環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

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「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ

今日の製品は明日の廃棄物

2007-01-02 11:43:44 | 廃棄物


岡野守也さん、大井玄さん、それに私の3人が呼びかけ人となって昨年11月19日に鎌倉のお寺で開催したシンポジウム「日本も<緑の福祉国家>にしたい! スウェーデンに学びつつ」を基礎にして、いよいよ「持続可能な緑と福祉の国・日本をつくる会(仮称)」が活動を開始しました。

旗揚げしたばかりの新しいブログで、事務局幹事を務める斉藤さんが新年のご挨拶とともに、家庭ごみの扱いについてご自身の面白いアイデアを披露しています。

斉藤さんのアイデアを読んで、2004年6月8日付の朝日新聞の投書欄に掲載された「家庭ごみ削減 源を断たねば」と題するご意見を思い出しました。このご意見は、廃棄物問題の本質をみごとにとらえていると思います。投稿されたのは当時66歳の無職の方です。



今日の製品は明日の廃棄物(スウェーデン)、「分ければ資源、混ぜればごみ」(日本)という表現に、「経済活動の必然的な結果である廃棄物問題」に対する両国の基本認識と、その認識に基づいた廃棄物政策の違いが端的にあらわれています。

スウェーデンの「今日の製品は、明日の廃棄物」というのは、いくら環境にやさしい製品をつくっても、環境にやさしいからといってその製品を大量に生産し、消費すれば、大量の廃棄物を発生させることになることを意味しています。大量の資源と大量のエネルギーを消費する結果、全体として環境悪化を促進することを示唆しています。
日本では、「分ければ資源、混ぜればごみ」。大量に製品をつくり、消費しても、分別して排出すれば資源となるので、「問題はない」ということになりがちです。

大量生産・大量消費という20世紀型の産業構造を転換させようとしているスウェーデンと、大量生産・大量消費をしても大量リサイクルをすればよいと考えている日本、この二つの国の考え方には大きな違いがあります。

前者は1994年に始まる一連の「廃棄物に対する製造者責任制度」の構築・運用を経て、国際的な考え方である「持続可能な社会の実現」へと向かい、後者は国際的な考え方とは似て非なる「持続的な経済成長」をめざす日本独自の「循環型社会の実現へ」と向かいます。



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