Scientific Boxing

国内、海外のボクシング界の状況や試合の観戦記などを絶対的主観で書き綴るブログ

観戦記~ダニエル・デュボア vs アンソニー・ジョシュア~

2024年09月22日 | BOXING
IBFヘビー級タイトルマッチ
王者:ダニエル・デュボア vs 挑戦者:アンソニー・ジョシュア
結果:デュボア5RKO勝ち

■分析~デュボアの場合~
相手はストレートパンチャーなので両腕を前に置いたガードポジションは理に適っている。
打たないジャブのフェイント、打つための右手のフェイントは効果的。
1Rテイクダウンは追いながらの右で、村田氏がデビュー戦のそれと同様。
終始アグレッシブなスタイルを選択したのは作戦だったのか、それが奏功した。
5Rコーナーを背に
1発目のカウンターはストロークをつけて筋力を利かせ
2発目のカウンターはウェイトを乗せて合わせた。

両者の体格体形およびスタイルの比較から91年のレノックス・ルイス vs ドノバン・ラドックを彷彿させ
結果も似たようなものを予想したが逆だった。
レノックスが両者と戦ったならばレノックスKO勝ちしかイメージできない管理人は懐古の極みか...

■分析~ジョシュアの場合~
弱気になると明らかに動き、表情に表れる。
ボクサーとしては大きなビハインド。
相手はパンチャーでカウンター巧く、狙っているのを判ると攻め難くなるが、戦いながら手段を模索する術が上手でない。
3R交錯するタイミングで右アッパーを狙ったが空振り。
3R相手のジャブの引きに右ストレート合わせたが浅い。
どれも腰が引けているからクリーンヒットしない。
5R相手が効いて攻めに行ったが慌てている。
メンタリティはボクサーに向いてなかったか。

英国は世界戦線にボクサーがどんどん出てくる。
競技志向の人民が球技などでなくボクシングを選択する意図はどこにあるのだろう。
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観戦記~佐々木尽 vs カミル・バラ~

2024年09月05日 | BOXING
某ウェルター級タイトルマッチ 
王者:佐々木尽 vs 挑戦者:カミル・バラ
結果:佐々木7RTKO勝ち

■分析~佐々木の場合~
一流選手のスタイルを取り入れるのは悪くはない。
それを実践できるのはセンスである。
80年代はそんな日本人ボクサーが多くいた。
タイソンのボディからアッパー
レナードが右手を上げてから踏み込んでの右フック
フレージャーのボビング
まさかのハーンズのフリッカー
サンチェスのアフロ
など、その時代は如何にもモノマネだったが現代はリアルコピー。
この選手は誰をイメージしているのか。
打たせるのはこのままでいくのだろう。
て言うか、本人は打たせてる打たれてる感はないのだろうが。
前記事でも言ったが王者への挑戦よりも決定戦に持ち込めば史上初が見えてくる。

■分析~バラの場合~
筋骨隆々の体形がボクシングに必ずしもアドバンテージにならないのは40年前にも知れたこと。
フランク・ブルーノの対戦者が後に 「 あの体を見て戦意が半分削がれたね 」
そのブルーノの挑戦を受けた時のヘビー級王者ティム・ウィザスプーンは
「 ボクサーとしてどんなもんなんだい? そんなに筋肉つけたきゃ顎につけたがいい 」 と皮肉った。
両者スペックは同等だったが各要素の利は全て王者にあった。

この選手は生計の主はインストラクターであるらしい。
如何にもフィジカルトレーナーぽい。
体つきを見るに十種競技の選手のようだ。
戦前はその筋肉と余裕な言動から強者感あったがボクサーとしては評価通りだった。
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観戦記~井上尚弥 vs TJ・ドヘニー~

2024年09月04日 | BOXING
WBA・WBC・IBF・WBOスーパーバンタム級タイトルマッチ
王者:井上尚弥 vs 挑戦者:TJ・ドヘニー~
結果:井上7RTKO勝ち

■分析~井上の場合~
3R、互いの前足の位置取り合戦は見応えがあった。
相手の前足の左右に自身の前足をシャッフルし挑発したらば爪先を踏まれ対応される。
したならば外側に置き右フック。
相手は踵を回転させて引っかけ倒そうとする。
したならば内側に置き左フック。
オーソvsサウスの前足の位置取りは重要であり、その位置感覚だけでボクシングができる。
具志堅氏はvsハイメ・リオスⅡで終盤、両瞼が腫れ上がり正面の相手が見えなくなり足元を見てパンチを打ち、KOした。
信じられない話だが十分に有りうることなのだ。
また、オーソvsサウスでオーソが好戦的な場合、オーソにとって危険が伴う。
打ちに行って相手の正面に両足が揃ったところを左フック食って尻もちをつくパターンがイメージされる。
この選手に限ってそんなことは無いだろうが...

7R相手が 「 just a moment 」 みたいなジェスチュアで動き止めたところを攻撃しなかった。
素晴らしいジェントルマンシップ、スポーツマンシップではあるが
他のボクサーはそうあるべきではないな。

■分析~ドヘニーの場合~
11kg戻したって何をどれだけ飲食したのか時系列で教えてくれ。
増量はいいけど、そんなんで動けるのか。
見ると踵を地につけず爪先立ちする時間が多い。
恐らく前者は長く継続すると膝にくる。
後者は足首にくる。
後者を選択したのか。
結局、それらに反して腰にきたようだが。

勝利を取るため、その戦法もその実践もよいものだった。
評価を得られるものではないが、仮に勝利したならば一時の金になり、後の記録になる。
この相手に対し、この戦法を見習うボクサーは多いはず。
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視聴~マニー・パッキャオ vs 安保瑠輝也~

2024年07月28日 | BOXING
■所見~パッキャオの場合~
両者の動きを踏まえたシルエット、どこかで見たような。
ナイジェル・ベンとロベルト・デュランのスパーだ。( 古っ )
思いのほか左ストレートが伸びなかった。
マルケスやモラレスにぶち込んだロケットの様な踏み込みからの左ストレートを打ち込むかと思ったが、その踏み込みが無かった。
左を捨てパンチに宙に浮いたまま返す右を多用したがウェイト乗らないから効かせるパンチにならない。
レフェリーや相手の挑発、雑音に気を散らせたり集中力もなかった。
エキシビジョンまがいに捉えていたのかな。
ショーマンシップよりも誰かのようなバイオレンスの方がよいな。

■所見~安保の場合~
weigh-inのプロポーションは長身で手足長く肩幅あり、輪郭も見るにクリサント・エスパニャのようだ。 ( 渋っ )
畑山氏竹原氏のchで鈴木悟氏を招き、元K-1の魔裟斗とのスパーでキック選手の3Rのスピード、パワー、テンポの集中力を説明していたが
確かに全Rを3Rと前提するものと12Rとでは性質が変わってくる。
浜田氏がvsレネⅠで 「 3Rまでに全てをかけて勝負に行った 」 と言っていたが3R過ぎて空っぽになるような事はしないよね。
それにしてもボクシング上手いね。
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観戦記~中谷潤人 vs ビンセント・アストロラビオ~

2024年07月21日 | BOXING
WBCバンタム級タイトルマッチ
王者:中谷潤人 vs 挑戦者:ビンセント・アストロラビオ
結果:中谷1RKO勝ち

■分析~中谷の場合~
ガッツ氏が ” 幻の右 ” でKOした試合の勝利者インタビューで
インタビュアー 「 挑戦者はあの右は見えなかったのでは? 」
ガッツ氏 「 だから幻です 」
と名言を残した。

この選手の2発目は見えないだろう。
ワンツー、ツーワン、ジャブからボディ、その逆と多彩。

■分析~アストロラビオの場合~
腹に食ったのはややベルトラインにかかりレバーでも鳩尾でもなく、シックスパックの装甲強い部位だが。
フィリピン選手は顔は強いが腹は弱い。
腹は強いが顔は弱い、とどっちが。
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観戦記~アンソニー・オラスクアガ vs 加納陸~

2024年07月21日 | BOXING
WBOフライ級タイトルマッチ
アンソニー・オラスクアガ vs 加納陸
結果:オラスクアガ3RKO勝ち

■分析~オラスクアガの場合~
ダニー・ロメロ的
足腰背首頭の軸をしっかりキメたフック連打。
隙もできるがパンチ重く強いので相手はその隙を突けない。
左アッパーの前のパンチが相手の右ガードを払う形となったが偶然か意図的か。
どちらにしても鮮やかなKOパンチ。
強くかっこいいアメリカ人だ。

■分析~加納の場合~
またサウスポー。
サウスポーだから利なのか、利だからサウスポーなのか。
ボクシングを分析するにはやはりオーソドックス同士なのだわ。
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非観戦~田中 vs ジョナタン・ロドリゲス~

2024年07月21日 | BOXING
WBOスーパーフライ級タイトルマッチ
王者:田中恒成 vs ジョナタン・ロドリゲス
結果:中止

■分析~田中の場合~
4月にセントレアで見かけたが見事にボクサーのオーラなかったな。
世界王者だからちとカッコつけてよ。
と要らぬ世話か。
報酬少し貰えるらしい。
ファンはそんなところを同情するのだわ。
これも要らぬ世話か。

■分析~畑中会長の場合~
なんだか老けたなあ。
まるで人生の苦労が顔に表れているようだ。
元ライバルみたいに少し肉つけたほうが艶もでるのでは。
と要らぬ世話か。
現役引退後、カミさんにちなんで 「 それはタカコと言う女 」 との題名でレコードだしたらしい。
今もカミさんはタカコさんなのだろうか。
それも要らぬ世話か。
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観戦記~井岡一翔 vs フェルナンド・マルチネス~

2024年07月13日 | BOXING
WBA・IBFスーパーフライ級タイトルマッチ
WBA王者:井岡一翔 vs IBF王者:フェルナンド・マルチネス
結果:マルチネス判定勝ち

■分析~井岡の場合~
意識的に顎を引き後部の首筋に緊張を持たせる。
腰を落とし軸をブレさせないジャブ。 ( 伸びないが )
相手の連打に対するダッキングの多用。
左ボディブローの多用。
右カウンターのとり方。
オスカー・デラホーヤのスタイルに類似しているように見える。
左フックはデラホーヤほど上手くないが。

デラホーヤ vs フェルナンド・バルガスのように
序盤打たせて我慢してボディ利かせて中盤以降挽回する戦略も予想されたが
打たせすぎ、打たれすぎ、髪の毛が跳ねるのも大きなマイナス面。 ( かき上げる仕草はなかったが )
80年代パンチパーマが多かったのは流行りもあっただろうがボクシングには向いていたのかな。

1Rの左ボディがカウンターで入ったのはこ試合最大のチャンスで地味に倒すべく攻撃をしたが追い足にキレがなかった。
1Rゆえ体が温まってなかったか、その前に受けたダメージなのか、相手のかわしが巧かったのか。
全体的に相手が攻撃に出てくる時は戦術は広がったはずだが強すぎて後手に回った。
相手が距離を取る時は摺り足の追いでは詰められなかった。

■分析~マルチネスの場合~
上体の筋肉の大きさは相手と比較しても一回り大きい。
牛肉で構築した体と穀類を主として作った体の違いも感じられる。
人種による体質に合った栄養分もあるだろうが、逆としても日本人にはこの様な体は作れないのだろう。
つくづくフィジカルでは日本人はボクシングは向いてないと思う。

リズムに乗ったりペースを掴んだりすると多彩な芸を発揮するタイプ。
左フック連打は踵を回して下半身の回転を利かせるので空振りで体が一回転するほどの強振。
打ち下ろしの右フックは肘を上げて捻じ込むコークスクリューで空振りしても体が流れない。その分、腕に負担がかかるが。
アッパーも多用し空振りでバランス崩すかと思いきや上体の筋力で返しのパンチでバランスを押し戻すので連打できる。
右からの左の返しは ( ストレートもフックも ) 、ツーワンで体重のせているので重く、相手のガードをこじ開けている。

自身よりも長身な相手には能力を発揮しそう。
逆に小柄でタフなファイター型には苦戦しそう。
コメント

観戦記~タイソン・フューリー vs オレクサンドル・ウシク~

2024年05月19日 | BOXING
WBA・WBC・IBF・WBOヘビー級タイトルマッチ
WBC王者:タイソン・フューリー vs WBA・IBF・WBO王者:オレクサンドル・ウシク
結果:ウシク判定勝ち

■分析~フューリーの場合~
身長とリーチ差のアドバンテージを活かすスタイルは15R制では多く見られた。
ボブ・フォスター
トーマス・ハーンズ
マイケル・スピンクス
エウセビオ・ペドロサ
カルロス・モンソン

90年代以降、空間を潰すスタイルも台頭されアドバンテージは低減された。
この選手は15R制かの如くアドバンテージを活かし、相手の一歩目のパンチを届かせず、2歩目もバック&サイドステップでかわす。
その動きはvsソニー・リストンⅠのカシアス・クレイのようだ。
トコトコ横歩きの時に目線を相手から外すのはロイ・ジョーンズのようで
ロープを掴んでディフェンスしたりするのはシュガーレイ・レナードのよう。(反則だけれど)
ショーマンシップ高すぎて余裕見せてる時に被弾して効かされたり
ダメージ負っても追撃を耐え凌ぐタフネスものは如何にもこの選手らしい。
6Rの右アッパーは素晴らしかった。
かつて自身が空振りした右アッパーを額に当てて効いていたシーンを思い出した...

■分析~ウシクの場合~
相手の体格は予想以上に壁のように見えたか。
空間を潰すべく
マイク・タイソンは腰を落としてズバッと踏み込みコンビネーションで打ち込んだが
この選手は上下に跳ねながらリズムで踏み込み連打するスタイル。
この相手には連打型が有効だったようだ。


■あとがき
乱闘はガチなのか流血も演出なのか。
乱闘劇5選

●ミゲル・アンヘル・ゴンザレス vs ラマー・マーフィー
マーフィーのスキルフルなボクシングでポイントアウトしたかに思えたが何とゴンサレスの勝利
マーフィー側の人物が第3者を挟んでゴンザレス側の人物に右ボディブローを4発打ちこんでいるが
体の撓いを利かせた打ち方は玄人感丸出し。

●ロジャー・メイウェザー vs ビニーパジェンザ
12R終了後、何故かパジェンザのセコンドがロジャーに襲い掛かる。
ロジャーは右フックで応戦
セコンドは頬から流血
他のセコンド 「 あんた血が出てるよ 」
当人 「 ん? 血?血?   」
その人物はルウ・デュバ

●リック吉村 vs カズ有沢
後楽園ホールのリングサイドにパイプ椅子が宙を舞う。
目の前に飛んできてもボクサーならば避けられるかなあ。
避けたとしても後の人は食らうわな。

●ジョニー・バンフス vs ジーン・ハッチャー
TKOしたハッチャーが担ぎ上げられた所をSTOPに納得いかないバンフスが走り飛んで引き落とそうとする。
「 勝ち誇ってんじゃねえよ 」 なら判らないでもないが 「 終わってねえよ。まだやるぜ 」 と完全にクレイジー。
バンフスのセコンドもルウ・デュバなのだわ。

●レネ・アルレドンド vs 浜田剛史
勝利の雄叫びは何故か鈴木トレーナー
リングになだれ込む野次馬を 「 てめえ上がってくんじゃねえよ 」 とボコボコにする姿。
リアルタイムで見た時はもっと殴っている印象だったが引き倒して抑え込んでるだけなんだね。
しかしその鈴木トレーナー
今や伝説である。
コメント

観戦記~井上拓真 vs 石田匠~

2024年05月07日 | BOXING
WBAバンタム級タイトルマッチ
王者:井上拓真 vs 挑戦者:石田匠
結果:井上判定勝ち

■分析~井上の場合~
体をグッと入れたところに食うともんどり打って倒れる。
イメージとしては、何気なく徒歩しているところ突然顔が木の枝に引っかかるような。
倒れるしかないのだ。
フラッシュダウン。
2R以降、右アッパーが何度もヒットした。
右アッパーか。
親父や兄貴と相手のビデオ見ながら 「 ここアッパー入るぞ 」 とか。
簡単にアッパーなど打っているように見えるが高等技術。

■分析~石田の場合~
ジャブを得意とし絶対の自信を持ち、実際巧みに操る。
必然な高位置から高く構え、開いた手からスッと放たれる。
タイミング、距離、スピード、テンポと頗る良い。
1Rそのジャブでテイクダウン。
以降、過信となるのも当然。
自身の実力、勝利を確信しただろう。
1度入ってしまったSWは解除することはできない。
あの残像が脳にこびり付いて 「 当たる、倒せる、勝てる 」
数ミリの距離感、コンマ何秒のタイミングを狂わせた。
系列の井岡弘樹もvsナパの1Rテイクダウンで過信した。 ( 石田以上に )
しかし 「 おかしいな、何か違うぞ 」 と気づいた時は既に遅し。
ボクサーてのはあの残像を追い求めボロボロになる。
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