陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

宮崎・口蹄疫事件は終息に向かう

2010-07-27 16:27:17 | Weblog
 宮崎県が、5月18日に口蹄疫に関する非常事態宣言を行ってから70日を経過、7月27日にようやく家畜移動制限区域が解除された。処理された牛は68,266頭、豚は220、034頭に達し、口蹄疫が発生した農場数は292箇所に及んだ(読売新聞記事より)。

 この口蹄疫事件は、行政が初期対応に遅れ、宮崎県と農水省の対処方針の食い違いなど、対策において問題だらけであった。一体、この口蹄疫ウィルスは何処から来たのか、感染経路も明確に公表されていない。

 赤松前農水相の連休中海外渡航は論外であるが、東国原英夫知事の全体統括の内容にも問題がある。5月連休前に強力な消毒体制を敷いていれば、かなり様子が変わったと思われる。

 東国原知事は、非常事態宣言を出した後も、東京や大阪でお笑い番組に出演、タレント活動を控えなかった。その間、宮崎県の酪農業者は塗炭の苦しみを味わっていた。東国原知事は、埋却作業に人手不足で困って自衛隊出動を要請したが、それも一段落、自衛隊員が解団式を行った時、欠席して感謝の言葉を述べなかったと言う。この知事が口蹄疫事件に遭遇したのは、宮崎県にとって悲劇なのだが、彼を知事として選んだのは宮崎県民である。危機管理意識に欠けたポピュリズム行政の典型であろう。

 感染経路が特定出来ていない問題に加えて、処分埋設された大量の家畜が腐敗する際、埋却地の汚染問題は起こらないのであろうか。隣県では、宮崎県のイベントになお警戒する向きもあるが、当然と思う。


口蹄疫3か月で終息、宮崎の全移動制限を解除

 宮崎県の口蹄疫問題で、県は27日午前0時、宮崎市の発生農家を中心とした家畜の移動・搬出制限区域を解除した。

 これで県内すべての制限区域がなくなり、外出の自粛などを求めた非常事態宣言も全面解除された。国内で10年ぶりに発生した口蹄疫は、1例目の発表から約3か月ぶりに終息に向かう形だ。県は今後、感染した家畜の排せつ物の処理などを終えた上で、8月27日にも発生の恐れがないことを示す終息宣言を出す方針。

 東国原英夫知事は解除と同時に県庁前で記者会見し、非常事態宣言の全面解除を発表。「発生から98日間にわたる懸命の防疫作業や県民の協力、多くの方の支援でこの日を迎えられ、心より感謝したい」と話した。

 解除を受け、宮崎市の養豚農家が27日から出荷を再開するほか、一般の観戦を制限していた全国高校野球選手権宮崎大会は同日の準決勝から自由に観戦できるようになる。6月中旬から閉館していた県立図書館など市内90施設も再開する。

 農林水産省は今後、日本が口蹄疫の「清浄国」に復帰できるよう、来年2月にも開かれる国際獣疫事務局(OIE)の科学委員会での認定を目指すことになる。ウイルス消滅を証明するための検査を3か月間にわたって実施し、報告書をOIEに提出する見通し。

 口蹄疫を巡っては、農水省が4月20日、都農町の牛農家で口蹄疫が発生したと発表。7月4日までに、川南町など5市6町計292農場で発生、感染家畜(疑い含む)の計21万1608頭が殺処分、埋却された。また、国と県は感染集中地域の未感染の牛や豚にもワクチンを接種し殺処分を実施。殺処分された家畜の合計は約29万頭に上った。殺処分された家畜の埋却地は約142万平方メートルに達し、埋却などの作業には獣医師や自衛隊員、自治体職員など延べ15万人が従事した。

 知事は5月18日、非常事態を宣言。移動制限区域内で不要不急の外出を控えることなどを求めていた。
(2010年7月27日00時12分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100727-OYT1T00027.htm


(参考)

 口蹄疫被害が拡大しつつある
http://blog.goo.ne.jp/charotm/e/6479024133af0458ab5b4f629fe3d2d7
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