気になる植物たち

植物歴長いけど、世の中にはまだまだ気になる植物がいっぱい。花屋のQuの植物的ミニエッセイ。ときどき俳句。 ときどき古墳。

大文字草  ダイモンジソウ

2008-10-31 21:19:13 | 農園で


 精耕園さんでの撮影です。


 自然状態では、渓流の川岸などに咲いています。花が、漢字の「大」に似ているのが大文字草で、「人」に似ているのが人字草。大に見えたり、人に見えたりと、とてもわかり易い命名です。 でも、実際には、花の色、形、花びらの枚数などで、何百もの品種が作られていて、全然「大」ではないものもたくさんあります。


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 ユキノシタ科ユキノシタ属。本家ユキノシタも良く似た花です。ひらひらと雪が降る様子を花に例えての命名でしょうか。こちらは、なつかしい昔からの庭によくありますね。日陰に耐えるということで、近年のガーデニングで見直されているようですが。


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鳥兜  トリカブト

2008-10-29 22:59:53 | 農園で


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 ご存知、推理小説によく登場する毒草です。少し前には、推理小説まがいの殺人事件もありました。写真のものは、園芸種で、小さい白い花ですが、野生種はごつい紫が一般的です。烏帽子にも似た花は印象的なのですが、花がまだ無い春に、ゲンノショウコやニリンソウやセリの葉と誤食することもあるとか。それに、花や蜜にも毒があるのですって。なんだか、蜂蜜も怖い。


 アイヌの毒矢に使われていた話も有名です。でも、アイヌはそれを狩猟用(熊、鹿、鯨?)に使ったのだそうです。決して、殺人用ではありませんでした。


 大好きなキンポウゲ科なんですが、花言葉は「人間嫌い」。我が身の毒を悪用されるたびに、人間が嫌いになっていったのでしょうか。


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梅鉢草  ウメバチソウ

2008-10-26 23:23:24 | 農園で


 先日おじゃました、精耕園さんでの写真です。若い頃、尾瀬などで出会った梅鉢草。山道で、この小さい白い花を、ほとんどの方は気にも留めず、気づいた人は深く愛してしまいそう。そんな不思議な存在感のある花でした。


梅鉢


 家紋の梅鉢に似ているから、梅鉢草。本物の梅やプラムの花にも似ていますが、ユキノシタ科ウメバチソウ属なんです。私はなぜか、ユキノシタ科やキンポウゲ科の植物には、かすかな違和感があり、そこが大好きです。


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アンスリウム

2008-10-24 23:54:18 | 店先で



 きれいなハート型の部分は、苞。まんなかのとんがったところに、たくさんの花がついています。まるで、プラスチックでできているような光沢。花とは思えない固い「棒」。不思議な植物です。たまに苞になりかけの葉(葉になりかけの苞?)が中途半端についていたりもします。日本にこれだけ浸透しているのは、薄暗い室内でも、寒くても、丈夫で長持ち、色のある観葉植物としての役割からでしょうか。ハワイの印象が強いですが、実は南米のコロンビア原産です。


 サトイモ科アンスリウム属。サトイモも、水芭蕉も、マムシ草も原型は同じ花を咲かせています。


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ナンバンギセル

2008-10-23 21:43:52 | 店先で


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 名前は花の咲いた茎のカーブの様子が、南蛮の煙管(つまり、パイプ)に似ているから。万葉集にも出ています。 


 道の辺の尾花がもとの思い草いまさらになどものか思はむ


 尾花は薄のこと。思い草はナンバンギセルのこと。秋が来て、薄の根元には、また思い草が咲いているけど、私は今さらあんたのことなんか思うものですか、絶対に!悲しい女心の歌でした。


 ハマウツボ科ナンバンギセル属。耳慣れない科名です。


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トルコキキョウ   リシアンサス   ユーストマ

2008-10-21 23:24:02 | 店先で


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 一重で紫の原種から、色も形もさまざまな品種が生まれてきました。和にも洋にも合うし、優しい雰囲気の割に丈夫な花なので、花屋としても重宝しています。育種のほとんどは日本でされているようなので、日本人の好みが反映されているのでしょうね。


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 リンドウ科ユーストマ属。花嫁さんのブーケにしても素敵です。


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犬槙   イヌマキ

2008-10-20 21:16:11 | 神社仏閣で


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 接近してみると、実がたくさんついています。まるで、坊ちゃん団子のようです。愛媛以外の方は、あまりご存知ないと思いますが、松山は夏目漱石の「坊ちゃん」の舞台であり、それにちなんだ名前のモノやコトがたくさんあるのです。


 実といいましたが、実際の実は先端の青い部分で、これは食べられません。その下の赤いところ(花托)が甘くて食べられます。鳥たちを呼び寄せ、種子散布をねらっているようです。昔の子供たちはみんな知っていたようなこんなことも、現代の子供はどれだけ知っているのでしょうか。


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 8月に撮影した画像がありました。まだ、種子も花托も同じ色ですね。


 マキ科マキ属。松と同じ針葉樹の仲間ですが、葉はそんな感じに見えません。ただし、赤い実(?)を口に含むとほのかに松ヤニの香りがするようです。


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蕎麦  ソバ

2008-10-19 10:48:10 | 田畑で

 家の近くに蕎麦の畑があります。いつも車で通り過ぎながら、写真を撮りたいと思っていました。お天気に恵まれた土曜日に歩いて行ってみました。畑の中にしゃがみこんで目の高さに見ると、ピンクの蕎麦の花はふんわりとどこまでも続いているようです。至福。



 隅に白花種も植えられていたのですが、普通の蕎麦の花は白で、丈も高く、咲き終わった順に下からついていく三角の実もピンクに比べるとだいぶ大きいようでした。ピンクの若い実は白く、フチがほんのり紅く色づいて美しく、アップでお見せできなくて残念です。


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 タデ科ソバ属 。栄養豊富で健康食品として注目されていますが、強いアレルギーをおこすことでも有名です。寒冷地、痩せ地でも育つ上に、短期間で収穫できるので、昔から山間地で多く育てられてきました。食べるものが、他になかった厳しい時代にも、アレルギーはあったのかしら?


 昭和の話ですが、東京の実家では、何かコトがあると、おそばの出前を頼んでいました。コトというのは、お客様がふいにきたとか、母が今日は疲れたとか、さっぱりしたものが食べたいとか、ささいな理由です。自転車で片手にお盆を掲げて出前してくれた、春木屋さんの盛りそばをなつかしく思い出します。私にとって蕎麦は、おいしくて便利な日常の食べ物でした。愛媛に来たら、うどん屋さんはあるけれどおそば屋さんは(あまり)ないというのがカルチャーショックでした。


 そば殻の枕も、子供の頃は愛用していましたが、最近はあまり見かけません。これもアレルギーに配慮してのことだそうです。初めてそば殻を見たのは、枕を作ってくれた祖母の傍らだったのでしょうか。あのつるつる食べるお蕎麦と、黒い三角のつぶつぶがどうしても結びつかず、不思議な思いがしばらく心に残っていましたっけ。


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2008-10-18 00:12:04 | 店先で



 菊を嫌う人って結構います。なんだか古いイメージ。仏花の印象もあります。でも、こんなに、きれいで、長持ちして、日本の風土にもあっている花って他にあるでしょうか。




 日本の国花、天皇家の御紋、そして長寿を意味する花。庭に植えれば、必ず毎年咲いてくれるし、切花にすると夏の暑い時でも結構長持ちします。寒い玄関に活けた迎春の菊は、一ヶ月以上持ちます。みなさん、菊を見直しましょうよ。



キク科キク属。一年中出回るようになりましたが、秋の花の代表格です。


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カスミソウ   霞草

2008-10-17 01:08:22 | 庭で


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 花壇用のピンクのカスミソウ ジプシーディープローズ。秋も元気に咲いています。


 もともと小さい花が好きなので、カスミソウも大好きです。フラワーデザイナーさんの中には、「いまだにカスミソウですか?」などとおっしゃる方もいるようですが、平凡でも、可愛いものは可愛い。うちの花屋では、カスミソウは切花も鉢も人気モノです。


 高校の頃、(受験勉強の逃避で・・・)一重のカスミソウの種を買って来て、鉢に蒔いたことがあります。ジプシーちゃんと名前をつけて。毎日、声をかけていました。(照れ。でも、十代の頃ですから。)カスミソウの学名がジプソフィラであることを調べての命名でした。それから、ン十年経って、こんなに可愛いジプシーちゃんが世の中に出てくるなんてね。


 私のジプシーちゃんがどうなったかというと・・・。その頃園芸ど素人だった私は、背の高くなる品種のカスミソウを小さな鉢に蒔き、しかも、寒いから部屋のこたつの上で大事にしていました!かわいそうなジプシーちゃんの花は、もちろん見ることができなかったのです。


 ナデシコ科カスミソウ属。よく見ると、小さな花はカーネーションにも似ています。英名のbaby's breathも雰囲気ですね。


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コルチカム

2008-10-14 20:28:41 | 庭で


 学生時代、「球根を机の上に転がしておくだけで咲く花」ということで、話題になりました。すぐに大きな球根を買って来て、文字どおり転がしておいたら、咲きました!期待以上に大きくたくましく!!水をやらなくていいだなんて、まったく私向きの花だと、妙に感動しましたっけ。


 最近気がつくと、あちこちのお庭にこのコルチカムが咲いています。土に植えられていても、花だけ先に咲きます。花が終わってから葉が出る・・・このシステムは彼岸花と同じです。もうひとつ似ているところがあります。有毒植物だというところです。葉をギョウジャニンニクと間違えて、という痛ましい死亡事故がありました。コルチカムはユリ科イヌサフラン属、彼岸花はヒガンバナ科なので、まったく違うものなのですが。


 名前も花も似ているサフランは、アヤメ科。サフランの雄しべは貴重な香辛料ですが、こちらもお間違えのないように。サフランは葉も一緒に出ているので、簡単に見わけがつきます。


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朴の木  ホオノキ

2008-10-12 21:45:04 | 野山で

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 大木に繁る大きな葉。朴の木をみかけると、いつも思うことがあります。「朴葉味噌」が食べたい!


 朴の葉の上に味噌やネギやキノコを置き、焼いて食べる郷土料理なのですが、若い頃一度食べさせて頂いた記憶が定かでないのです。どこで、食べたのか?


 調べてみると、朴は包で、昔から食べ物を包むのに使われていて、しかも、殺菌力もあり、火にも強いとのこと。囲炉裏の五徳の上に直接朴の落ち葉を置き、味噌の焦げる匂いの中で、ごはんを食べる・・・なんとも魅力的なシチュエーションですよね。


 この秋こそと思いながら、なかなか実現しない夢なのです。


 モクレン科モクレン属。春の堂々とした花も大好きな植物です。


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苺草  イチゴソウ

2008-10-11 22:15:02 | 庭で


 千日紅の仲間で、この色のものは苺とそっくり。だから、通称苺草です。品種名のストロベリーフィールドは、ビートルズのStrawberry Fields Foreverからきているとか。


 丈夫な植物で、一度植えたら毎年増えています。一年草のはずなのですが、暖冬のせいでしょうか。切ってコップに挿すだけで可愛いですし、ドライフラワーにもなります。


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金木犀 銀木犀   キンモクセイ ギンモクセイ

2008-10-11 00:42:06 | 庭で


我が家の銀木犀がひっそりと咲いています。白い花も香りも地味で、めだちにくい木です。



 でも、すがすがしい上品な香りです。


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 お隣さんの金木犀。お見事。色も大きさも香りもすごくめだつ存在です。金木犀も銀木犀も、モクセイ科モクセイ属。ギンモクセイが原種で、これから改良されたのが、金木犀だそうです。



 今晩の雨で散ってしまったのではないかしら。散ったら散ったで、明日の朝、道がオレンジ色に光っているはずです。車が通る前に見にいかなくては。


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伊勢花火 イセハナビ

2008-10-09 21:15:31 | 庭で

 街中の喫茶店の小さい花壇に、紫の花がたくさん咲いていました。そばに寄ってみると、多分「伊勢花火」です。この花の名を初めて聞いた時は、名前の雰囲気で品種名だとばかり思っていました。調べてみると、キツネノマゴ科イセハナビ属イセハナビなのです。江戸時代に中国から渡来したそうですが、命名の由来は不明です。

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 昨年行った鹿児島では、自生していました。

 葉の感じは少し違いますが、同じ伊勢花火のように思います。このくらい葉が細いと、それを火花の軌跡に例えての命名?などという想像もできますが、静かな薄紫の花を見ていると、ミスマッチな名前のように思えてしかたありません。

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おまけ

キツネノマゴ  野に普通に見られる雑草です。

2016.09.08追記 伊勢花火は間違いで、ヤナギバルイラソウ(キツネノマゴ科ルイラソウ属)だったようです。勉強不足でした。

 

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