されました。
このような食生活の変化なども面白いですね。
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ありがとうございます。 (cooljapan)
2012-10-13 15:59:08
情報ありがとうございます。

弥生人の一部が家畜をもちこんだが、結局日本には定着しなかったという説を読んだことがあります。

考古学的に日本でも小規模ながら家畜が飼育されていた時代があるということですね。
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