国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

昭和57年国有鉄道に関する小委員会から。最終話

2014-08-16 09:33:28 | 国鉄関連_国会審議
おはようございます、暫く時間があいてしまいました。
申し訳ございません、本日も昭和57年の衆議院運輸委員会からの記事をアップしたいと思います。
国鉄の借入金の金利が以前より高くなったのではないかといったことを書かれていますが、正直当時の公定歩合が5.5%で、以下に民間での貸出金利が9%だったとしても、国鉄という国の機関が行っている事業の貸出金利が9%近いというのはかなり問題でしょうね。1000億円であれば1%違えば10億も変わって来ますからね。半端な金額じゃないですよね。

また、国鉄の臨調についても最後のほうで触れており、運輸大臣の覚悟を問う内容となっていますが、かなり運輸省には強気で迫っている感じがしますね。
以下、本文となります。


○小坂国務大臣 五十七年度の整備新幹線についての予算額は一応計上されております。私は、こうした新幹線の計画を来年度はぜひとも環境調査その他を進めてまいりたいというふうに現在考えております。
○中馬委員 国鉄は、先ほども申しましたように、非常に大変な状況になってきているわけでございまして、これは暮れの新聞記事でございましたが、政府の金融機関からの例の優遇プライムレートよりもまだ〇・三%優遇された金利、これがもう断りが来ているというようなこともございましたけれども、民間金融機関からもついに信用がなくなったかなという気がするのですが、あれは事実関係はどうなんでございますか。
○繩田説明員 暮れとことしになりまして、信用がなくなったので金利が少し高くなったのじゃないかというような記事が出ておりましたが、私どもの方は、五十七年度の予算でただいまお願いいたしておりますのは、民間からの借入金でございますが二千六百億、私どもが発行いたしたいと予定しておりますものが七千九百億でございます。
 先生御存じのとおり、長期プライムレートは八・六でございまして、こんなことを申し上げてはあれでございますが、民間の優良企業がただいま金融機関から借りておりますのは、大体九・〇から一割近いと私どもの調査で承知しておるのでございますが、私どもの方、今年度の千三百億から約倍の二千六百億の借り入れに際しまして、長期のプライムレートは八・四で、実際の、と号債と申しまして金融機関にほとんど引き受けてもらっております大量の債券は、利率が七・九で予定いたしております。したがいまして、関係方面と十分相談いたしまして決めましたもので、決して信用がなくなったので金利が高くなったというようなことはないと考えております。
○中馬委員 いずれにしましても、これだけ膨大な借金を果たして返してもらえるのだろうかというような危惧すら金融機関も持ち始めるのが、むしろ当然かと思える次第でもございます。
 ともあれ、国鉄は、先ほど冒頭に申しましたように、努力した姿というのが国民の目の前に出てこなかったら、これはとうてい通らないと思うのです。先ほど言いましたように、たとえば普通のこうした倒産寸前の民間会社であれば、商品の値段を上げるなどということはましてできないわけで、従業員も賃下げまでしないとしても、少なくとも据え置いてがんばるといった、そういう姿勢がもしあらわれたならば、国民ももう少し理解をして、もう少し見守ってやろうじゃないかということになるかもしれませんけれども、しかし、それがいまのところ、労使ともにほとんどあらわれてないというのが一般の評価でございます。
 そうすると、臨調がどういうのを出してくるかわかりませんが、民営論あるいは分割論といったことにすぐ傾いてくるんじゃないかと思います。そのときの判断というのが、冒頭に申しました運輸大臣の非常に大事なところだと思うのです。このまま国鉄の当局としてはやらしてもらいたいということでございますから、それをずるずるさしたあげくの果てが、何年か後には大破局を迎えるということになってしまうのか、あるいは、ここでよく思い切ってやったがために国鉄が立ち直ったということになるのか、その判断が臨調の答申を機にして大臣に求められるわけでございますから、大臣、ひとつその点のお心構えだけをお願いいたします。
○小坂国務大臣 重ねてのお尋ねでございますが、私は、現状の段階では臨調の答申がどういう形、あるいはどういう企業形態を出すか全く予測しておりませんが、少なくともいま高木総裁以下国鉄の全職員が、国鉄の現在の状態というものはきわめて危機的であるという認識に立って、また、われわれもそうした危機的な認識の上に立って、国鉄にいま与えられておる経営改善計画をできるだけスピードアップして、そしてまた、できるだけ深目にこれをやってみせるということが国民に対する――少なくとも私が運輸大臣として国鉄を監督する立場にある者としては、実際いまあなたのおっしゃったように、国民の目から見てやっているなという諸点をぜひとも出すべきではないかというふうに思っておりますし、また、そうしたことを今後国鉄の職員の方々とともに全力を挙げて走ってみたいというのが現在の心境でございます。
○中馬委員 国鉄総裁、結構でございます。
 時間が少しまだありますので、空港問題をやらしていただきますが、成田の第二期工事のことです。羽田の事故その他も若干は絡むかと思いますが、成田の第二期工事見通しをお聞かせ願いたいと思うのです。
 本来ならば、二十四時間開港の国際空港といったものが必要なものでしょうけれども、いま成田はただ一本の滑走路があるだけ。しかも、夜間飛行は禁止された形の中で、とうてい当初に期待した空港でも何でもないわけでありまして、今後のこの第二期工事の見通しをお知らせいただきたいと思います。
以下略

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 昭和57年国有鉄道に関する... | トップ | 日本国有鉄道新線建設補助特... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

国鉄関連_国会審議」カテゴリの最新記事