気になる植物たち

植物歴長いけど、世の中にはまだまだ気になる植物がいっぱい。花屋のQuの植物的ミニエッセイ。ときどき俳句。 ときどき古墳。

椿祭

2007-02-27 23:33:30 | 日記

 2月24、25、26日の三日間、松山の伊豫豆比古神社(通称椿神社)の参道には、昼も夜も人があふれました。椿祭(通称椿さん)が済んだら春が来る、の言い伝え通りに、暖冬にも関わらず初日からひどく冷え込みました。今日はだいぶ暖かくなり、椿さんはやはり霊験アラタカです。

 写真は、福をかき寄せると言われる熊手を売っている屋台です。高価なものを買うと店の人が総出で、三本締めをして景気づけをしてくれます。明るい屋台、焼きイカの匂い、凍える寒さの中集まる善男善女・・・そんな雰囲気が大好きで、毎年椿さんに行っています。

 津の脇にある(昔は海のそばにあった)のでつわき神社、あるいは椿が多く咲いているから椿神社、どちらが正しいのかはわかりませんが、境内には椿の木がたくさんあるようです。一度、静かな昼に訪ねて、椿の花の写真を撮らなくては。


キングプロテアのつぼみ

2007-02-24 12:47:23 | 店先で

 先日、記事にしたキングプロテアの蕾が入荷しました。細かい毛までつやつやと輝くその姿は、生命力まさに溢れ出さん、といった風情です。

 生産者は同じ、愛媛のS氏、キングプロテアの栽培では、日本の第一人者なんです。氏がおっしゃるには、愛媛県西予市明浜の、海沿いの公園に植えられたキングプロテアが、大木に育ち花もつけているらしいと。是非探しに行かなくては!!


Mume

2007-02-18 18:54:15 | 庭で

 梅。バラ科。学名は Prunus Mume。

 昔から、このMumeというのが、気になっていました。学名をつけたシーボルトさんが、日本人が「うめ」というのを「むめ」と聞き取ったのでしょうか。でも、おばあちゃんとかで、むめさんって名前ありますよね。昔は梅と書いて、「むめ」と読んだのでしょうか。となると、万葉集などに出てくる梅は、「むめ」と読むべきだったのかしら。

 シーボルトは医師ですが、幕末の日本で植物の研究をし、たくさんの学名をつけた人です。有名な話ですが、愛人お滝さんの名前をとって、アジサイを Hydrangea Otaksa と命名しました。もしかして、むめも人の名前だとか?花に名前を残せるなんて、素敵ですね。でも、残念ながら、今は研究者の名前以外の、人の名前をつけることは許されていません。アジサイの学名も今は、Hydrangea macrophyllaです。


翁草 オキナグサ

2007-02-11 00:45:52 | 花市場で

 キンポウゲ科。正しくはヨウシュオキナグサ。翁(おじいさん)の名は、白い毛の生えたもしゃもししゃの実から。花びらに見えるのはガクだそうです。寒さに強く、外で越冬可ですが、夏はなるべく涼しい半日陰に。

 花の形は、同じ科のアネモネやクレマチスに似ています。でも、小さく地味でうつむきがち。基本的にそんな花に心惹かれるのは、なぜなのでしょう。見過ごしがちだけれど、しゃがんで、覗き込んだら、意外に可愛い花たち。そんな人になりたいと願いながら、年を経てしまいました。

 

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キングプロテア

2007-02-07 23:55:02 | 店先で


 ヤマモガシ科。南アフリカ原産。花の直径は15センチにもなり、キングの名に恥じない大きさと風格です。私にとっては、好きかどうか以前に、見たい、触りたい、持ってみたいタイプの花です。見た感じどうり頑丈な花なので、多少いじり回してもびくともしません。現地では、草丈が10メートルになる種類もあるそうです。そんな風景を見てみたいものです。


 この花を始めとして、南アフリカなどの珍しい植物をいろいろ生産していらっしゃる方が愛媛にいます。近いうちに見学(探検?)させて頂こうと思っています。レポートをお楽しみに。


 


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こぼれ種の千両

2007-02-06 12:46:13 | 日記

 年末の花屋は、迎春商品のストックで、冷蔵庫も倉庫もビニールーハウスも、店内までいっぱいになってしまいます。あちこちに工夫して置くわけなんですが、毎年軒下をビニールで囲って千両を置く場所があります。ふと気がつくと、その外側に千両のこぼれ種が芽を出していました。

 芽生えて一年目。

 

 たぶん、2年目。しっかり実がなっています。ビニールの破れたところから、顔をのぞかせています。

 植物を育てるのはむずかしい、と思うことがあります。でも、一方ではこうやって、勝手に(?)たくましく生きている姿もあります。気候風土が、その植物の本来の性格に、合っているのでしょう。そういうものを育てたらいいのですよね。特別な趣味家は別として、普通のご家庭の普通のお庭には、気候や土が初めから合っている植物を育てたらいいのです。選択範囲がせばまるようですが、探せば意外とあるはずです。勝手に生えてくる雑草とよばれる植物たちの種類は、計り知れないのですから。花屋としては、そういうスタンスで苗を販売していきたいなどと、こぼれ種の千両を眺めながら考えたことです。

 

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マトリカリア

2007-02-03 23:16:15 | 店先で


 キクの仲間は多種多様。そのなかで可愛さの代表格は、このマトリカリアではないでしょうか。切花用の一重の花は素朴な少女のよう。この八重の矮性種は清楚なお嬢様というところ。


 夏白菊という、地味な和名通り、本来は夏の花です。でも、寒さには強いが高温多湿に弱いというよくあるパターンの植物なので、日本では春咲きに作られていることが多いです。英名は Feverfew 。解熱剤や虫除けに使うハーブです。


 


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雲間草 クモマグサ

2007-02-01 12:13:22 | 店先で

 雲の間に咲いている、そんなイメージの高山植物、雲間草。若い頃、岩陰に小さく咲いているその花と、霧の中で出会ったのも、今思えば夢だったような。その場では霧、下界から見上げれば雲、のような場所、本州の高山にしかありません。もしも持ち帰ったとしても、暑さに弱いので平地での夏越しは無理です。


 そんな幻の花が、いつの頃からか園芸店に並ぶようになりました。西洋雲間草。日本のものとは種が違いますが、似た雰囲気です。改良され続けているのか、栽培方法が確立されたのか、年々花は大きく丈夫になっています。販売する立場から見るといいことなんですが、あのはかない雲間草ともう一度出会いたいなどと思ってしまいます。もちろん、あの山、あのシチュエーションで。




 クモマソウという流通名が一般的になってしまいました。正しくは、セイヨウクモマグサです。


 


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