陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

トヨタ車の大量リコールが世界に拡散

2010-01-28 23:26:13 | 財政・経済問題
 トヨタ自動車は、「プリウス」人気で世界のエコカー販売をリードすると共に、今年のトヨタグループ(ダイハツ、日野自動車を含む)販売台数を6%増の826万台とすることを発表し、気炎を上げていた。1月26日のことである。

 その一方、昨年11月に、人気車種のアクセルペダルに関する不具合を発表、426万台について自己改修するとしていた。今年になって、「レクサス」や「カローラ」など230万台を急遽リコール(回収・無償修理)すると発表(1/21)。こうした中で強気の世界販売戦略を公表した翌日、更に米国で109万台の追加リコールを行うと発表したから、米国人ユーザーは唖然としてしまった。

 カナダでも、同種のトヨタ車約27万台をリコールする。

 ケンタッキー州の巨大なプラントを始め、北米の5大トヨタ工場では、生産中止に追い込まれ、ラフード米国運輸省長官もリコール督促と販売中止を求める始末。有力レンタカー会社では、トヨタ車との契約中止に踏み切った。販売、生産が一時中止となるリコール対象車は、「カムリ」のほか「RAV4」「カローラ」「マトリックス」「アバロン」「ハイランダー」「タンドラ」「セコイヤ」の8車種。

 更にこの問題、部品が共通していたため、欧州市場で販売済の約200万台にも広がりつつある。なお、現在欧州で生産されている車は、他の部品へ切り替えたとのこと。


トヨタ、109万台を追加改修 フロアマット不具合は計535万台に
2010.1.28 11:32

 【ワシントン=渡辺浩生】トヨタ自動車は27日、米国でフロアマットにアクセルペダルが引っかかり、事故が起きる恐れがある不具合で、新たに「ハイランダー」や「カローラ」など約109万3000台について、追加的な自主改修を行うと発表した。

 フロアマットの不具合では、昨年11月に高級車レクサス「ES350」やハイブリッド車「プリウス」などで過去最大規模となる約426万台の自主改修を発表しており、計535万台に達した。

 フロアマットとは別に、アクセルペダルが戻らなくなる不具合では、「カムリ」など約230万台のリコール(回収・無償修理)を発表。対象車種の生産・販売の一時停止を決めたばかりで、顧客の混乱は一段と広がりそうだ。

 フロアマットの不具合で追加改修を行うのは、「ベンザ」「マトリックス」「ポンティアック バイブ」を加えた計5種。21日に発表したアクセルペダルの不具合によるリコールとの重複車は170万台から235万台に拡大した。 
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100128/biz1001281133012-n1.htm


 シナ大陸でも、同様なトヨタ車リコール問題が広がっている。対象は、2009年3月19日から今年1月25日までに大陸内で生産された「RAV4」。部品の磨耗に拠り、踏み込んだアクセルペダルが戻らなくなるらしい。


トヨタ、中国でも7万5千台リコール 改修台数が世界販売台数以上に
2010.1.28 20:54

 トヨタ自動車は28日、中国で販売したスポーツタイプ多目的車(SUV)「RAV4」約7万5千台のアクセルペダルに不具合が発生する可能性があるとして、リコール(無料の回収、修理)を実施すると中国の当局に届け出た。

 トヨタは、関連部品の欠陥に基づくリコールを米国とカナダの約257万台で実施することを決定。欧州でも約200万台について対応を検討している。これとは別に、ペダルがフロアマットに引っ掛かって暴走する恐れがあるとして、昨年11月から米国などで約446万台を対象に自主改修を進めていたが、28日に約109万台を追加した。

 これに中国の約7万5千台が加わり、改修の対象台数は、重複分を差し引いても、昨年のトヨタの世界販売台数である698万台を上回る見込みだ。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100128/biz1001282054042-n1.htm


 昨年1月には、国内で小型車「ヴィッツ」などの3車種、計52万台、また8月にはシナ大陸で「カムリ」など4車種、計69万台をトヨタはリコールしている。

 今回の北米リコール車と国内で販売されたトヨタ車は、部品種が異なるので問題は無いとされる。けれども、日本のトヨタ車ユーザーへは、北米でのリコール原因をきちんと説明し、国内販売車についてもアクセル周辺のチェックを喚起することが望ましい。

 このリコール問題で、長い間「安全と信頼」を謳い文句にして培って来たトヨタ・ブランドの世界的名声は、大きく傷付いてしまった。やはり世界一のメーカーになると、気が緩んでしまうのか。量産による部品共通化も、この問題を拡大したと思う。

 これを挽回するには、当然のことだがトヨタ社員が驕りの気持を棄て、打ち揃って緊張感を高める必要がある。その上で、量産部品の設計と材質を再吟味するなど、地道な努力を重ねることが求められるだろう。
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