陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

電線地中化工事を重点政策として望む:景気浮揚のための公共投資

2008-11-12 03:59:56 | 国内政治:内閣
 欧米の街並みを眺めると、余程の田舎でなければ電柱にお目にかかることは殆ど無い。これは、台湾もそうであって、電線地中化が台風対策として考えられているのであろう。我が国は、大都会中心部は別として、政令指定都市でも街中に電柱が数多く見られ、美観を損なっている。それで、内需拡大の景気浮揚政策として全国・電線地中化政策を推進するよう提案する。

 電柱を無くすると、選挙の時にポスターを貼る場所が無くて困るなどと冗談を聞いたことがあるが、いわゆる先進国の中で日本ほど電柱が多い国は珍しい。それも、電力配線用と、通信配線用が別だから大変鬱陶しく感じる。

 北国、特に多雪地域では、生活道路の確保で地方公共団体が細い道まで除雪を行うが、除雪担当者にとって電柱は厄介な障害物である。電柱が無ければ、容易に車道及び歩道も除雪して、安全な道を確保出来る場合が多い。年少者、老齢者にはそれがとても有難い。

 電線に降り積もった雪は凍結して重く、断線の原因にもなる。東北電力などは、水平鞘の電線を用いて、雪の重量でくるりと回転する工夫を試みている。そうした煩わしさからも解放される。

 大型共同溝を掘って電力用と通信用の配線を地下へ埋め込んでしまえば、北国の生活はかなり楽になる。共同溝の大きさにもよるが、下水道配管を同時設置する事も考えられるだろう。

 九州や四国では、毎年のように台風に襲われて電柱の倒壊、電力配線の切断・損傷で停電が起きる。これらも電線地中化で、停電をかなり防止出来る。そして、南北の地域に関わらず、地震や火事の時に電線地中化は大きな効果を発揮する。

 かつて荒川を通過するクレーン船が、操作のミスで送電線を切ってしまい、広範な首都圏域が停電になった。電車は止まり、都市機能は麻痺した。首都圏域の幹線でも、空中電線を張り回しているのかと些か驚いた覚えがある。

 電線地中化は、国防の為にも重要な意義がある。空爆をされても、空中架線よりは損害が少ないし、ゲリラによる電線破壊工作にも対抗出来るだろう。

 電線地中化により、都市景観は美しく様変わりする。それは、地中化の進んだ大都会中心部を見れば直ぐに分かる事だ。私には、何故豊かな日本の市街部で、これ程電線地中化が遅れているのか理解に苦しむ。

 麻生政権は、景気浮揚策を色々と考えているようだが、この電線地中化を集中的に進めては如何か。地方公共団体は予算が無いので、道路特定財源を指定する形で地方へ回す手もあるだろうし、新たな建設国債でも構わない。それにより、地方にも金が流れ、青息吐息の建設業者は息を吹き返すであろう。

 このインフラ整備事業は、形として長く残り、全国に亘って恩恵を受けるわけで、役にも立たぬ建造物を造るのとは全く異なるものである。昨今は、電化住宅が増え、電力配線も大容量化している。大きな柱上トランスを見上げていると、もし落下したらと危険な感じが募る。

 過日、あるパーティで某国会議員と電線地中化について雑談したが、彼は自民党の景気対策プロジェクトチームのメンバーらしく、私の提案を実行出来るかどうか考えてみたいと述べた。是非真剣に考慮して頂きたいものだ。
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3 コメント

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景来対策に電線の地中下を・・ (容子の部屋)
2008-11-13 19:43:43
陸奥月旦抄さま

この記事に共感します。麻生内閣の支持率が予算をばら撒いている割に挙がらない事を思うと、これこそ自民党の支持母体の建設業がこれを早急に実施したなら・・喜ぶと思います。

私自身は街の美観にとても関心がある一人ですが、その点から見てもご指摘の様に先進国で日本ほど、街の美観に無関心の国は在りません。

私の住んでいる地域でも片面は行われています。それだけに余計電線のぶら下がりが目に付きます。
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地中化してほしい (ゆぴ)
2008-12-11 21:13:04
商業地域や大通りだけでなく
住宅街の電線…地中化してほしいです。
景観だけでなく 危険だと思います。
木造の家が立ち並ぶ場所はないがしろにされているような…
風でかなり揺れている電線を室内から眺めているのも 不安定な気持ちになります。
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電線地中化は文明国の象徴? (panda)
2009-02-20 13:13:12
オランダに十年余り住んでいましたが、彼の国では交通信号、電話線を含め配電線の電線電柱は都市住宅地は無論、農村地区をも含めてみたことがありません。(高圧線鉄道用架線は存在)ネット、CATVも含め全国全て地下配線されており、中世以来の歴史的な建造物や景色を往時の姿で見ることができます。彼らにとって生まれてから電信柱を見たことがない、即ち電柱はないのが当たり前なのです。独、仏など他の欧州諸国では農村地帯でこそ電信柱は存在しますが大都会だけでなく一般的な町にも電信柱はありません。香港、シンガポールなどアジアのひとかどの町にも電線電柱はありません。これは文明国の象徴といっても良いかと思います。電線電柱は姿が醜いだけなく、地震台風などの災害時に避難路を塞ぐなど危険な代物です。地中化率1%の日本で年間500K程度の埋設工事をしていると聞きますが、総延長100万KMの道路を実施するには2000年掛かる計算になります。できない言い訳を並べるだけでなく、道路特定財源を活用するなどして一刻も早く住宅地から電線地中化に取り組んでもらいたいものです。地方経済の活性化にも資すると思います。
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