ねこのひたい

ねこのひたいのような庭と、趣味の読書と,
おとぼけな日々のことをいろいろ書きたいです。

母を見送る

2023年08月06日 | 介護の問題
これまでの話

それは7月の20日過ぎのことだったと思います。
母の入所する施設の看護師さんより電話がありました。
このところ微熱が出ることがあり
軽い誤嚥性肺炎を起こしているとのことでした。

その後日を開けず、看護師さんより再び連絡が。
様子を見て食事(ペースト状)や水分をあげているが
飲み込めないことが多くなったと。
近々、施設に往診に来ている医師と面談をして欲しいとのことでした。

この時点でいよいよか…と覚悟を決めました。
その数日後、医師と面談をしたのですが
更に状況は進み、むせてしまって水分も飲めない、
そうなるともう見守る以外できることがない。
そんなお話でした。

看取り介護って言うらしいのですが
それにサインして、母の看取りを施設にお任せしました。

しかし、肝心の母ですが、
ベッドに横たわっていたものの
目をぱっちり開けて、私の名前を呼びました。
視線もあったし、目の力も感じました。
弟のことはわからなかったようですが
「おとうさんが…」などよく聞き取れないものの
何かしきりに話していました。

看護師さんによると
ここからどれくらいで…というのはわからないと。
すぐかもしれないし、このまましばらくいくかもしれない、
でも、回復することはないのでは、とのことでした。

会わせたい人がいたら、
なるべく早く呼んだ方がいいです。
とも言われました。

弟と二人、母の目の力から
ま、すぐってことはなさそうだね、
でも、数日とかそんな感じかもね
なんて話しました。

その後お墓掃除に行って
お墓の中の父に、母のことを報告しました。
そのせいかもしれません。

翌日午前中に母を見舞うと、
前日の目の力はどこにもなくて
酸素チューブをほどこされていても
胸が上下に動いていました。

これは…近いかも。
直感しましたが、
午後に予定があったためその場を離れました。

そして午後、看護師さんより
そろそろだと思います、
来れたら来てください、との連絡が入りました。

いや、今から結婚式に参列するとこなんですけど…
始まるって館内って放送が今あったとこで。
ちょっとどうしたらいいかわからない…

一緒に参列する友人から
すぐ行った方がいいよ、と背中を押され
結婚式参列のいでたちで施設に駆け付けました。

途中合流した夫には、
その恰好はふさわしくないので一度着替えてきたら?
と助言されましたが、断りました。
その間に逝かれてしまっては後悔するの確実ですから。

東京から駆け付けた娘二人を夫が駅まで迎えに行った
20分ほどの間に、母は静かに息を引き取りました。
私一人で母を見送ったのですが、
これはこれでよかったように感じました。

その後、医師が往診してくれるまでの間
施設の介護士さんが母をさすったりしながら
いろいろとお話してくださいました。

医師の死亡診断は「老衰」でした。
それから1時間ほどたって
母の遺体を搬送する車がやってきました。
施設の玄関で、勤務していた職員の方が
見送ってくださったのですが
夜なのに人数が多いな、と思って聞くと
日勤の方が何人か残ってくださっていたとのことでした。
とてもありがたかったです。

ここに至るまでの
看護師さんからの的確な報告は
母の死についての覚悟を形成してくれました。

母が亡くなった後に聞いたいろいろなお話で
母がこの施設で穏やかに過ごしていたことを
確信しました。

そして、この数年の母の画像をCDに入れていただいたのですが
表情豊かな母の様子に、我が家の娘たちは
「おばあちゃん、かわいい」
とはしゃいでいました。

母に関しては、とても複雑な感情を抱いて育ったのですが
「終わりよければすべてよし」
そんな簡単な言葉でまとめてしまえるほどの
いい最期だったのではと思います。

結婚式に参列するために
いつもより衣装も化粧もばっちりな娘に見送られて
母は旅立っていきました。
それも若い時はたいそうおしゃれだった母には
ぴったりだったってことにします。







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2 コメント

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Unknown (ぽぽんがぽんきち)
2023-08-07 17:09:13
お母さまのこと、ご愁傷様です。
穏やかな最期だったんですね。
chabonosukeさんに悔いがなさそうに読み取りました。それが何よりだと思いました。
Unknown (chabonosuke)
2023-08-11 10:47:20
お悔やみのお言葉、ありがとうございます。
穏やかな最期、確かにそうでした。
昨日も施設の看護師さんとケアマネさんと話したのですが、
思ってたより早くなくなってしまったけれど
ベッドに寝たきり、の時間はとても短くて
それはそれでよかったのではとのことになりました。

義母の最期は悔いばかりですが
母の最期は悔いはほぼないですね。

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