一人でオフィスで片付けか何かをしていた朝に突然かかってきた国際電話。初めてお問い合わせをいただいたのは2か月後にロイヤルハワイアンホテルでお式を控えた花嫁様のお母様でした。ロイヤルハワイアンは40代前半という若さで急逝したご主人の大好きだった場所で毎夏のようにバケーションで訪れていた家族の思い出が詰まった場所であること、ロイヤルハワイアンでいつか3人のお子様たちが結婚式をすることを生前ご主人が望んでいたこと、花嫁様ご本人が直接手配を始めて自分で全てをやろうと頑張ってきましたがかなり負担となり不安が生じてきてしまったことなど会ったこともない私にいろいろ話してくださいました。運命の出会いの電話でした。
私は2か月あれば私の方でまとめること可能ですので大丈夫ですよとまずは安心していただき新郎新婦様ご本人に現在の詳しい状況を尋ねるためにメールアドレスをお聞きして電話を切りました。それからは電話とメールでのやり取りが始まり、お式まで2カ月ほどだったのですが、その間に二度もハワイに下見やお打合せで来てくださったんです。お会いした最初の印象は大きな目がキラキラ輝く礼儀正しいお嬢様と笑顔がまぶしい好青年で育ちの良さが現れたナイスカップルということ。オレゴン留学中に出会ったのだそうです。
私はフルサービスのプランニングとコーディネーションだけではなくこのようにお客様ご自身がプランニングと手配の大部分を行ったものをお式前2か月でまとめ、当日のコーディネーションまで行うExtended versionのDay of wedding coordination serviceも提供しています(2 months countdownと呼んでいます)。どのような内容のウェディングであるか(手配の煩雑さ)、どこまで手配が進んでいるかにより私の仕事内容も変わりますが概ねは共通しています。ばらばらになっているものをまとめ上げて、撮影内容やヘアスタイルの内容を考慮したベストなタイムラインを作成すること、全ての関係者とconstant communicationを取ることが必要になります。
馴染みのホテルではありますがなかなか挙式をコーディネートする機会に恵まれなかったロイヤルハワイアンのしかもオーシャンローンでの挙式ということで私の気持ちもワクワクしました。朝の挙式~その後にSurf Lanaiでランチレセプションを行うことが決まっていました。ヘアメイクやフォトグラファーなど一部のベンダーはすでに直接予約されていました。
前述の通り二度もハワイに来てくださったのでロイヤルハワイアンの担当者、サーフラナイの担当者、フローリストなどとのミーティングを一緒に行い、ひとつひとつ食事のメニューやケーキ、レセプションの会場レイアウト、お花全般の詳細、椅子のタイプや装飾、牧師先生やミュージシャンを決めていき、ファイナライズすることができました。
そうして迎えたお式の日。
ロイヤルハワイアンはPink Palaceの愛称を持つまさにピンクのホテルですね。だからウェディングのテーマカラーもピンクでした。ピンクでも複数のシェードを使っています。ホテルの外壁のピンクはtrue pinkというよりはPeachy pink(肌色がかったピンク)色ですよね。参列者全員peach pinkのお衣裳で合わせられました。花嫁様サイズのブーケを二種類用意しました。挙式用のブーケはピンクグラデーションのゴージャスな芍薬を中心としたラウンドブーケ。レセプション後のフォトツアーで持つためにご用意したブーケは白とピンク+多肉植物をアクセントで入れたものでした。それぞれにマッチしたブートニアもgroomのために併せて用意しました。
正統派でクラシカルなbrideのHarukaさん。トレーンの長いゴージャスなドレスにロングベール、アップスタイルのヘアスタイルには小ぶりのティアラをつけられました。思い出のお部屋での撮影を終えて間もなく彼と対面します。
感動的なファーストミートで彼女の姿を見た瞬間の彼の満面の笑み。Million dollar smileですね!
ファーストミートを見届けた後、私は挙式会場のオーシャンローンで続々と集まるゲストの皆様をお迎えしました。挙式時刻は朝10時半でしたのでお集まりなったのは10時少し過ぎ。まだ暑くなりすぎずさわやかで目の前の海も空も真っ青でした。白いアーバーには白いファブリックがドレープされ、淡いピンクのローズを中心としたお花で装飾されています。白いシヴァリチェアにはピンクオーガンザのサッシュが巻かれアイルには花びらが敷き詰められました。
受付テーブルにディスプレイされたのはウェルカムボード、ゲストブック、そして数々の思い出の写真たち。とってもオシャレなお祖母様もピンクのドレスとお帽子を身に着けて華やかでした。お母様が花嫁様のベールをおろします。
挙式前に鳴り響いたConch shell(ほら貝)。目の前のビーチにも鳴り響く澄んだ音でした。海水浴客たちも皆遠巻きにウェディングのスタートを見守ります。朝の光を浴びてスピリチュアルな空気に包まれました。お父様に代わっておじ様が花嫁様をエスコートして入場。
フラワーシャワーで祝福されて退場した後に写真撮影~そしてガーデンでシャンパン乾杯しました!シャンパンもピンクです!写真撮影や乾杯を行っている間に挙式会場のお花を撤去してレセプション会場に運び、テーブルにセッティングしました。レセプション会場が歩いてすぐのところにあるのは良いですね。
Surf Lanai(夜はAzureとして営業)の室内のセミプライベートエリアはスペシャル感がありウェディングのランチレセプションにはとてもお薦めです。特に日中は一般のダイニングの方の多くが外のシーティングを希望されるので近くにあまり一般ダイニング客がいないという点もよりプライベート感が増す理由だと思います。アーチや椅子に飾られていたお花たちもテーブルに美しく飾られました。お花はこのようにしてできれば複数のシチュエーション(挙式とレセプションテーブルなど)で利用できることがコストパフォーマンスの面からもお薦めですが、誰がどのようにして運ぶのか(フローリストのスタッフなのかホテルのスタッフなのかコーディネーターなのか)、ということを事前に細かく決めて皆が知っておく必要があります。こういったことがコーディネーターの役割のひとつです。~がやってくれるだろう、というMaybeで曖昧な推測や仮定はウェディングコーディネーションでは絶対にやっていけないことなのです。とにかく一にも二にも確認と根回しが重要です。人が一人動くとコストが発生するのが現実。それらを見越して予算とプランを立てるのです。
ロイヤルハワイアンのベルタワーケーキ!お二人の希望によりカスタムオーダーでホテルのパティシエが作ってくれました!すごいですね!ガーデンに続きもう一度シャンパンで乾杯して(おめでたい日なので何回でも乾杯したいですよね)、美味しいお食事とにぎやかな歓談を楽しまれました。
レセプション後にはお部屋に戻ってヘアスタイルとドレスをチェンジ。撮影スポット豊富なロイヤルハワイアンでカラードレス+ヘアの生花で撮影したのちに最後はダウンスタイルに変更してマジックアイランドにフォトツアーに出かけられました。ここでご紹介しているのはほんのわずかですがそれはいろんなシチュエーションで撮影されたんですよ~。
ウェディングの日に見たサンセットは忘れることがないでしょう。朝から日没まで長丁場でしたが疲れたお顔も見せることなく終始笑顔を絶やさず幸せいっぱいなお二人でした。
私にとってはご家族含めずっと以前からお知り合いだったかのようなそんな密度の濃い2か月間でした。新郎新婦様当人たちはもちろんのこと、最初にご連絡いただいたお母様が「お父さんも喜んでいる」と嬉しそうに何度も口にされ、おこがましいほど何度も何度もお礼を言ってくださったのです。私自身は微力でもこんなに素適なファミリーの大切な一日をお手伝いできたことはプランナー冥利に尽きると感じました。本当に幸せな一日でした。
Photography: Erin Paris
Flowers: Florist Grand
Hair & Make-up: Mamano (Mariko Sakakibara)
私は2か月あれば私の方でまとめること可能ですので大丈夫ですよとまずは安心していただき新郎新婦様ご本人に現在の詳しい状況を尋ねるためにメールアドレスをお聞きして電話を切りました。それからは電話とメールでのやり取りが始まり、お式まで2カ月ほどだったのですが、その間に二度もハワイに下見やお打合せで来てくださったんです。お会いした最初の印象は大きな目がキラキラ輝く礼儀正しいお嬢様と笑顔がまぶしい好青年で育ちの良さが現れたナイスカップルということ。オレゴン留学中に出会ったのだそうです。
私はフルサービスのプランニングとコーディネーションだけではなくこのようにお客様ご自身がプランニングと手配の大部分を行ったものをお式前2か月でまとめ、当日のコーディネーションまで行うExtended versionのDay of wedding coordination serviceも提供しています(2 months countdownと呼んでいます)。どのような内容のウェディングであるか(手配の煩雑さ)、どこまで手配が進んでいるかにより私の仕事内容も変わりますが概ねは共通しています。ばらばらになっているものをまとめ上げて、撮影内容やヘアスタイルの内容を考慮したベストなタイムラインを作成すること、全ての関係者とconstant communicationを取ることが必要になります。
馴染みのホテルではありますがなかなか挙式をコーディネートする機会に恵まれなかったロイヤルハワイアンのしかもオーシャンローンでの挙式ということで私の気持ちもワクワクしました。朝の挙式~その後にSurf Lanaiでランチレセプションを行うことが決まっていました。ヘアメイクやフォトグラファーなど一部のベンダーはすでに直接予約されていました。
前述の通り二度もハワイに来てくださったのでロイヤルハワイアンの担当者、サーフラナイの担当者、フローリストなどとのミーティングを一緒に行い、ひとつひとつ食事のメニューやケーキ、レセプションの会場レイアウト、お花全般の詳細、椅子のタイプや装飾、牧師先生やミュージシャンを決めていき、ファイナライズすることができました。
そうして迎えたお式の日。
ロイヤルハワイアンはPink Palaceの愛称を持つまさにピンクのホテルですね。だからウェディングのテーマカラーもピンクでした。ピンクでも複数のシェードを使っています。ホテルの外壁のピンクはtrue pinkというよりはPeachy pink(肌色がかったピンク)色ですよね。参列者全員peach pinkのお衣裳で合わせられました。花嫁様サイズのブーケを二種類用意しました。挙式用のブーケはピンクグラデーションのゴージャスな芍薬を中心としたラウンドブーケ。レセプション後のフォトツアーで持つためにご用意したブーケは白とピンク+多肉植物をアクセントで入れたものでした。それぞれにマッチしたブートニアもgroomのために併せて用意しました。
正統派でクラシカルなbrideのHarukaさん。トレーンの長いゴージャスなドレスにロングベール、アップスタイルのヘアスタイルには小ぶりのティアラをつけられました。思い出のお部屋での撮影を終えて間もなく彼と対面します。
感動的なファーストミートで彼女の姿を見た瞬間の彼の満面の笑み。Million dollar smileですね!
ファーストミートを見届けた後、私は挙式会場のオーシャンローンで続々と集まるゲストの皆様をお迎えしました。挙式時刻は朝10時半でしたのでお集まりなったのは10時少し過ぎ。まだ暑くなりすぎずさわやかで目の前の海も空も真っ青でした。白いアーバーには白いファブリックがドレープされ、淡いピンクのローズを中心としたお花で装飾されています。白いシヴァリチェアにはピンクオーガンザのサッシュが巻かれアイルには花びらが敷き詰められました。
受付テーブルにディスプレイされたのはウェルカムボード、ゲストブック、そして数々の思い出の写真たち。とってもオシャレなお祖母様もピンクのドレスとお帽子を身に着けて華やかでした。お母様が花嫁様のベールをおろします。
挙式前に鳴り響いたConch shell(ほら貝)。目の前のビーチにも鳴り響く澄んだ音でした。海水浴客たちも皆遠巻きにウェディングのスタートを見守ります。朝の光を浴びてスピリチュアルな空気に包まれました。お父様に代わっておじ様が花嫁様をエスコートして入場。
フラワーシャワーで祝福されて退場した後に写真撮影~そしてガーデンでシャンパン乾杯しました!シャンパンもピンクです!写真撮影や乾杯を行っている間に挙式会場のお花を撤去してレセプション会場に運び、テーブルにセッティングしました。レセプション会場が歩いてすぐのところにあるのは良いですね。
Surf Lanai(夜はAzureとして営業)の室内のセミプライベートエリアはスペシャル感がありウェディングのランチレセプションにはとてもお薦めです。特に日中は一般のダイニングの方の多くが外のシーティングを希望されるので近くにあまり一般ダイニング客がいないという点もよりプライベート感が増す理由だと思います。アーチや椅子に飾られていたお花たちもテーブルに美しく飾られました。お花はこのようにしてできれば複数のシチュエーション(挙式とレセプションテーブルなど)で利用できることがコストパフォーマンスの面からもお薦めですが、誰がどのようにして運ぶのか(フローリストのスタッフなのかホテルのスタッフなのかコーディネーターなのか)、ということを事前に細かく決めて皆が知っておく必要があります。こういったことがコーディネーターの役割のひとつです。~がやってくれるだろう、というMaybeで曖昧な推測や仮定はウェディングコーディネーションでは絶対にやっていけないことなのです。とにかく一にも二にも確認と根回しが重要です。人が一人動くとコストが発生するのが現実。それらを見越して予算とプランを立てるのです。
ロイヤルハワイアンのベルタワーケーキ!お二人の希望によりカスタムオーダーでホテルのパティシエが作ってくれました!すごいですね!ガーデンに続きもう一度シャンパンで乾杯して(おめでたい日なので何回でも乾杯したいですよね)、美味しいお食事とにぎやかな歓談を楽しまれました。
レセプション後にはお部屋に戻ってヘアスタイルとドレスをチェンジ。撮影スポット豊富なロイヤルハワイアンでカラードレス+ヘアの生花で撮影したのちに最後はダウンスタイルに変更してマジックアイランドにフォトツアーに出かけられました。ここでご紹介しているのはほんのわずかですがそれはいろんなシチュエーションで撮影されたんですよ~。
ウェディングの日に見たサンセットは忘れることがないでしょう。朝から日没まで長丁場でしたが疲れたお顔も見せることなく終始笑顔を絶やさず幸せいっぱいなお二人でした。
私にとってはご家族含めずっと以前からお知り合いだったかのようなそんな密度の濃い2か月間でした。新郎新婦様当人たちはもちろんのこと、最初にご連絡いただいたお母様が「お父さんも喜んでいる」と嬉しそうに何度も口にされ、おこがましいほど何度も何度もお礼を言ってくださったのです。私自身は微力でもこんなに素適なファミリーの大切な一日をお手伝いできたことはプランナー冥利に尽きると感じました。本当に幸せな一日でした。
Photography: Erin Paris
Flowers: Florist Grand
Hair & Make-up: Mamano (Mariko Sakakibara)