LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

LE CHOC (4) 

2005-04-17 | THE 80'S CINEMA
DVDライナーノーツの後半の翻訳です。
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撮影開始前からアラン・ドロンはカトリーヌ・ドヌーヴとの共演を心から喜んでいた。
“プロデューサーたちのイマジネーションには誰もが疑うだろう!
ドヌーヴと私を再共演させようなんて今まで誰が思ったことか。
私たちの共演はメルヴィル監督作『リスボン特急』以来のことさ。”

そして撮影終了後もドロンはドヌーヴとの仕事に満足であった。
“私は彼女の輝く美しさと有り余る才能を目の当たりにした。
彼女と共に仕事をすることで、私はヨーロッパの大スターに舞い戻ったような気がする。
そして私たちはスクリーンの上に信頼できる本物のカップルを作り上げた。
ここが大変重要なことだ。どんな映画でもこうなることはない。これがプロの仕事だよ。”

一方ドヌーヴはドロンとの共演に当たり、この作品は推理小説(ポリシエー)ではあるが、
ラブストーリーであることを女優として主張する。
“今までのドロンの作品は「男の映画」だったわ。女性は皆助演にしかすぎなかった。
この『LE CHOC』は永年のドロンの作品群の中で初めて
復讐の気持ちよりも愛情が重要なテーマの映画なの。
私たち二人は敵と戦う中でその二つの気持ちが混ざり合っていくの。”

ドヌーヴはアクション・シーンの撮影も十分に楽しんだ。
“今までの私の作品で肉体的に激しいアクションシーンがあるものはなかったわ。
この作品では私は人も殺すし、おまけに相手は女性なの。
しかしそれは私自身やアランの命を守るために行うことよ。”

ドヌーヴはその他にドロンと初めて出会う場面で3000羽の七面鳥とも共演した。
彼女にとって忘れられないシーンのひとつである。

1982年に封切られたこの映画は、ドロンとドヌーヴ共演がマスコミを賑わせた。
しかしながら批評家たちの反応はやや穏やかなもので、
ドロンがいつものポリシエにしか出ない事をやや残念がった。
“観客に驚きはない。ドロンはいつものイメージに忠実だ。”

プロデューサーの期待よりは下回ったものの、封切り後この作品は
1,508,218人の観客を動員した。
特にパリでは251,573人の観客が劇場に足を運んだ。

“大女優との共演”の成功にはずみをつけて、
ドロンは次回作としてロミー・シュナイダーを共演に再び迎え、
ピエール・グラニエドフェール監督がメガホンを撮る
“L’UN CONTRE L’AUTRE”
の撮影の準備に取り掛かった。
“私たちフランス映画界の二人の大スターの共演で観客にまた夢を見てもらえるよ。”
しかしながら1982年5月29日ロミーは死去し、
それ以降この作品が彼女なしで製作されることは二度となかった。
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この作品のサントラについてはこちらです。
『LE CHOC』


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