環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

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  「放送のデジタル化」と「ブラウン管テレビの行方」

2007-07-17 10:20:07 | IT(情報技術)


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最近、こんな投書を読みました。




この投書に対する日本政府の回答を見つけることはできませんが、現状がたいへん難しい状況にあることは次の報道から容易に理解できます。



この記事のリードの部分は次のように書かれています。
●液晶やプラズマなど薄型テレビへの買い替えが急速に進み、大量に廃棄されるブラウン管テレビの行き場がなくなりつつある。受け皿だった東南アジアでも薄型テレビ化が次第に進み、需要は頭打ち。中国からは国際的な廃棄物規制を理由に輸入を拒まれている。それでも「家電リサイクル法」で定められた再商品化(リサイクル)目標の達成を義務付けられている日本の家電メーカーはブラウン管を捨てるわけにもいかず、業界からは「法改正が必要」との声が高まっている。 (都留悦史)

この記事の図「ブラウン管テレビのリサイクルの流れ」をみると、国内で発生したブラウン管テレビのブラウン管はカレット化されて海外へ輸出されているようです



次の図はカラーテレビの需要予測を示していますが、日本でも「ブラウン管テレビ」から「薄型テレビ」への買い替えが着実に進んでいることを示しています。また、国の政策によって、2011年には放送のデジタル化が開始され、アナログ放送に切り替わるわけですから、大量のブラウン管テレビ受像機が廃棄物になることは容易に理解できます。その意味で、投書された方の問題意識は的を射ています。

問題は日本社会の対応というか、政府の対応です。私は2000年12月1日のNHK「ラジオ夕刊」に出演し、「IT革命と環境負荷」と題して当時の吉村秀美編集長(司会・進行)とパートナー長谷川尚子さんとの対話で、放送のデジタル化に伴うアナログテレビ受像機(当然のことながらほとんどすべてブラウン管テレビです)の廃棄物問題に触れました。たまたま、この日は、BSデジタル放送開始の記念すべき日でした。

当時は通産省(現在の経産省)の担当官も、環境省の担当官も2001年4月から施行される「家電リサイクル法」への対応に忙しく、「10年先のデジタル化に伴うアナログテレビの廃棄物化」に対する私の疑問に答えられませんでした。あれから7年、現在の経産省や環境省の担当官は「4年後に迫ったこの大問題」をどう考えているのでしょうか。

国の予定された「放送インフラの政策」の変更に必然的に伴う「大量のアナログテレビの廃棄物化」に対して、はたして「国民が安心できる対応策」を国は用意してくれているのでしょうか。


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