シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ロードオブザリング スペシャルエクステンデッドエディション 前編

2007-02-08 | シネマ ら行
いよいよやってきました「ロードオブザリング」祭り ってこれ、このブログのみの勝手な企画です。随分前に「映画バトン」の好きな映画5本中に選んだ「ロードオブザリング」シリーズ。しかし、これまで取り上げたことはなかったのです。なぜかと言うと、このブログを始めたときには映画館で見てからも、DVDを買って見てからも時間が経っていたから、大好きな作品だけにきちんと見直してから書きたかったんです。正月休みに3部作すべてを、しかもスペシャルエクステンデットエディションという監督が劇場版で泣く泣くカットした場面を加えたバージョンをにゃおと通しで鑑賞。208分、214分、250分の全部で11時間12分という超超大作。感動も新たにみなさまにお届けいたします。大好きな作品の感想ほど書きにくいのでうまく書けるかどうか分かりませんし、あまりにも長いので感想というよりも好きなシーンを並べて順番に紹介するって感じになってしまうかとは思います。しかもこの作品はマニアの方が多い作品で、ワタクシなぞマニアには程遠くかなりフィーリングだけで書いていくことになると思いますが、まぁとにもかくにも「ロードオブザリング」祭りの始まりで~す

1作目は「旅の仲間」ですが、邦題では公式には副題はついていないようです。ここは、これから始まる長い長い旅の導入部です。のんきで楽しいホビット庄から物語は始まりますが、ここでの明るい色彩、ホビットたちののんきな姿を目に焼き付けておきましょう。フロドバギンス(ボクちゃん体は小さいけど首だけは太いのよでおなじみの)イライジャウッドがビルボバギンスイアンホルムからサウロンの「ひとつの指輪」を受け取り、それを「滅びの山」に捨てに行く暗い暗い道中、あなたもあの牧歌的で美しいホビット庄、小さいホビットのおうち、食いしん坊のホビットたちをなつかしく思い出すことになるでしょうから。このホビット庄では彼らの友人である魔法使いガンダルフイアンマッケランと陽気なホビットコンビメリードミニクモナハンとピピンビリーボイドたち、そしてフロドの盟友で庭師のサムワイズギャムジーショーンアスティンが紹介されます。ここでメリーとピピンがいたずらするガンダルフのドラゴンの花火が圧巻。このいたずらがこの二人のキャラクターをうまく表現していますね。

フロド、サム、メリー、ピピンが旅の途中で出会うのがさすらいの人アラゴルンヴィゴモーテンセン。(別名をストライダーというのですが、原作では馳男(はせお)さんと訳されていてなんだかちとマヌケな感じがします)彼らの出会いのシーンもかわいい。アラゴルンが味方だと分からないホビットたちは手に手にそこらへんの棒切れやらを持って彼に襲いかかろうとします。小さいホビットが一所懸命フロドを守ろうとする姿がとても微笑ましい。この5人でいるときに一行は指輪を追うナズグルたちに襲われるのですが、ナズグルの登場シーンの映像と音楽が実に荘厳で美しい。そして、半分腐敗したような馬に乗っているナズグルも敵ながらもの凄くカッコよくて美しい。それだけに余計怖い。ナズグルがフロドが寝ていると思ってベットを刺すところなんて心臓バクバクもんです。アラゴルンが目を離したスキにフロドがナズグルに刺されちゃうしなぁ。アラゴルン、フロドから離れるんじゃないよぉ、まったく

傷を負ったフロドを助けてくれるのが美しいエルフの姫でアラゴルンの恋人アルウェンリヴタイラー。(彼女は出番はそう多くないのですが、少しふくよかな感じが柔らかい優しさをかもし出していて、この役によく合っています)彼女がフロドを父エルロンドヒューゴウィーヴィング(「マトリックス」のミスタースミス&「Vフォーヴェンデッタ」のVですね。あんまり、エルフ顔じゃないなぁ)の元へ連れて行ってくれるとき、追いかけてくるナズグルをエルフの魔法で追い払ってくれます。このときアルウェンが起こした水しぶきが白馬となってナズグルに襲い掛かる魔法の映像は鳥肌もので、このシリーズの中でもかなり上位ランクに入るワタクシお気に入りのシーンです。でも、この魔法の白馬がどっと押し寄せてきた時、その呪文を唱えたアルウェンも一瞬ビックリしたような顔をするのはなんでやろ?彼女自身もそこまで強い魔術が使えるとは思ってなかったんかな?

アルウェンの父エルロンドのところでようやく指輪のことが各種族の代表たちで話し合われます。ホビットたち4人、合流したガンダルフ、アラゴルン、人間の国ゴンドールのボロミアショーンビーン、エルフの闇の森の王子レゴラスオーランドブルーム、ドワーフのギムリジョン=リスデイヴィス、結局フロドが指輪を持ち、この9人が滅びの山目指して旅を始めることになる。(ピピンはなんのこっちゃよう分かってないけどとりあえず参加)ここでやっと本格的に「旅の仲間」の旅が始まる。ここに至るまで実に1時間半。前置きが異常に長い物語なんですよね。それに辟易する人も多いようです。

フロドが旅立つ前にビルボが餞別として、エルフの剣(sting、つらぬき丸)とミスリル(ドワーフの鎧)をくれるのですが、この時にもう一度指輪を触らせてくれとねだるんです。そのときの彼は一瞬怪物のような顔になります。普段穏やかなビルボだけに見ているこっちもビックリですが、あとから考えるとこのときはまだ指輪の魔力の怖さをフロドは十分に気づいていなかったということになるでしょう。

ここからは吹雪の山を登り、ドワーフの谷モリアを抜ける道へと一行は向かいます。この道中でエルフとドワーフがいがみ合っていることや、ボロミアがホビットを小さい人たちと言って可愛がり、剣のてほどきなどもしてやっている姿が描かれます。しかし、ボロミアにはもう一つの顔があり、人間の国ゴンドールのために指輪を利用しようとしているのです。彼らの旅はのっけから困難だらけですが、モリアでは大勢のオーク、トロル、火の怪物バルログが現れます。このバルログから逃げるとき、ボロミアがホビットたちを守ってあげ、彼らが飛べないところはボロミアからアラゴルンへとホビットのパスが飛ぶ。ここでホビットよりは大きいが人間より体の小さい、誇り高きドワーフのギムリがひとこと。「俺のことは投げるなよ」ギムリはこの旅を通してずっとお調子者のピピンと並んで笑いのパートを引き受けているのです。頑固だけど、愛嬌のある愛すべきドワーフなのです。このバルログに立ち向かったガンダルフは谷底へと落ちていってしまいます。「(わしを待たずに)行け、愚か者たちよ」と言って落ちて行くガンダルフ。打ちひしがれる一行。「ウソ…ガンダルフがここで死んじゃうなんてありえない。この先どうすればいいんだよ、ガンダルフぅぅぅ」ってホビットと一緒に泣いちゃいました。オークの追撃を考え、先を急ごうとするアラゴルンにまたまた、ボロミアが「(悲しんでいる)彼らを休ませてやれよ」と優しさを見せます。ここもジーンと来るシーン。