「普通の人間は、言葉の内容なんかそっちのけで、言葉に表れる感情を読み取ろうとする。社会ではそれが常識みたいだ。~特に日本の社会は、言葉よりも態度を重んじる傾向が強い。心がこもっていない、なんていうだろう? 何なんだろうね、心のこもった言葉っていうのは」
森博嗣「喜嶋先生の静かな世界」より
理想と現実、建前と本音、真実と虚飾。
人間の世界はとにかく、複雑である。
相手をどれだけ慮ったかに優劣を求める。
しかし、科学的にはそれは「真」ではない、ということか。
真実は、あるがままのその世界を受け止めるところから始まる。
虚飾はその上に糊塗してあるものにすぎない。