Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

ドリームマッチ JOMO CUP J-League 4-1 K-League

2009-08-14 | 京都サンガ J-League

昨年から始まった日韓のオールスター戦。今年はじっくりとテレビ観戦が出来た。
サッカーの世界でオールスター戦と言うと…チャリティーマッチを除いて定期化されたものは欧州や南米ではあるのだろうか…海の向こうのアメリカでは Major League Baseball 同様 Major League Soccer の方でも存在するらしい。
日本リーグ時代は毎年夏に札幌で東西対抗戦が行われシーズン開幕を告げていたがこの東西対抗戦が所謂オールスター戦であった。この東西対抗戦は後にコダックカップと名を変えて国立競技場でシーズン開幕前に開催され私も何度か足を運んだ。当時は日本リーグの試合に1万人も観客が入る時代ではなかったがこのオールスター戦には2万人以上は観客が入っていた。そして観ていても面白かった。
しかし元々東西対抗戦は全日本選手権が始まって11年後の昭和7年(1932年)、当時全関東対全関西が対戦する形で行われそれぞれメンバー選考はセレクションゲームで行われ決められていた。そしてある時期は全日本選手権以上の重要性もなしていた。それは天皇杯の下賜が東西対抗戦になされていた時期があった。現在の天皇杯と呼ばれる大会の勝者に“天皇杯”が与えられる様になったのは昭和26年大会からでそれ以前の“全日本選手権”には天皇杯という名称はつけられていない。

Jリーグが発足して以来、シーズン中に“オールスター戦”の性格を持つ試合が続けられている。第1回の試合は面白かった。木村和司のパスを受けたKAZU がゴールを挙げたのを見て胸が熱くなった。しかしやはり野球と異なりボディーコンタクトのあるサッカーで真剣味を欠く試合は観ていてあまり面白くない。しかしシーズン中に真剣勝負を求めることも厳しい要求と思った。 
ならば海外からチームを招待して東西日本でそれぞれEast 選抜と West 選抜と1試合ずつ行ってはどうかな….と想像していた。 
そして昨シーズンから韓国国内リーグとの対抗戦が実現。楽しみが一つ増えた。

久々の生中継テレビ観戦、アナウンサーが “韓国代表12人を含む…..と豪語しているけどよくよくメンバーを調べてみるとこの前のワールドカップ最終予選ほぼ毎試合出場していたのは GK 李雲在(水原)とMFの寄誠庸(ソウル)くらいであとはかつて名古屋に在籍したMF の金正友(城南)が8試合中4試合先発フル出場を果たした程度。DFの金亨鎰(浦項)は7試合目のサウジアラビア戦ではスタメンフル出場を果たし次戦のイラン戦はベンチ入りをしたが、他の選手はほとんどこのワールドカップ最終予選での出場歴は無く、私の好きな崔成国(光州)は最終予選初戦の北朝鮮戦に60分出場したのみだった。 MF の崔兌旭(全北)はアウェーのUAE戦から最終戦のイラン戦まで3試合連続でベンチ入りを果たしたが出場したのはホームでのサウジアラビア戦に交替出場で6分間出場したのみ。
8月12日にソウルワールドカップ競技場で行われたパラグアイとの親善試合に招集されたのもJOMO CUP のメンバーでは GK李雲在と金永光(蔚山), 金亨鎰、金正友, 寄誠庸 そしてFWの李東國の6人だけだった。まさかKリーグ選抜の車範根監督はこのJOMO Cup をパラグアイ戦のメンバー選考会としたのではないだろうが… 
DF 趙容亨(済州) 呉範錫(蔚山)姜敏壽(済州) MF金致佑(ソウル)廉基勳(蔚山)李昇 (釜山)呉章銀(蔚山) FW趙東建(城南) 彼らパラグアイ戦に出場した選手達はどうしてJOMO CUP に選出されなかったのか?いやしなかったのか……
J League も、中澤、闘莉王は怪我、長友 玉田 は何故出ない?と言われていたかもしれない。
ただゲストの李炳憲は救いだったなぁ…..

試合は開始早々K-Leagueが押し込む。崔兌旭(全北)がドルブルで左サイドを切り裂いてく。そして右サイドからは崔成國と寄誠庸が上がってきて立ち上がりの3分間で3本のシュートを撃たれた。
最初の決定機はK-League 。9分16秒寄誠庸が倒され得たFKを自らゴール前に入れ趙容亨にヘッドで撃たれたがわずかにポストを外れてくれた。その直後には憲剛の浮き球のパスを胸でトラップしたジュニーニョがうまく浮かせて撃ったが李雲在が右に倒れて抑えた。
11分48秒には寄誠庸が遠藤をかわして左サイドから逆サイドの李東國に送り、李は頭で折り返すとそこに走り込んだ Damjanoviv Dejan がオーバーヘッドで狙うがミートせずゴールには飛ばなかった。しかし李東國にそのままヘッドで撃たれても危なかった…… そして寄誠傭が存在感を見せ出した。
しかし14分にJ League に先制ゴールが生まれる。憲剛がドリブルで中央をあがり上手く左のマルキーニョスに出すとそのまま放ったシュートは李雲在の守るゴールネットを揺らした。

            

マルキーニョスのシュートは K-League CB の李瑋峰の足に当たって少しコースが替った。李瑋峰は中国代表の CB で2008年の東アジア選手権の日本戦で鈴木啓太に喉輪を入れた選手。今シーズンから水原三星に所属。 今年 ACL では鹿島、名古屋と対戦している。
先制後は日本の中盤がボールを支配し始めJ-League が押し返す展開に。J-League の中盤の4人も前線がジュニーニョとマルキーニョスとくればかなり余裕を持ってボールを出せたのではないか?何しろ昨シーズンと一昨シーズンのJリーグ得点王が並んでいるのだから。 ワールドカップ予選の最前線よりも強かったのではないか?まぁワールドカップ予選はワントップが多かったけど…. ただマルキーニョスも最初のうちは韓国DFの球際の強さは日本で感じるそれよりは強いと感じたかもしれない。
韓国側は前線の崔兌旭、崔成國そして李東國のドリブル、ボールキープ頼りなのに比較してJ-League は2列目の飛び出しやサイドチェンジを使った多様な攻めで相手DFを翻弄する。カウンターは明神が読みの良いディフェンスでカットするシーンが続く。でも李東國の元気な姿をみて安心した。次のワールドカップこそ選ばれる事を祈る。こう思えるのもこう言った試合だからだろうなぁ……

後半に入りJ-League 選抜が内田に替えて駒野を投入したのに対し、 K-League 選抜は DF 金昌樹 MF金正友 FW 李東國そして Dejan を下げ DF崔孝鎭(浦項), MF 李浩 (城南) FW ユビョンス(仁川U) そして 昨年のこの大会で2ゴールを挙げた Edu を投入して来た。 崔孝鎭はワールドカップ最終予選の北朝鮮戦で途中出場で11分間プレー、李浩は2006年ワールドカップメンバー。ユビョンスはワールドカップ予選のアウェーでの UAE 戦でベンチ入りを果たした選手。 

しかし追加点はJ-League だった。CKからの跳ね返りを遠藤に替って入ったばかりの野沢が撃つとゴール前正面で構えていた李正秀に李はそのまま崔孝鎭をかわして替ってゴールを守る金永光を破り K-League ゴールに蹴り込み追加点を挙げた。愛する京都からただ一人出場の李正秀の見事なゴールだった。昨年はあちらで出ていたけど…

     

この時間帯から2点のビハインドを追う K-League が遠藤と小笠原が抜けたせいかやや攻勢に出る。70分11秒に奇誠傭のCKにエドゥーが阿部がマークに入る直前に頭で合わせてファーポストを狙うがわずかに左に外れてくれた。
72分には左サイドを上がったジウトンが倒されて得たFKを野沢がゴール前に放り込み走り込んだ憲剛がうまく回り込んで李浩をかわしてK-Leagueゴールに蹴り込んで試合を決定づける3点目が入った。そしてこの時点でMVPは憲剛だろうとも思ったのだけど…..

     

K-League は試合開始から飛ばし過ぎたか運動量ががっくりと落ちて来た。韓国は代表チームもそうだけど試合の終盤になると運動量が落ちる事が多い。70年代は90分間かれらのスタミナは尽きる事が無い様に思ったが90年代に入り日本の技術と戦術が彼らの良さを消すようになって来た。それでも勝負強さは韓国の方が上だと思っていたけど….
81分には相手クリアーボールをそのまま明神が前線に送りジュニーニョがダイレクトで更に前に送ると走り込んだ野田がミドルを放つ。 GK 金永光は一旦はじいたがこぼれたところをジュニーニョが詰めて押し込み遂に4点目。1974年の日韓定期戦で日本は 4-1 で韓国を降したがそれ以来の4点目か?いや確かシドニー五輪チームが韓国五輪チームを親善試合で 4-0 で破った事があったなぁ……
ゲストのイビョンホン氏の表情もちょっと気の毒に思えて来た。野沢のシュートの前にマークに入った金亨鎰そしてジュニーニョのマークに入った李瑋峰のマークがワンテンポずつずれたがその前にDFラインが押し上げておればオフサイドをとれたシーンでもあった。

        

その後のリスタートから K-League はボールを繋いで崔成國が右サイドを突破しジウトンと交錯して転倒したところを中国人のファンジュンジェ主審はすぐにペナルティースポットを指した。 明神らが抗議をするが…この主審は77分にジュニーニョが崔成國に肘を入れられた時にエドゥー監督が激しく抗議をするとすぐに飛んできた、前半も同じような事があったけどもう少し公平に笛を吹けよ、とも思った。
このPKを崔成國が決めイビョンホン氏、地元サポーター達が少し喜ぶ様子が映し出される。しかし指揮を執る車監督の様子は変わらない。自分が現役の時は日本にこんな負け方は考えられなかった…とでも思っているのか?
しかしこの見事な主審の演出は勝敗には影響せず、試合結果は J-League 選抜の完勝に終わった。
だけど、韓国側は最後まで抵抗を見せた。MVPに選出されたのは何と李正秀だった。攻守に渡ってと言うのが受賞の理由らしいが、理由は彼が韓国人選手だからだろう。どう考えても中村憲剛か野田ではなかったか? 受賞した李正秀自身がかなり戸惑った様子。しかし他のJ-Leagueの選手達は委細かまわず彼を祝福していた。満足していたのは韓国の関係者達ばかりだった……
私的には愛するサンガでプレーする李正秀がMVP選手に選ばれたことが救いであった。

翌日の朝鮮日報を見ると珍しく K-League 選抜の完敗を認めていた。

レベルが違うMF陣  
現代サッカーは中盤が命。今大会でも如実に表れた。 
中田英寿というワールドクラスのMFを生み出した日本は伝統的にMFにいい選手が多い。李正秀(イ・ジョンス)は「ボールコントロールは韓国よりも日本のMFの方がはるかにうまい」と評し、代表でMFの軸となっている奇誠庸(キ・ソンヨン)も「日本のMFは素晴らしかった」と語った。 組織力でも差があった。まるで今年のUEFA(欧州サッカー連盟)チャンピオンズリーグの決勝のバルセロナ(スペイン)対マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)の再現のようだった。小笠原と中村憲剛が軸となったJオールスターズのMF陣は組織力を基盤とした鋭いパスで試合を支配した。一方、奇誠庸と金正友(キム・ジョンウ)によるKオールスターズのセンターハーフからはパスの流れが途切れる場面が目立った。 
崔兌旭(チェ・テウク)、崔成国(チェ・ソングク)はサイドで鋭い突破を見せたが、センターハーフからのパスがカットされたため、単発的な攻撃に終わった。4点も取られた最も大きな理由といえる。

ハイレベルの外国人
都合のいい言い訳に聞こえるかもしれないが、Jオールスターの外国人もレベルの高さも際立っていた。ダムヤノビッチ、エドゥらは力強いサッカーを見せたが、タイトなマークに何度も苦しめられた。 一方、Jオールスターの攻撃をリードしたマルキーニョスとジュニーニョは存分に力を発揮した。さほど背は高くないが、優れた瞬発力とハイレベルのテクニックでKオールスターズのDFラインの背後を何度も衝いた。先制点を挙げたマルキーニョスの素晴らしいテクニックと4点目を挙げたジュニーニョのスピードは圧巻だった。 さらにMF陣とポジションチェンジを繰り返し、Kオールスターズの守備陣をかく乱した。最前線から中盤まで幅広く動いて2対2や3対3の細かいパスを交換したり、抜群の瞬発力でKオールスターズの守備を突破したりとレベルの違いを見せつけた。

戦術でも完敗   
マルキーニョスに先制点を許した後もKオールスターズには目立った戦術の変化はなかった。思うような攻撃ができない崔兌旭と崔成国がサイドを変えたことが唯一の変化だった。 前線からのプレスも不十分だった。李東国(イ・ドングク)は「プレスするために走り回ったが、Jオールスターズのパスにかわされて体力を消耗した」と語った。 中途半端なDFラインも問題だった。点を取るためにラインを押し上げるというわけでもなく、Jオールスターズの裏への鋭い飛び出しに備えてラインを深めにするというわけでもなかった。そのため、DFとFWの間をコンパクトにできないまま、JオールスターズのMFにスペースを与えることとなった。
さらにKオールスターズの中で相手の脅威となっていた崔兌旭に代え、キム・ヨンフを投入した選手起用も問題だった。その後は、崔成国だけが鋭い突破力で日本を脅かすにとどまった。クロスによって優れた体格を生かすヘディングシュートも影を潜めた。サイドの突破からクロスを挙げる選手がいなかったためだ。 韓国の完敗だった。


      

後半開始に李東國、デヤンのどちらかを残すべきではとは私も思った。それでも前半の立ち上がり、2点リードされてからのエドゥーのヘッドの何れかが決まっておればまた違った結果になっただろう。選手起用、そして交替を見るとどうしても4日後のパラグアイ戦を視野に入れていた思えてならない。
その李東國、12年振りのワールドカップ出場を目指すべく4日後のパラグアイ戦にスタメン出場を果たした。今度こそ出場をして映画“ロストメモリー”の様にゴールを決められるか、ただし韓国代表として。

そして私は来年夏、日本で開催されるこの試合、観戦する事が出来る事を祈った。

J League 選抜 4 -1 K League 選抜
得点経過 : 1-0 ( 14分マルキーニョス ) 2-0 ( 59分 李正秀 ) 3-0 ( 72分中村憲剛 ) 4-0 ( 81分 ジュニーニョ ) 4-1 ( PK 82分崔成國 )

J League 選抜
GK 1 楢崎正剛 ( 名古屋 )  DF 2 内田篤人 ( 鹿島 ) 3 岩政大樹 ( 鹿島 ) 6 李正秀 ( 京都 ) 15 ジウトン ( 新潟 )  MF 8 小笠原満男 ( 鹿島 ) 17 明神智和 ( 大阪 )
7 遠藤保仁 ( 大阪 ) FW 18 マルキーニョス ( 鹿島 ) 10 ジュニーニョ ( 川崎 )

交替 : 46分 内田→DF5 駒野友一 ( 磐田 ) 59分 遠藤→MF 9野沢拓也 ( 鹿島 ) 63分 マルキーニョス→FW 11 大久保嘉人 ( 神戸 ) 67分 小笠原→MF 13 阿部勇樹 ( 浦和 ) 75分 楢崎→GK 曽ケ端隼 ( 鹿島 )

K League 選抜
GK 1李雲在(水原) DF 3金亨鎰(浦項) 4金昌樹 ( 釜山 ) 5李瑋峰 ( 水原 )
6郭煕柱(水原)  MF 7 崔成國 ( 光州 ) 11崔兌旭(全北) 14金正友(城南)
16寄誠庸(ソウル) FW 10 デヤン ( FC ソウル ) 18 李東國 ( 全北現代 )

交替 : 46分 金昌樹→DF 2崔孝鎭(浦項) 金正友→ MF 13李浩(城南) デヤン→ FW 9エドゥー ( 水原 ) 李東國→ MF 15ユビョンス(仁川U) 56分李雲在(水原)→ GK 19金永光(蔚山) 65分崔兌旭→ MF17 金容浩 ( 江原 )



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2 コメント

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Unknown (ニュースで暇つぶし)
2009-08-15 19:21:58
この時期にオールスターをやる必要があるのか
日韓戦という形でやるのか
個人的にはかなり色々と疑問です
オールスター戦 (Mr.コンティ)
2009-08-16 14:34:04
シーズン真っ最中にこういう興行を組む事はいかにも”プロ野球的”という感じはします。
Jリーグ発足前はシーズン開始前でしたから。JSL時代は秋に開幕だったのでオールスター事態は8月でしたっけ。

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