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埼玉県民の期待を背負って.... 浦和学院 10-11 仙台育英 10.Aug. 2013

2013-08-18 | Weblog
6回に入り初回に50球以上も投げた小島君の投球数早くも100球を越えた。打席にはこの試合これまでストレートを打ち返して2安打している1番の熊谷君に回ってきた。 3塁上にはこ高めを空振りし 2-2 とされるも136㎞の外角低めをレフトに打ち返したこの回の先頭打者7番馬場君が、2塁には 2-1 からスライダーをセンターに打ち返した加藤君がいる。 この時センター山根君からの返球がピッチャーズマウンドの横でイレギュラーバウンドしてそれたので1塁走者の馬場君が3塁まで進み、打者走者の加藤君まで2塁に進んだのだった。 2年生エースの小島君は続くこの日先発投手で途中から右翼手に回った鈴木君に替わり代打に送られた小野寺君をセカンドゴロに打ち取っていた。
打順は1番に還って熊谷君は1-2 から 136km のストレートをセンターに打ち上げる。 犠牲フライとなるだろう、1点は仕方ないとしてもこれで2アウトと誰もが思った瞬間、信じられないことに飛球は山根君のグローブに当たらずグラウンドにポトリと漏れ落ちてしまい、2走者が生還し4点あったリードが2点になってしまった。 更に打った熊谷君は2塁まで進んだ。 薄暮の一番フライが捕り辛い時間帯だった。 それとも山根君は2塁走者を3塁に進めたくないと焦ったのかな?
これで一気に元気づいた仙台育英打線は続く菊名君が独特の構えで 1-1 から 135km のインコースのストレートを上手く肘を畳んで振りぬき1塁後方に落ちる2塁打を放ち熊谷君を迎え入れ1点差とし、3番長谷川君は10球目のストレートをセンターに打ち返すタイムリー安打を放った。  長谷川君は前の2打席は凡退したがこの打席では 0-2 と追い込まれながら小島君自慢のクロスファイヤーそしてカーブ、スライダーを見極め、ストレートは反対方向に打ち返してファールにするなど粘りの打席で同点タイムリーに結びつけた。 
4点あったリードが一気に無くなってしまった浦和学院ベンチはまだ投球練習をしている3年生投手山口君をマウンドに送らない。
埼玉県大会5回戦から4試合連続完投している小島君が降りればそれで勝ち運が一気に遠のいてしまうという事か? 浦和学院応援団の祈るような表情が映し出される。
そして打席には4番上林君を迎える。今大会屈指の注目の対決だ。 だがここで小島君は踏ん張る、これまで無安打2三振に抑えていた大林君を初球139km のインコースストレートでファーストフライに打ち取り、5番水田君を1-2 から137km のストレートで空振り三振に切って取り逆転は許さなかった。 しかし私は小島君が4失点を喫したことよりもこの暑さの中またこの回だけで30球以上投げたことが心配だった。 それにしても仙台育英打線は半端じゃないなぁ~と感じた。
だけど上林君は埼玉県出身なんだなぁ~。浦学のスカウトはどうして彼に気付かなかったのだろう。

浦和学院が川越東を 16-1 で降し、今年の選手権出場を決めた時、マスコミは一斉に史上8校目の春夏連覇の可能性を報じだした。 そして地元埼玉県では悲願の埼玉県勢初の選手権優勝を大いに期待した。だけど“確率”の問題から言うと春夏連覇は難しいのでどうかな?と思った。
それよりも私が子供の時から埼玉県は高校野球界では東京、神奈川、千葉に並んで列強の部類に入ると思っていたのでまだ選手権で優勝校を出していないこと自身が驚きだった。
1993年第75回大会で春日部共栄が決勝戦に進出し兵庫県の育英高校に 3-2 で敗れ準優勝を収めた時と(この時の埼玉県大会の決勝戦の相手が浦和学院だった。) 1951年第33回大会で熊谷高校が平安高校との決勝戦で4-7で敗れたのが最高成績で、準決勝に進出したのが上尾高校 ( 1975年第57回大会 ) 浦和学院 ( 1986年第68回大会 ) 市立浦和 ( 1988年第70回大会 ) の3回。春夏連覇というよりも選手権優勝が埼玉県高校野球界の悲願であった。



昭和50年から選手権では埼玉県に1校出場枠が与えられるようになった。それまでは戦後、埼玉県は南関東代表に与えられた1校の出場枠を昭和33年の第40回記念大会まで千葉県代表校と争っており千葉県の壁を破ったのは3回だけだった。
第41回大会から千葉県に出場枠が1校与えられたことにより山梨県の代表校と西関東代表を競うようになった。 そして昭和36年、37年41年に甲府工業が甲子園に進出した以外は全て埼玉県勢が全国大会に進出していた。(昭和38年、43年、48年は記念大会で1県1校の出場枠が与えられた。)

8月10日。 この日の埼玉県は前日に続いてものすごく暑かった。午前7時前、愛犬の散歩から帰った時でも既に30度を越していた。湿度もかなり高くこの日はどんな1日になるかと思った。最も暑いと言われる熊谷市でさえ最高気温40度には届かなかったけど埼玉県各地で38度を越える事がニューステロップにも流れていた。 地元越谷市も38.8度にまでなっていた。
第4試合に地元浦和学院が登場する頃はもう少し気温が下がるかなと思った。この日は第1試合から結構打撃戦が続き、試合時間は予定より長くかかっていた。だから第4試合のプレーボールは午後4時半を回っていた。 それだけ気温も下がり、ナイターに入ると投手有利になる。 浦和学院の小島君には有利に働くと予想したけど…..
春夏連覇というよりも埼玉県民の願い、選手権制覇を担う浦和学院の初戦の相手は仙台育英高校だった。 今大会屈指の1回戦好カードとなったけど、仙台育英と聞いて強豪とすぐに連想出来る様になった事に隔世の思いがする。仙台育英は野球だけでなく駅伝では男女ともに全国制覇を収める強豪校。サッカーも強い。 こうなれば野球でも全国制覇を狙う戦力だ。



しかし宮城県大会決勝戦は先発投手馬場君が撃ち込まれて柴田高校に5点を先制される苦しい試合。それをひっくり返すのだから恐れ入るのだけど、やはり打線のチームかな?と思った。 先発投手は鈴木君と馬場君が3度ずつ先発し鈴木君が 23回 1/3 馬場君が 25 2/3 投げていた。 そしてどちらかと言えば鈴木君の方が投球内容は良かった。その鈴木君が先発だった。ただ二人とも右投手だったので浦和学院ベンチからすればどちらが先発でも同じ印象ではなかったか? 驚きは県大会決勝戦で2安打1打点を放った小野寺君がスタメンを外れて県大会では4回戦石巻西校戦から出場のない川島君がスタメンでライトに入っていた事だった。

仙台育英注目の先発投手は背番号1番の鈴木君だった。宮城県大会決勝戦の先発が馬場君だったからローテーション通りか、それともこの試合では2番手鈴木君の方が投球内容が良かったからか。 
浦和学院先頭打者の竹村君は初球135㎞のストレートにバットを出してショートフライに倒れた。試合開始のサイレンがなり止まないうちのワンアウトだった。 先頭打者が初球から手を出して凡退するシーンを野村克也氏が見たらなんて言うだろう、と思った。
続く服部君は2-2から 129km のスライダーを引っ張りサードゴロと思ったけどサード加藤君が弾いてさらに悪送球で服部君にワンベースが与えられ2塁に出してしまう。3番山根君は埼玉県大会 ,292 だったけど準決勝、決勝では連続してヒットを放っており選抜では5割以上を打っている。 2-2 からインコース136km のストレートを強振すると打球は左中間を真っ二つに割る2塁打となり服部君が先制のホームを踏んだ。埼玉県大会準決勝戦では好投手聖望学園の長谷川君から2安打を放ったすが主将と思わせられる打球だった。
県大会ではその熱戦となった準決勝の聖望学園戦以外は2回までに先制をして試合の主導権を握ってきた浦和学院、相手の失策からとはいえ見事な先制点だった。 マウンド上の鈴木君、打たれる前のアウトコースに投げた外角へカーブを見送られたのが痛かったか。
仙台育英はさっそく背番号18番檜森君を伝令送る。  それが効いたかマウンド上の鈴木君は選抜では3試合連続本塁打の4番高田君をライトファールライ。 5番木暮君をショートゴロに打ち取り失点を1に抑えた。 この強打打者二人に対してはカーブ、スライダーの変化球が効果的に見えた。

先制を許した仙台育英は先頭の熊谷君が2-2 から外角ストレートをライトに鋭く打ち返し出塁する。 県大会では2割に満たなかった熊谷君だったけど、さすが仙台育英、さすが全国大会と思った。 さぁ小島君ここはどういうピッチングをと思うがストライクが入らなくなってしまった。2番菊名君には 2-1 から外角変化球が暴投となり熊谷君が難なく2塁に進まれ後はストライクが入らず歩かせてしまい、3番長谷川君にも 0-2 から投じた外角変化球がまたもワンバウンドの暴投となりストレートの四球となり無死満塁としてしまった。 左投手の小島君であるが持ち味のやや横手から投げるストレートが左打者にはうまくコントロールできない上に変化球がさっぱりストライクゾーンを通らない。 県大会準決勝、決勝でも立ち上がり安定しなかった。
そして強打者4番長谷川君が無死満塁で打席に入った。 注目の対戦だ。初球は140㎞のストレートで空振り以降3球は全てストレートで1-2と追い込むと4球目は内角引く目に落ちるボールで見事に空振り三振に討ち取った。 前の2打者とは見違える投球内容。 5番の水間君にも初球をストレートで空振りさせたが2球目を水間君にぶつけてしまい同点にされてしまった。
更に6番小林君には1-2 と追い込みながら粘られて最後は135km のきわどい外角ストレートを見極められてまたも押し出しで得点を許し逆転されてしまった。 小島君のスライダーがすべてボールとなりきわどいストレートをファールにした小林君の粘り勝ちだった。
仙台育英ベンチは7番川島君に早くも代打を送る。打席に送られたのは阿部君。 宮城県大会では5試合に出場したがヒットは無かった。選抜でも打席に立った2年生。ここはスライダーが決まり最後は高めの138km のストレートを振らせて三振に討ち取り2アウトにこぎつけた。 ここで小島君は落ち着きを取り戻すかと思われたけど8番の加藤君にも追い込みながら最後はストレートが2球続けて高く外れてこの試合4つ目の四球を与えて3つ目の押し出しとなった。 
小島君は気落ちしたかここから連打を許す。 9番鈴木君には初球カーブでストライクをとるが2球目の同じ様なカーブをレフト前に落とされ更に2点を追加される。ストライクが入らない小島君がカーブでストライクを取ろうと同じカーブを続けたのが痛かった。1番に還って熊谷君は厳しいコースをファールで粘られ10球目をセンターに打ち返されこのイニング6点目を許した。
ベンチ横では早くも背番号11涌本君がピッチング練習を始めた。 だけどこんなに早く小島君は下せないだろうなぁと思った。
この回11人目の菊名君にもストレートが外れ 2-0 となったが3球目を打ってくれてセカンドゴロに倒れて長い長い初回の仙台育英の攻撃がやっと終わった。浦和学院ベンチ、応援団にとっては悪夢のような小島君の立ち上がりだった。



甲子園には浦和学院の校歌が流れる。アルプス席の応援団はどういう心境で校歌を歌ったのだろうと思った。
そして仙台育英右翼の守備には川島君の代打阿部君でなくて2年生の首藤君が入った。 

2回裏の仙台育英。小島君の立ち直りを期待した。先頭打者の長谷川君をベースカバーに入った時に落球し出塁を許したが、続く4番大林君を今度は変化球主体で最後はインハイのストレートで2打席三振に切って取った。これで調子を取り戻したか後続も打ち取った。 5点リードを許しているが何とか浦学打線爆発をと願った。

3回表の先頭打者は1年生の津田君。 選抜ではセカンドは3年生の贄君だったが埼玉県大会4回戦春日部高校戦で負傷を負い以降1年生の津田君が抜擢されている。約半年前まで中学生だった1年生が選抜優勝校のレギュラーになるのだから恐れ入る。 その津田君、県大会は .214 だったが0-1 から132㎞のストレートを叩くと打球は左翼頭上を越える。津田君は余裕のスタンディングダブルだ。打順がトップに戻り竹村君が初球内閣ストレートがユニフォームを掠る“幸運”な死球で出塁し無死1,2塁と反撃の狼煙を上げることとなった。 
続く服部君は県大会序盤は下位打線だったけど贄君の怪我の後は2番に上がり決勝戦の川越東戦は3安打。 この打席では3-2 から粘って136㎞のストレートを詰まりながらもライト前に運ぶ。 これで満塁と思うとこの回から川島君に替わって右翼の守備に就いた阿部君が後逸してしまい津田君が生還し打った服部君は2塁に進んだ。( 記録は2塁打 ) 
そして仙台育英の佐々木監督は右翼手の阿部君をベンチに下げて同じ2年生の首藤君をライトに入れた。 厳しいなぁ~と思った。

マウンド上の鈴木君は3番山根君を歩かせて満塁としてしまう。 4点リードしているからまだ動揺する場面でもないんだけどなぁと思っているとバッターボックスに4番高田君が入った。初球ストレートでストライクを見逃した後の2球目外角低めの変化球が捕手の小林君が捕れないほどのワンバウンドになり3塁走者竹村君がホームを踏み2点を返して 3-6 とした。尚も2,3塁に走者が残るもここは鈴木君が踏ん張り4番の高田君を変化球で三振に討ち取る。 この試合は両チームとも4番打者は無安打だった。
1死を取られたが5番木暮君が 3-2 から136km の低めのストレートを左翼フェンス直撃の2塁打を放ち2者を迎え入れ1点差に詰め寄る。外角カーブで 1-2 と追い込んで4球目137㎞の外角ストレートがきわどく外れたのが痛かった。 
1点差に迫られた鈴木君は続く7番西川君に 0-1 から126㎞の落ちる球を叩かれると打球は左中間を真っ二つに割る。木暮君が同点のホームを踏む。こうなると鈴木君の替え時がと思う間もなく続く小島君が初球をライトに打ち返し西川君が逆転のホームを踏み、ホームへの返球の間に小島君は2塁に進む好走塁を見せる。アルプス席の浦学応援団は狂喜乱舞していた。

仙台育英ベンチは鈴木君に替えて馬場君をマウンドに送った。打順は一巡して津田君に回って来た。 津田君に対して馬場君はストライクが入らずストレートで歩かせ、続く竹村君の2球目、カーブがワンバウンドの暴投となり小島君が3塁に進む。そして2-2 から落ちるボールが高く入り1,2塁間を破られ小島君が還り 8-6 とリードを広げた。 1-2 から自信を持って投げた139㎞のストレートが僅かに外に外れボールとなったのが痛かった。 更に服部君には詰まりながらも0-1 からセンター前に運ばれ追加点を許し3点リードとされた。服部君はこのイニング2本目のヒットだった。仙台育英バッテリーは次の山根君の打席で 1-1 から盗塁を許すが鈴木君は山根君を139km のストレートで三振に討ち取りこの回9失点目は何とか防いだ。 
馬場君の派手なガッツポーズが目立ったけど、主審が注意しなければいいなぁと思った。 埼玉県大会ではあまり見られなかった1イニング7安打の集中打だった。
浦和学院打線は4回にも西川君の適時打で追加点を挙げればリードを貰った小島君は3回から3イニング連続で三者凡退に仙台育英打線を打ち取った。 これで浦和学院ペースで試合が進むと思ったんだけど。

同点に追い付いてからは仙台育英のペースだった。7回裏には四球と野戦で無死1,2塁のピンチを招くが8番加藤君の初球。バントの構えから捕手西川君が2塁走者の小林君が飛び出したのを見逃さず2塁に送るとランダウンプレーで刺し、更に2塁に走った1塁走者の馬場君も刺して一気にアウトを二つ取った。 このプレーを見ているとサードの高田君の走者の追い込みのうまさが目立った。 
だが小島君は1番の好打順から始まる8回裏には更に大ピンチを招く。 先頭打者の熊谷君に1-2 と追い込みながら135㎞のストレートをセンター前にライナーで弾き返されるこの日3本目のヒットを許し、菊池君にはストレートが高く浮き歩かせてしまい長谷川君にぶつけて無死満塁としてしまう。 変化球がまたコントロールできなくなっていた。ここで打席にはこれまで4打席無安打2三振の4番上林君を迎えるもう投球数は160球を越えている。
だけどここから小島君の圧巻のピッチングが披露される。上林君にはすべてストレートで攻めて 1-2 から138㎞のインローのストレートでこの試合上林君から三つ目の三振を奪うと宮城県大会では.524 だった5番水間君を得意のクロスファイヤーで追い込んで最後はアウトコースのストレートで空振り三振。 そして小林君も1-2から138km のストレートで空振り三振に討ち取った。 ナイター照明に灯が入り投手には有利な状況となっていたけど無死満塁から後続の3人の打者を12球すべてストレートで三者連続三振に切って取る素晴らしい、全盛期の江夏を髣髴する様なピッチング内容だった。 
さぁ2年生が力投いているんだ、決勝点を挙げてやれ!とテレビに向かって呟いた。 しかし仙台育英2番手の馬場君も140㎞のストレート、ワンバウンドをしても空振りさせる120km 代のフォークで5回以降1安打しか許さない。 
9回表、先頭の木暮君が空振りの三振に倒れた後、斉藤君がしぶとくセンター前に落として出塁する。 埼玉県大会の聖望学園戦では最終回決勝の3塁打を放った斉藤君のこの試合初ヒットだった。 しかこし続くこの日2安打の西川君は2-2 からアウトローに138㎞のストレートを投げ込み見逃し三振に切って取られる。 馬場君この日8つ目の奪三振だった。
そして打席には小島君が入る。 ここはくさい所を突いてわざと歩かせるか?と思ったけど 1-2 からストレートを強振し強烈な打球が飛ぶが遊撃手の熊谷君が左に倒れ込んで打球を抑えた。
173球を既に投げている小島君は9回のマウンドに上がる。 先頭の馬場君を三塁ゴロに打ち取り次の出さ刃加藤君に初球を投げた後に右脚を痛めたらしく何度も屈伸を繰り返す。 それでもよくならない。ベンチからは水分が渡される。 そして拍手に送りだされるようにマウンドに再び戻った。 何とかこの回だけでも…と願うけど、1-2 から外角のストレートを加藤君に逆方向になるライトに打ち返される。打球はぐんぐん伸び何とか斉藤君が追いついたけど球に力が乗っていない様に思えた。 
続く小野寺君には 明らかに軸足に力が掛からない投球が続きレフト前に弾き返された。 だけど宮城県大会決勝戦2安打ながらこの試合スタメンを外された小野寺君も意地があったと思う。
ここで浦和学院、森監督は小島君に替わって山口君をマウンドに送った。 小島君182球の熱投だった。拍手に送られてベンチに戻った小島君だったけどベンチに戻った瞬間にこらえきれなかった思いが爆発したようだった…..だけど彼の将来を考えればこれ以上は投げさせられないだろう。 それに彼をここまで引っ張らざるを得なかった事がこの試合の結果につながったと思う。
マウンドの上の山口君は埼玉県大会では3試合に登板し先発したのは3回戦の川越初雁戦のみ。 今年の選抜では2試合に登板し3イニング投げた。 春季関東大会では決勝( 4-1 前橋育英 ) 準々決勝 ( 6-3 山梨学院 ) と完投勝利を収めている。 既に2死なので打席の熊谷君さえ抑えられれば…と思った。 
しかし悪い予感も。昨年の選手権3回戦、先発したのは1,2回戦で完投した3年生の佐藤君では無く何故かこの時2年生だった山口君が先発。2回3失点でマウンドを降りて、2番手に起用されたのがこの時1年生だった小島君だった。 小島君も3回投げたが3点を失い3番手佐藤君が3イニングを1安打に抑えたので何故佐藤君を先発させなかったのかな、とこの時思ったものだ。

この試合これまで3安打の熊谷君に対し、山口君は140㎞代のストレートを投げ込む。 2-2 からの6球目の変化球が低く外れる。その前に144㎞のストレートをファールされたので変化球を投じたのか。 7球目外角高めに投げた144㎞のストレートが真ん中に入って来た。熊谷君がバットを一振りするとライナーの打球がレフトフェンスに飛ぶ。







左翼手の服部君が打球を拾って、中継の竹村君に。竹村君は試合後新聞紙上で語った“間に合ってくれ”と捕手の西川君に返球したが長躯1塁から走り込んだ小野寺君の脚が早くホームを駆け抜け、試合終盤でも気温が34度あった文字通り熱戦、激戦、そして激闘に終止符が打たれた。





両軍合わせて21得点入ったけどスクイズによる得点は無かった。 スクイズの機会は少なくは無かったけど。

史上8校目の春夏連覇そして埼玉県勢初の選手権制覇はこの瞬間に消えた。 
これで仙台育英は結構上まで行くだろうなぁと思ったけど次の対戦がこれまた強豪の常総学院だった。浦和学院が仙台育英に例え勝てても次は常総学園かぁと思った。そして仙台育英は常総学院に 1-4 で敗れた。

翌朝早朝、駅前のスーパーマーケットに買い物に行った帰り、浦和学院の応援バスが前を通った。 生徒達は遠路を終えて地元に到着した為か安堵した表情だった。 野球部の3年生達はこれからどこかに遊ぶに出かけるんだろうなぁ~。
まだ甲子園は熱戦が続いている。 埼玉県ではもうすぐ秋季大会が始まるんだろうなぁ~。 

またどんなドラマが待っているんだろう。そしてこの暑さはいつまで続くのだろうか……





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