たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

第三者委員会考 <『日大“悪質タックル” 大学スポーツの光と影』>を垣間見て

2018-06-07 | 委員会制度の多様性とあり方

180607 第三者委員会考 <『日大“悪質タックル” 大学スポーツの光と影』>を垣間見て

 

昨夜もプライムニュースを少しだけ見ました。テーマは『日大“悪質タックル” 大学スポーツの光と影』で、いま話題の日大アメフト問題を中心により幅広い視点で大学スポーツのあり方が問われていました。

 

ゲストは、<馳浩 元文科相 自由民主党衆議院議員、玉木正之 スポーツ評論家、安田秀一 株式会社ドーム代表取締役>と、いずれも実際に大学スポーツを経験されたうえ、社会でもこの分野に精通した第一人者として活躍されている方ばかりでした。

 

ちょっと笑ってしまったのですが、安田氏が自分が学生時代は練習が終わるまで水を飲ませてもらえなかったといったことです。彼は私なんかに比べずっと若いのですが、それでも彼の時代でもそうだったのかと思いつつ、練習中の水分・栄養補給が当たり前になったのはずっと後だったんだなと変な感想を抱きました。

 

私は半世紀前の高校時代にそういう苦行?を強いられていましたので、大学では誘われても決して体育会には入りませんでしたが、正解だったかもしれません。学生時代から弁護士生活を通じて、スキーやヨット、テニス、射撃、ボクシング、柔道、合気道など、思い出すだけでもいろんなことに取り組んだわけですが、すべて下手の横好きでした。カヤックやゴルフもそうでした。それでも苦しみながら練習に励んで、それなりに精神も肉体も鍛えられたと思います。

 

玉木氏は大学スポーツを通じて心身の鍛練、形成をすることを強調していましたが、それはそのとおりですが、別に大学スポーツだけがベストでもベターでもないかもしれません。それぞれの個人にあったあり方があってよいと思うのです。

 

それにしても3人のゲストがほぼ共通して強調していたのは、現在の大学スポーツのあり方に根本的な問題があるという点でしょうか。試合や練習中心のプログラムで、学業をおろそかにしてもよい状況が容認されていることや、特待生制度の問題もあるでしょう。

 

私はカナダの大学で2年ほど、そのスポーツの一面を見てきましたが、実際はどのような制度があるのかまで関心がなかったので、仲間に聞くこともなかったため、正確な知識はありません。ただ、学生それぞれが主体的に練習に取り組み、その施設もカリキュラムも相当整備されているように思えました。もう20年以上前ですが、アウトドアに関するプログラムが総合的に構成されていたように思います。といっても日本と比較する意味での各スポーツの制度やコーチ・スタッフ・選手や指導体制がどうなっているかは、わかりません。最近話題となっている科学的なトレーニング指導といったことは、カナダでも導入されていたのではといったイメージです。

 

余談はその程度にして、この番組の中で、気になったのは、大学スポーツがボランティアで行われていて、今回日大アメフト問題では、第三者委員会をようやく設置して調査されることになり、それ自体は評価されるものの、費用が巨額で到底、ボランティア組織ではまかなえないといった発言があった点です。他方で、委員が弁護士(あるいは公認会計士も?)で構成されていて、大学スポーツに通暁している人がいない点に疑問を投げかけていました。

 

まず、第三者性ということをどのような基準でこれが担保されるとみるべきかが問題ではないかと思います。むろん弁護士だけが適任とは思いません。カナダや外国では裁判官が担うこともありますね。いや司法を構成する人が適任者かと言えば、それも検討されて良いと思います。

 

第三者性は、そこに公平性・客観性・公開性といったものが求められているのではないかと思うのです。しかし、費用を出して依頼するのは企業や組織です。そのクライアントの意向を無視できるか、そのバランスを自分たちだけで判断するのでは信頼を得られないと思います。むろん企業・組織からの依頼は、調査対象や調査方法に一定の条件をつけてくるでしょう。それに対して、自分個人の判断で、公正と思われる調査対象・方法を提案して、受け入れられれば応じるというのが通常ではないかと思います。それは個々の良心なり職業倫理に委ねられている部分があるでしょう。

 

それでよいかです。やはりその条件は公開し、調査結果もできるだけ公開することで、さまざまな批判に耐えるだけのものでなければならないと思うのです。

 

このような観点から?か、日弁連は2010年に<企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン>を発表し、第三者委員会のメンバーに委嘱された弁護士の多くは、このガイドラインにそって業務を行ってきたのではないかと期待しています。

 

しかし、残念ながら、その実態は第三者委員会とは名ばかりのようなものもあれば、相当な内容の調査・報告を行ったと評価されるものもあります。その点、ボランティア組織である<第三者委員会報告書格付け委員会>の格付け評価は、よく頑張っているのではないかと思うのです。

 

このような評価がさらに世の中で支持されることが大切ではないかと思います。と同時に、その費用の適正さ、合理性について、多くは発表されていないこともあり、闇の中にあり、この点にメスが入っても良いのではないかと思うのです。

 

ボランティア組織であっても、低廉な費用で依頼できるような制度化も検討されて良いと思うのです。いま、世の中は、さまざまな不可解な事件・事故・問題が頻繁に発声しており、そのとき真に公正な第三者機関による迅速な調査・報告を求めているのでないでしょうか。

 

むろん、大岡裁きも、鬼平も現実社会にはありえません。人間というやっかいな生身のチームで、さまざまな難題に立ち向かうのですから、すべてよしはありえないわけです。少しでも前進する仕組みの構築を考えていき、試行錯誤でよいものに仕上げていくのではないかと思うのです。

 

この場合、事案によっては、その分野に通暁している人もメンバーになることも一つの方策でしょうし、あるいは補助者に参加したり、あるいはそういった専門家から広範囲にヒアリングを重ねることも調査仕組み、あり方としては、多彩であって良いのではないかと思うのです。

 

そろそろ一時間が過ぎました。ここまで書いてきて、以前にも何か書いたなと思い出しました。この辺でおしまい。また明日。


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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2018-07-08 14:53:01
ザイテン8月号を見てください。
安田秀一のほうがかなり悪です。
日大問題をここまでしつこく放送し
批判拡散は人間のすることじゃ無いです。

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