豊後ピートのブログ

アレな登山者について、アレなパトロール隊員が語る

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○最近の個人的短信

「PEAKS 2012年6月号」 P71
ほんのちょっとだけコメントが紹介されてます。


簡単なプロフィールとフリーライターとしての実績について
原稿依頼歓迎です。

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なるべく読んでね。
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GPSを持っていても、ダメなヤツはダメ

2012年05月27日 | 山岳遭難
神奈川新聞のサイトに、すごーい遭難事故の話がさりげなく掲載されています。


GPSで登山、過信は禁物 充電切れ、山頂で機能せず/神奈川
カナロコ  2012年5月27日



引用
だが、秦野市内では4月15日、スマートフォンのGPSを頼りに丹沢登山に来た3人のグループが急斜面で身動きが取れなくなる事案が発生。峠に向かう途中で登山ルートを外れたためで、2人は自力で下山したものの、東京都目黒区の男性会社員(33)は119番通報し救助を要請。秦野署の山岳救助隊に救助された。

同署によると、3人は登山歴3年以上だが、地図は持っておらず、GPSとブログに掲載された写真を頼りに山へ入った。会社員は「GPSで最短ルートを探して歩いているうちに迷ってしまった」などと説明したという。県警によると、県内でGPSに頼って登山者が遭難するのは、初めてのケースだった。

引用おわり


GPSを頼りに登山道を外れて歩いているうちに急斜面へ特攻してしまい、2人はなんとか抜け出せたんだけど、1人は身動きとれなくなってスマホを活用、ってところでしょうか。これは道迷い遭難というより、崖っぷち犬リンリンと同じ状況なんでしょうね。


このパーティの場合、地形図持っていて少々読図ができたとしても、やはり急斜面に特攻しているような気がします。要するに、実際の地形を見て、そこから安全に通れるルートを見つける能力が無いんでしょう。





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とっても軽装なチェコ人が富士山で保護される

2012年05月25日 | 山岳遭難
まあ、なんていうか、こういう人が登ってきてしまうのはしょうがないわけです。そりゃ登山口に24時間365日、指導員でも張り付けておけばここまで酷いのは防げるでしょうけど、それもまた大いなる税金のムダですからねえ。


ジーンズにスニーカー、富士でチェコ人男性保護
読売新聞  2012年5月25日08時19分


引用
富士宮署の発表によると、保護されたのはチェコ人の男性(33)。男性はインターネットで知り合ったスロバキア人男性と24日に入山したが、途中ではぐれたという。2人ともジーンズにスニーカーという軽装で、ピッケルなどの装備はなかった。
引用おわり


先日の白馬岳の件では「装備ばかりに注目するな」ってな感じでエントリーを書いたわけですが、これはもう完全に装備がアレとしか言いようが無いです。

そういえば、かのCWニコル先生だって、冬の富士山にノーピッケル・ノーアイゼンで特攻しかけてしまい、誰かに注意されて事なきを得たとか本に書いてあったのを思い出します。

ちょろっと検索してみたら、出てますね。

CWニコルさん記念講演/富士山NET





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山のトイレってマジで大変

2012年05月21日 | 山ネタ そのほか
前号のPEAKSで槍ヶ岳山荘のトイレについて原稿を書いたわけですが、その時に槍ヶ岳山荘におけるトイレの初期費用およびランニングコストのデータを知ることができまして、想像以上に金額がデカくてビビったわけです。

その昔、エコトイレのランニングコストを業者の資料を基にしてヒマつぶしがてら算出し、1回のウ○コで200円ぐらいとはじき出したのですが、現実はそれ以上だったのですね。ま、詳しくはバックナンバーを読んでください。


で、本題・・・


機能不全の黒岳バイオトイレ 容量超過
朝日新聞  2011年10月17日


古い記事ですが、消えずに残っていました。
大雪山系の黒岳にあるおがくずを利用したバイオトイレが、大変なことになっている模様です。


引用
バイオトイレはし尿の大半である水分を蒸発させる仕組みのため、通常はおがくずが乾いている。利用期間が1年のうち約3カ月に限られる山岳地だと、本来は1、2シーズンに1度の交換で済む。だが、黒岳はこのペースだと、おがくずが水浸しで、し尿を分解できない。シーズン中にトイレ裏にためられたおがくずは、約200万円かけてヘリコプターで下ろされる。
引用おわり


おがくずを利用したバイオトイレって、水を使う必要が無く設備もそれほど大がかりにならないことから、山だけでなく災害地でも活用しやすいってことで注目されているのですが、唯一と言っていい欠点が、利用者が急増すると対応できないってところですね。


引用
老朽化したトイレは使わなかった人が新しくなって使うようになったことが原因のようだ。
引用おわり


なるほどねえ・・・

非常に個人的な意見を言いますと、老朽化したトイレではウ○コしないけど、きれいなトイレならする、なんてヤワな連中には登ってきて欲しくないのですが、ま、それはいいとして、ごく当然の結果かもしれません。トイレがエコトイレなのか垂れ流しなのかは登山者にとってそれほど興味が無いようですが、キレイか否かはけっこう大きいみたいです。



引用
アンケートの目的は、大便と小便の割合を調べることだ。データに基づき大便と小便の貯留場所を分ければ、おがくずの水分過多は改善されると考える。
 温度からはおがくずの加熱状態を確認する。水分を蒸発させるには、おがくずを十分に温める必要がある。だが、電力を供給する風力発電機が最初の年に吹雪で壊れた。気象条件が厳しく、再稼働のめどは立っていない。電力不足も機能不全の一因とみられ、電力供給の代替策を検討する。

引用おわり


槍で働いていた当時のことですが、テスト用に1台だけおがくずトイレをテント場に設置したんです。で、このトイレなんですが、小便がヒットする部分が金属のメッシュになっていて、大便と小便がうまく分離するように設計されていたわけです。

ところが・・・

ケツを拭いた紙を便器に捨てるな!と警告した紙を貼ってあるにも関わらず、日頃の習慣ではケツ拭いた紙を普通に便器に捨てるわけですから、うっかりしてしまうわけです。で、その紙がうまく大便と一緒におがくずに入ればまだいいのですが、これが金属メッシュの部分に貼り付いてしまうケースがあるのです。

こうなるとメッシュに吸い込まれるはずの小便が、おがくずの方へ流れ込んでしまうわけです。そして便槽内は水分過多どころか屎尿がたっぷんたっぷん状態になってしまい、それを運び出す下々の者が苦労するのです。

そんな、昔のことを思い出しました。




それにしても、トイレの総工費が4700万円で、計算外のヘリコプター代が年間200万円ですか。山のバイオトイレって、ホントにお金がかかりますね。



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GWの白馬岳で6人が凍死 その4

2012年05月15日 | 山岳遭難
事故発生から10日が経過したところで、箇条書き気味にいろいろ書いてみます。




6人全員が死んだこの遭難事故は当初、安易な「軽装」批判で大変に盛り上がり、その後遺留品であるザックが回収された時にそれなりの装備が確認されたことから、パーティの名誉がやや回復されました。

思うんですけど、軽装が原因だと、批判するのにわかりやすくて、盛り上がりやすいんですよね。ただ、現実に装備の不足によって起きる遭難って、そんなに多くないと思います。北アルプスでは死因の多くを占める転落を考えるとわかりやすいのですが、これはあまり装備は関係していません。遭難事故の1/3ぐらいを占める道迷いもそうでしょう。地図とコンパスを持たないから迷う、というより、持っていても迷ってます。GPS持っていて現在地を超精密レベルで電話連絡できるのに、警察へ救助要請してる事例も、いくらでもあります。

一方、このパーティを経験者揃いみたいに書くのも、ちょっとアレかな、と思います。長く登ってはいるんでしょうけど、あまりシビアな山をやってきたようには思えません。栂池を早朝に出発して昼にようやく小蓮華山頂手前ではちょっと遅すぎですし、着用してたのが綿のズボンというのもいささか考えモノですし。




ザック回収後、各新聞において低体温症が急激に進行した結果、装備を活用するだけの判断力を失ってしまった、というコメントを見かけるようになったのですが、これはちょっと誤解があるような気がします。もちろん、低体温症が悪化すると意識がおかしくなって服を着るどころではないのですが、それ以前の問題として、登山者の多くは行動中、着替えを面倒くさがってしまい、寒さをガマンすることが多いのです。

そもそも、通常の登山で遭遇する程度の悪天候なら、無理に防寒着を着込まなくても、少々頑張って行動してしまえば何とかなってしまうわけで、そういう意識が身についていると、本物の悪天候に襲われて本気の寒さを体感しても「着込まないとマズい!」と思わないまま、しばらく行動してしまうのではないでしょうか。




このパーティについて装備以上に知りたかったのは、天候判断です。出発前に天気図を見ていたのか、そもそも天気図読めるのか、テレビの天気予報で下界の天候だけ見てたのか、知りたいです。最低でも冬型の気圧配置を理解していて、低気圧通過後に寒気が流入するということを知ってるレベルなら、もっと早い段階で危険を感じ、脱出に向けて動き出したのではないかと想像するんです。




そしてもうひとつ、やはり生命の危機に陥るほどの悪天候って、普通に山登ってる程度ではなかなか体験できないものなんだと思います。これは前にも何度か書きましたけど、一緒に登ってる仲間が低体温で倒れた!なんて経験をする人は滅多にいないわけで、本当に危険なレベルの悪天候を体験している人は少ないでしょう。だから、冷たい風雨に触れたとき、これなら大丈夫だとか、これは危険だすぐ撤収!だとか、すぐに決断できる人って、実はそんなに多くないと思います。

「なんであれほどの悪天候なのに引き返さなかったのか」という疑問をあの事故に対して抱く人は多いと思いますが、では同じ状況に放り込まれた時にちゃんと引き返せる人はどれだけいるのだろうか、と考えちゃいますね。





この事故と同時に涸沢岳でも同じ6人パーティが低体温症で動けなくなってレスキューされているわけですけど、このパーティは充分な装備を着用していたと報道されています。それでも1人が死亡しているわけです。また山小屋のスタッフが全力で出動して夜中に全員収容したから死者が少ないのであって、白馬岳と同様に朝まで放置されていたら、おそらくメンバーの半分、あるいは全員死んでいたかもしれません。

結局、装備をしっかりしましょうという以前に、まずは逃げるべきなんですね。少々いい装備を着用していたところで、悪条件なところに長時間いたら身体が保ちません。で、逃げ切れないとしたら、早めにビバークを決断し、少しでも条件のいい場所を探すべきです。


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