Scientific Boxing

国内、海外のボクシング界の状況や試合の観戦記などを絶対的主観で書き綴るブログ

観戦記~スーパーライト級~

2011年07月31日 | BOXING

レイモント・ピーターソン vs ビクトル・マヌエル・カヨ
試合結果:ピーターソン12RKO勝ち

●所見~ピーターソンの場合~
体の底から溢れ出るパワーがあり、そのパワーのままに攻撃するのでは無く、ベースに収めた上で
利用している感じがある。
軸がしっかりし、基本的な動きに裏付けされたそのスタイルはパワフル且つ堅実なもので、
体格、体質を含め、B・ホプキンスと同様を思わせる。
ブロッキング主体の構えからプレスをかけ、接近ではリーチ長いながらも脇を閉めた左フック、
脇腹打ち ( オープン気味だが ) からの右フック 、ミドルレンジではオンガードからの右ショートと
どれもホプキンスの動きを見ている様だ。
但し、相手と違いモノマネは感じられない。
ワイルドに打てばパンチは相当強いと思われるが、じっくり痛めつけて仕留める時は仕留める。

肝心な試合で勝ちきれなかったが既に世界王者レベルにあると思う。
T・ブラッドリーもV・オルティスもこの選手によく負けなかったな。

●所見~カヨの場合~
フォーム、スタンスはM級時のR・ジョーンズによく似たもので ( D・ゲイナーよりも似ている ) 、
多分、本人としても相当に意識してスタイルを構築しているのではないだろうか。
但し、この様なモノマネスタイルで大成した例は殆ど無い。
自然に似たり、良い部分を取入れて自身のスタイルを作る例もあるが。

1Rから何故かスイッチしたが何の意図があったのか。
その後はジョーンズ・スタイルで戦い、攻め込まれても、パンチ食ってもそのスタイルが崩れない所は
大したもので、上体のクイックなスリップとスウェイ、目の良さでクリーンヒットを食う事は少なかったが、
攻撃的部分は元祖には遠いものだった。
12R、右2発で左脚が痺れた様な仕草を見せ、その後、連打され、ラビットの泣入りのカウントアウト。
それ迄の展開は相手がB・ホプキンス似のスタイルだった事により18年前のIBF-M級決定戦の
再現を見る様だった。

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