たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

昨日から今朝まで 毎日記事、報道ニュースあれこれ

2017-01-12 | 金融経済と合理性・倫理性

170112 昨日から今朝まで 毎日記事、報道ニュースあれこれ

 

昨日たまたま「かかりつけ医」について書いた後自宅で夕刊を見たら、早速その対応の問題が指摘されていました。ま、かかりつけ医だけの問題ではないですが、私としては将来の医療・介護システムのコアになると期待したいので、ちょっと書いておきます。なお、今日は昨日から今朝にかけて見聞した報道で少し気になった内容をアトランダムに取り上げて、私が何に関心があるのか自問自答しながら書いてみます。

 

なお、最初にたまたま英国の家庭医をされている澤憲明さんが語る<幅広い健康問題、解決まで患者支え>は記事が少し古いですが、参考にしていただければと思います。私自身、20数年前、ロンドン近郊でホームステイしたとき、その奥さんが家庭医の診療所に勤務する事務職だったので、昔いろいろうかがった情報とそれほど変わりない印象でした。むろん制度上の問題もあるので、直ちに英国制度を模範にせよとは言いませんが。

 

さて、昨日の夕刊記事では、<抗認知症薬で副作用例 攻撃性・徘徊など悪化も 厚労省が指針修正>との見出しで、13年公表された「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン」が問題にされています。かかりつけ医がこのガイドラインを参考に認知患者に抗認知症薬を投与した結果副作用が発症し、それに対して増量したり、抗精神病薬(いずれも抗精神病薬)を投与したりした結果、幻覚、暴言、怒りなどの副作用が悪化したり、致傷事件を起こしたりと問題が指摘されてきたとのことです。かかりつけ医はガイドラインを参考にして処方したと述べているようですが、疑問視されています。

 

ガイドライン自体、BPSD(認知症の症状のうち認知機能の低下以外の暴力、暴言、妄想、抑うつ、不眠、徘徊(はいかい)などの症状や行動障害の総称)に抗認知症薬の処方を推奨していますが、これはアルツハイマー型認知症などの症状の進行遅延だけに効能が認れていて、それとは異なるBPSDに対してはエビデンスもなければ、むしろ副作用がしてきされているわけですから、ガイドラインの内容自体が問題でした。この点は、15年年度の研究事業でガイドラインの改訂が行われ、169月に公表されたようです。遅すぎる対応かと思います。

 

それに加えて、記事で指摘されているように臨床実務で活躍されている専門医の意見が反映されていない、他方で利益相反のおそれが指摘されている研究者が関与している疑いもある研究成果がガイドラインとして適切かが問われる必要があると思います。

 

長々と書いてしまいましたが、ここでは昨日の続きで、かかりつけ医の対応について問題を簡単に指摘しておきたいと思います。記事では、いずれのかかりつけ医もガイドラインを参考にしたとの弁解ですが、ガイドラインはあくまで参考です。最終責任は担当医であるかかりつけ医がその処方責任を負担すべきと思います。むろん攻撃的な認知症患者など多様な形態の患者に対して、専門医でないかかりつけ医が迅速・的確に対応できることを要請するのは酷な場合が多いでしょう。だからこそ、専門医と連携、助言システムを構築して、個別の症状に応じて、ガイドラインといった一般的基準はあくまで参考にして、臨床における症状を適確に把握して専門医の判断を仰ぐことが求められるのではないでしょうか。だいたい副作用の記載のないガイドライン自体、信頼に値しない可能性が高いのではないでしょうか。

 

これを書き続けると、いつまで終わるか分からないので、この程度にします。

 

次に話は変わって、フォルクスワーゲンが排ガス不正で、米国当局と5000億円の和解をしたという記事です。しかもこの和解で、今後米国当局に、全体で2.3腸炎の支払義務が発生するというのですから、大変な不祥事です。ところが、一方で、VWは昨年の世界販売台数で再び一位の座に返り咲いたというのですから、二度びっくりです。むろんこのような卑劣で狡猾な排ガス不正を行っても、その後適正な検査や製造を行えば自動車自体、企業自体が立ち直ってもよいでしょう。それが資本主義の健全な姿の一つかもしれません。しかし、その賠償金等の付けは消費者が支払うのですが、それは適正なあり方でしょうかという問題です。

 

今朝の毎日だと、ヨーロッパ市場では、むしろこの排ガス不正の車両が米国より多くを占めるところ、最近、消費者から訴訟提起の動きが進んでいるようで、そうなると、米国での支払をさらに大きく上回る危険性もあります。VWの企業会計処理として、このような偶発債務について、どの程度的確に把握して、反映させているかも問題となり得るでしょう。それは企業の担当者だけでなく、トップを含む排ガス不正処理に係わった執行者責任が問われるべきですし、また、企業情報として適正な開示がされていないとなれば、会計部門の責任も問われてしかるべきではないかと思うのです。

 

また全然話は違いますが、これはおもしろいのです。毎日夕刊<京大古地震研究会 ネットで古文書解読してみませんか>です。古文書は興味深いのですが、素人には読解が困難です。なんどか試すのですが、長続きしないため、古文書の解読がほとんど進みません。この「みんなで翻刻(https://honkoku.org)」は、クイズ形式で崩し字を勉強でき、素人向け名部分と、実際に古文書を解読した文をアップしているので、参考になります。それだけのことですが、貴重な古文書、これこそ日本文化の宝の一つではないかと思います。まして家の中に隠れて埋もれているもの、それが直ちに政治・文化といった大きな問題に繋がらないとしても、近世の庶民生活の一端を如実に語る一面を持っていることが少なくないと思っています。あるいは家系の歴史の一端を写し出しているかもしれません。いずれにしても近世を武士による身分統制、隷属的支配であったといった一面的理解が長く近世農民史や庶民史を支配した考え方だったと思いますが、私には武士政権による表向きの書かれた規制に依拠しすぎていると考えています。この点はもう少し整理して、いつか書いてみたいと思っています。

 

また話は変わって、今朝の毎日一面記事、<さまよえる住まい 市に訴えられた被災者 復興住宅期限20年に苦悩>です。東日本大震災と比較して阪神淡路大震災のときは迅速に復興を遂げたと自慢している政治家がいたかと思います。たしかに神戸などを訪れると、駅前などを中心に目新しいビルが林立していて、ニュース報道で垣間見た焼け野原のような状態から、わずかな期間に整備されたものだと感じるのも事実です。ただ、ビルが新しくなりきれいな町並みになったけど、そこに住んでいた人はどうなったのかとの答えはあまり芳しいとはいえない印象をもっていました。この記事では、復興住宅に住み続けてきた人が、元々20年の期間の約束だったのを知らないで、終生住めると誤解していたところ、木県警かを理由に明渡請求の訴訟を提起されたとのことで、苦悩する姿を取り上げています。

 

神戸市真野地区など、神戸市内には以前から木造密集地帯を中心に住民参加のまちづくりが盛んな地域がありました。住民意識もまちづくりに割合高い意識をもっていたのではないかと思います。私の知人に長く関与してきた人もいて、そのような本来醸成されていた住民組織、コミュニティが、この復興計画の中で十分反映されないまま、上からの計画で迅速さが追求されたとも指摘されていたかと思います。その点、この記事にもあるように、仮設住宅などでの住まいが長くなったかもしれませんが、将来の生活環境を考えてNPOなどによる積極的な助言・説明などにより、住民が納得しながら、復興計画に参加していく、具体化していく流れは、阪神淡路の復興を他山の石にした一例かもしれません。ハコを作っても、そこに住む人の心を継続的にサポートすることが必須であることをこの記事は示してくれているように思います。

 

経産省の一面広告は、なかなかよかったです。<下請け取引のルールを強化しました>というのは、目を惹きます。で、経産省のホームページをのぞいてみると、今日一日でものすごい数のニュース。これでは探すのも大変。アメリカの訴訟における証拠開示対策としてなんでも雑多に膨大に提供して、本来必要とする証拠をその中に隠して埋める戦略があるというのを昔、映画で見ましたが、そんな意図はないんでしょうが、あのマークの種類で識別するだけでは普通の人にはわかりにくいと思ってしまいます。でも一面広告は、現在の下請け取引の劣悪な状態を認知させ、改善させるには、有効な方法で評価されてよいと思います。

 

その詳細は、経産省の<下請等中小企業の取引条件改善のため、振興基準の改正、通達の見直し>の中に詳細かつ具体的に書かれているので、元請け業者、下請け業者、いずれもこのルールをしっかり守って、下請けは権利擁護を図る必要があるでしょう。元請けは下請け業法違反などで摘発されないよう、コンプライアンスをしっかりやってもらいたいものです。

 

最後に<豊島産廃 撤去間に合う?>という記事です。残念ながらウェブ記事が見つからないので、ここでの概要紹介にとどめます。2000年、公調委で不法産廃の全部撤去が合意され、当初公調委の調査で約53万トンと推定し、12年度までに撤去よていだったのが、その後次から次と産廃が見つかり、撤去期限もその都度延期し、現在では6割増しの約88万トンということで、今年3月末を期限としていたのを、再び延期して4月には完了予定とか。

 

公調委がこの事件でボーリング調査を自ら実施したことは、それ自体初めてではないかと思いますし、少ない予算でよくやったと思います。しかし、費用対効果もあるので50m×50mメッシュでの調査ですから、不法産廃業者の実態を考えれば、すべてを把握することがそもそも困難だったと思います。その5分の1でも十分だったか、それくらい不法投棄の実態を調査するのは容易ではないのです。でもようやく撤去終了の目処がついたとしたら、長い公害闘争の歴史ではいろいろな意味で一つの金字塔となるのではと思います。

 

今後は、ミニチュア的な?グランドキャニオン化した状態について、どのような再生利用が可能か、島の再生に役立つ実りある議論で再出発をしてもらいたいと願う次第です。

 

最後に、昨夜のNHKBS1欲望の資本主義2017 ルールが変わる時」は興味深い内容でした。概要はNHKのを引用すると「アダム・スミスは間違っていた?ゼロ金利、英EU離脱、トランプ相場…。資本主義が揺れ、その在り方が問われる今、人々は「目先」の動きに右往左往する。それは利子という「禁断の果実」に手を出し楽園を追放された時に始まる?資本主義という経済システムの本質を解剖。アメリカの行方は?ヨーロッパに希望は?日本オリジナルのモデルとは?内外の経済のフロントランナーたちに取材、欲望という視点から資本主義を読み解く冒険。」ということでした。

 

利子を取ることの是非から、いろいろな議論がノーベル賞学者など有能な学者からいろいろ述べられましたが、私の頭がついていけなくなり、いや彼らももうとらえきれなくなったのではないかご愚考した次第です。そんなとき、トランプ氏が大統領となるということで、世界的な株高、円安傾向が続いていますが、これは見えない脅威による市場攪乱?では、というか、逆に、偽装された株価操作ではないかとの懸念も感じたりしています。

 

そんなとき、日本では株高傾向を多くの投資家が評価しているかのように見えますが、外人投資家による売り越しが増大し、本来なら株安になってもおかしくないのに、日銀と年金基金側で、買い支えている、それが株高になっている状況ではないかと愚考します。この状態はまさに砂上の楼閣に快楽を享受していると状況ではないかとも思ったりしています。その不安は、トランプ氏が大統領になった後、半年か一年もすれば判明するのでしょうか。資本主義の行方も怪しいです。