LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

『LE CHOC』

2005-04-19 | THE SOUNDTRACKS
アラン・ドロンのフィルモ・グラフィーを総括して見て行くと
その映画音楽の素晴らしさに触れないわけにはいきません。
今回からは随時不定期的にドロン映画のサントラについて記していきます。

第1回目は『LE CHOC』です。

この作品は現在のところ残念ながら未だCD化されていません。

私が所有しているのは1982年、映画がフランスで公開された頃に、
輸入されてきたLPレコードです。

初めて神戸三宮の輸入レコード店でこれを見つけたときは、
まずそのジャケットのデザインの印象の強さに驚き、
家に帰ってきてそれを開いたときの裏ジャケの写真のかっこよさにしびれ、
レコード針を落とした瞬間から流れてきたその音楽の素晴らしさに感嘆しました。

音楽の担当はフィリップ・サルドです。
彼はドロンの作品はこれが7作目ですが、それまで6作のイメージとはがらりと変わり、
スリリングかつメロディアスでハッピーな曲を次から次へと聴かせてくれます。
70年代後半から80年代前半のサルドの作品には、アメリカのジャズ・ミュージシャン
をゲストに迎え、バックを重厚なオーケストレーションで固めることで
今まで聴いたことのないようなシンフォニック・ジャズの世界を堪能させてくれました。
(その代表作はスタン・ゲッツを招いたドロンの『チェイサー』でしょう。)

そしてこの『LE CHOC』の音楽はいわばその集大成といった内容で、
ジャケットには一切ミュージシャンのクレジットが記載されていないのですが、
かなり著名なアーティストが参加していることは、その音から十分に推察できます。

メロディの中心を奏でるのはソプラノ・サックスです。
しかしながら『チェイサー』のゲッツのテナーのようにアドリブ演奏は一切なく
うねるようなバックのオーケストラとシャープなリズム・セクションと一体となって
あくまでも譜面に忠実な演奏を聴かせてくれます。

また最初にドロンがドヌーヴに出会う七面鳥農場の場面で流れる曲は
その名も『七面鳥シンフォニー』と名づけられた壮大な曲で、サルドの多才さに酔わされます。
海岸でドロンとドヌーヴがふたりで歩くシーンに流れる叙情的な愛のテーマも素晴らしい曲です。
テロリストたちが襲ってくるシーンに流れるフリージャズ風のサスペンス曲は、
ストリングスのスピード感溢れる演奏とベースの音色が非常に印象的です。

これほど何回聴いても飽きの来ないサントラはありません。
一日も早いCD化を心から願っています。
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4 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
素晴らしいジャケット! (ジュリアン)
2007-12-10 01:15:47
随分前にこの記事を読んでドロン・サントラ道に復帰しました。とにかくドロン&ドヌーヴのツーショットのジャケットの素晴らしさが目を引きました。
昔、お世話になった記事に今、自分の記事をTBしてるなんて何か不思議な感じです!
しかしこの共演で劇場未公開とは…
返信する
そうですね。 (チェイサー)
2007-12-10 01:27:14
仰るようにこのジャケットの二人の姿は、
特に見開きの裏ジャケ写真は、
とんでもなく崇高に輝いています。
バックのエンジ色との対比も見事です。

この記事を書いてから2年半以上も経過したとは我ながら驚きです。
復刻(?)ありがとうございます。
返信する
いよいよです (ジュリアン)
2009-10-09 01:44:12
TB有難うございました
以前コメントさせていただいた頃はCD化なんて夢かなって思ってた頃ですね
いよいよです! オリジナル全曲+ボーナスといった形でのリリースお願いしたいですね
返信する
感謝です。 (チェイサー)
2009-10-09 02:08:15
ジュリアン様、このたびは本当にありがとうございました。
私も他の発売作品も加えた記事を作成いたしました。
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