脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

2011年地域決勝、奈良クラブの冒険が終わる。

2011年11月22日 | 脚で語る奈良クラブ
 今季の全国地域リーグ決勝大会1次ラウンドが終了。3グループからShizuoka.藤枝MYFC、S.C.相模原、HOYO AC ELAN 大分がそれぞれグループ首位で、そして2位チームの最上位(ワイルドカード)としてY.S.C.C.が12月2日から長居第2陸上競技場で行われる決勝ラウンドへ進出を決めた。

 Bグループで、2日目にS.C.相模原と対戦した奈良クラブは0-1で惜敗。続く3日目には東北リーグ王者の福島ユナイテッドFCに2-0と勝利。2勝1敗で2位につけたが、勝点で及ばず、ワイルドカードを掴むことはできなかった。2勝しても決勝ラウンドが遠い4/12という狭き門。奈良クラブの初めての地域決勝大会での冒険は終わった(現地での戦いぶりはこちらを参照のこと)。

 非常に感慨深いものがある。思えば、3年前に土のグラウンドで、ろうそくの灯りを頼りに練習を始めた草サッカーチームに等しきチームだった。1年での関西リーグ昇格、そしてまた1年でのDiv1昇格。Div1で2年目ながら優勝。関西王者としてこのJFL入学試験の切符を掴んだ。今季の関西リーグでの強さは圧倒的だったが、全社関西予選を予選で落とし、天皇杯もホームでの1回戦で苦杯を喫した。10月の関東遠征で、同じく地域決勝大会に出場するJリーグ準加盟・S.C.相模原に0-6と完膚なきまでに叩きのめされた。この時の光景は相模原戦当日まで脳裏を過って仕方なかった。地域決勝大会1次ラウンド2日目、雨の中での接戦は19分にPKで1点を献上したものの、その後は完全に奈良クラブペース。相手を圧倒するシュートの嵐で試合の主導権を握った。しかしながら最後まで追いつくことはできず、1点の壁に泣いた。この1点の遠さも地域決勝大会の厳しさだと実感する悔しい試合だった。
 3日目の福島U戦に他力本願の要素もありながら全てを懸けた。初めて対戦する相手だったが、序盤から攻勢に出る。前半をスコアレスで凌ぐと、後半に入って牧、橋垣戸の得点で一気にリードを掴む。大量得点差での勝利が他力本願以前の最低条件だったが、健闘虚しく勝利しながらも決勝ラウンド進出はならなかった。しかしながら、初の地域決勝大会で2勝1敗。十分に誇れる戦績ではないか。素晴らしい試合ぶりだった3日間。本当に奈良クラブの強さを全国レベルで発揮してくれた来年以降に繋がる3日間でサポーターとしては「感謝」の言葉、労いの言葉しかまずは出てこない。

 十分全国の舞台で戦えることを証明した3日連続の3試合。もちろん、今後の課題もはっきりした。2戦目の相模原戦で1点に泣いた決定力の充実。まずはここに尽きる。
 この大会では、奈良クラブ得意のパスサッカーが前面にアピールできた。前半こそ相変わらずのスロースタートぶり(特に北海道戦)だったが、それでもリーグ戦で蓄積したコンビネーションがフルに活かされたはずだ。ここに負傷で離脱の辻村隆がいれば本望だったが、中盤の構成力はグループ屈指だったはず。組み合わせによっては決勝ラウンド進出も叶ったと信じている。しかしながら、牧と檜山の先発コンビに、後半、嶋や大塚を投入するも、欲しいところで得点がなかなか奪えなかった。元来、「どこからでも点が取れる」というのがこのチームのストロングポイントではあったが、関西リーグと地域決勝大会で最も「差」として実感した部分だといえる。
 また、懸念された選手層の部分では、負傷や警告累積の影響を受けなければ、十分通用すると感じた。欲を言えば、もっと層が厚いに越したことがないだろうが、1年目の吉田監督が選手を見極めるにはちょうど良い少数精鋭だったのではと感じている。GK日野以外、地域リーグクラスに収まらない選手がお世辞にもいるとは言い難い。もちろん、戦力の上乗せは来季この大会を勝つためには重要なところ。まだKSLカップ3位決定戦を12月に残しているが、この点でも楽しみなシーズンオフになりそうだ。

 しっかりKSLカップ3位決定戦で勝利して、今季を締め括りたい。この3日間が選手に相当な自信をもたらしているはずだ。もっとチームは強くなる。

全国への船出 -地域決勝vsノルブリッツ北海道-

2011年11月18日 | 脚で語る奈良クラブ
 第35回全国地域リーグ決勝大会が全国3会場で開幕。淡路島のアスパ五色では、ノルブリッツ北海道、福島ユナイテッドFC、S.C.相模原、奈良クラブの4チームが一同に会する「死のグループ」とも形容される組み合わせ。初戦をノルブリッツ北海道と対戦した奈良クラブは、85分の檜山の得点で勝利。初出場の地域決勝大会で初戦にて勝点3ポイントを獲得した。

 関西リーグの試合会場となることが多い故、見慣れたはずの景色ながら、何とも言えない独特の緊張感が漂うアスパ五色。関西リーグ王者として、奈良クラブは初めてJFLへの入学試験に挑戦することになった。
 初戦の相手は北海道リーグの王者・ノルブリッツ北海道。札大GPと凌ぎを削る強豪クラブで、北海道電力サッカー部の頃から数えれば、幾度となくこのカテゴリーの全国大会を経験している。無論、胸を借りるつもりという意味では、今季も全社出場を取り逃した奈良としてはこの大会では本当に新米だ。それは前半の戦いぶりで露わになる。

 試合は一進一退の序盤戦から徐々に北海道に決定機が訪れるようになってきた。それもこれも奈良の守備陣のミスからという場面が多かった。必要以上に最終ラインで手数をかけてしまう場面が多く、ボールの処理にもたつき、ヒヤッという場面が見られる。しかし、そこを今季のリーグ戦から幾度となくカバーしてくれてきたのはGK日野という男だ。本当に頼りになる。前半、この日野の活躍で3本の北海道の決定機をシャットアウト。徐々に建て直してきたところで後半へ折り返す。

 後半から黒田に代えて矢部を中盤に投入。セントラルMFとして先発だった李を右サイドへスライド。これがリーグ戦同様のリズムを生み出した。前半にはなかった決定機の数々を次第に作り出して、試合の主導権を完全に握った。パスが繋がる。連動したいつものサッカーがそこにはあった。そして、85分に待望の先取点を生み出す。三本菅からのパスを受けた李が前方に絶妙なループパス。これを檜山がDFの裏に抜け出してダイレクトでループ気味にゴールへ流し込む。ここまでの85分間、耐えに耐え抜いたサッカーが結実した。これが決勝点となり、まずは初日の試合を1-0で制した。

 第2試合は、相模原が福島U相手に2-1で勝利(観戦記は後ほど記載)。これで明日、共に先勝した同士での直接対決という構図になった。史上最大の強敵。ここを乗り切れば更に光明は見えてくる。奈良県リーグから足掛け3年半、ここまでのチームの蓄積を全て懸けて挑むしかない。全国への船出はまだ始まったばかり。目の前に迫る大きな波が乗り越えなければならない。

獲得至難のカップタイトル

2011年11月13日 | 脚で語る奈良クラブ
 奈良クラブが戦うKSLカップは12日、準決勝2試合が行われ、アミティエSCと対峙した奈良クラブは1-2と敗戦。準決勝2試合目はアイン食品が阪南大クラブを1-0で下して決勝進出を決めた。この結果、12月23日に行われる3位決定戦は奈良クラブと阪南大クラブというカードに、そしてその後に行われる決勝戦はアミティエとアイン食品の対戦カードとなった。

 前半から歯痒い内容だった。23分にセットプレーから先制点を奪われる。全員が必死にボールを追いかけ、カウンターを展開するアミティエ。対照的に少し球際で積極性が出ない奈良クラブ。0-1という形で前半を終えることになった。思い起こされるのは日岡山で行われたリーグ戦の第2節だ。あの試合でも前半に先行され、0-1で後半に折り返した。しかし、後半は相手をいなすパスワークを見せてあっという間に逆転。その後同点にされたがそれでも追加点を決めて振り切った。今回もそんな展開も脳裏には過った。後半にしっかり修正することでリーグ戦でも結果を出してきただけに、リードされていても盛り返せる気はしていた。
 後半、PKで追いつくものの、終了間際に決勝点を奪われた。結果的には準決勝で敗戦。3位決定戦に回ることになった。1点差、しかも終了間際の決勝点献上ということもあって悔しさもひとしお。試合後にチームの公式Twitterにもその旨がツイートされたように、来週の金曜から始まる地域リーグ決勝大会を前に、どうしても選手たちがコンタクトを控え目にして負傷やカードを回避せざるを得なかったのは確かにあったのかもしれない。もちろん、チームが全力でこの試合に臨んだことを信じているが、チームからすれば難しい試合になったのは間違いない。確かにチームの最大の目標はリーグ優勝を成し遂げたことで、現実的なものとしてJFL昇格となった。しかし、どちらも重要なタイトル、大会であることも考え方としては正しい。要はここを二兎追うことが実情としてかなり葛藤を抱えるものだということが分かった。KSLカップは地域決勝大会を目前に控えたチームには、勝ち上がれば直前まで真剣勝負の公式戦ができるメリットはあるものの、果たして地域決勝大会を直前に控えた諸々のリスクと共存できるか、非常に悩ましい。そこには相当の選手層やメンタルが必要とされるだろう。

 それらを考えれば、確かに過去のKSLカップも優勝チームはリーグ戦のそれとは違っているケースが多い(2009年のラランジャ京都(リーグ2位での地域決勝大会出場、カップ優勝)というケースがあるが、このシーズンはリーグ順延の影響で実質的には1回戦からトーナメント式だった)。これまで同じような境遇に立たされたチームも同じ葛藤に悩まされていたのか。他地域を見ていると、関東リーグではKSL市原カップ(関西リーグと同じくKSLという略称が一般的である)がほぼ同時期に行われているが、今季は地域決勝大会出場チームであるS.C.相模原は予選リーグで早々に敗退。リーグ王者で同じく地域決勝大会出場予定のY.S.C.C.も決勝で惜しくもクラブ・ドラゴンズに敗れたという。やはり同じような葛藤がそこにはあったのだろう。やはりこの時期のカップタイトルはその制覇が至難と見える。なかなか地域タイトル完全制覇という偉業は難しいものだ。

 しかし、この敗戦である種の引き締め作用があったのは事実だろう。金曜日から始まる地域決勝大会。チーム未踏の負けられない独特の緊張感に打ち勝たねばならない3連戦1次ラウンドがスタートする。この敗戦がカンフル剤になることを信じてやまない。

KSLカップ、ベスト4進出

2011年11月05日 | 脚で語る奈良クラブ
 KSLカップは、予選リーグ最終節から中1日で準々決勝を迎え、J-GREEN堺では奈良クラブとバンディオンセ加古川のリーグ1位、2位の直接対決が実現。試合はPK2本を決めた奈良クラブが2-1で勝利して、準決勝進出を果たした。

 今季は、共に11月より開幕する全国地域リーグ決勝大会に出場する2チーム。おそらくKSLカップのハイライトをなり得る対戦カードとなったこの試合。前半から奈良がペースを握りながらも、拮抗した試合展開となった。奈良は、2日前に出場したメンバーでは唯一李をベンチに置き、蜂須賀と黒田がサイドハーフで先発。GKは3試合ぶりに日野が先発出場で、前線では檜山と辻村剛が2日前に続けてコンビを組んだ。
 前半から押せ押せの展開だったが、特に両サイドを使った攻撃が功を奏し、右サイドからの流れからゴール前で矢部と辻村剛がワンツーで突破を試みると、これに相手DFがたまらずファウルを犯してしまい、PKのチャンス。これを辻村剛が決めて先制に成功する。前半を0-0で折り返せればという展開だっただけにこの1点は大きかった。

 後半に入って雨が強くなってきたが、試合のペースは変わらず。そして加古川にシュートを打たせないという守備の安定感も手伝って、特に攻撃面でのラッシュは冴えた。CKからのこぼれ球をフリーで受けた矢部のシュートがバーを直撃するなどチャンスはあったが、相手を崩してからのシュートが決まらない。しかし、何度も相手エリア内まで仕掛ける形が増えたことで、CKを再三得たことが追加点のチャンスを呼び込んだ。73分、CKの際に競り合いの中で相手DFがファウル。再びPKをゲットすると、これを辻村剛が落ち着いて決めて2-0に。攻勢は依然衰えず、この追加点で勝算は立ったものの、試合終了前のアディショナルタイムにカウンターから容易なシュートを許して1点差に追い上げられる。これは明らかに不要な失点だったが、加古川の追い上げはこの場面だけ。結局2-1で勝利を掴んだ。

 物足りなかったのは崩してからの流れによる得点がなかったことといえるが、内容は良かった。守備面でも数的不利な場面をほとんど作らせなかった。このKSLカップでは試合ごとに内容が良くなっている。そういう意味では流れからの得点は是が非でも欲しかったのは正直なところだ。個人的には黒田が改めて器用な選手だと思った。この試合では左MFとして先発したが、記憶ではこのポジションは彼にとっては初めて。しかしながら無難にこなしたことで、少し中盤における選手起用は読めなくなってきた気もする。とにかく、李と牧という主軸2枚を抜いた形で地域決勝に出場する加古川に勝利したのは大きい。

 さて、カップまで残り2つ。準決勝を終えて一旦地域決勝へ突入するが、この流れを切らずに地域決勝の直前である来週まで真剣勝負の試合ができることは本当にありがたい。

唯一無傷の3連勝で予選リーグ1位突破

2011年11月03日 | 脚で語る奈良クラブ
 KSLカップは予選リーグの最終節を迎え、大和高原ボスコヴィラでは2連勝の奈良クラブがラランジャ京都と対戦。終始試合のペースを握った奈良クラブが4-0で勝利し、終わってみれば全グループで唯一の無敗突破。5日からの決勝ラウンドに駒を進めた。

 カップ戦ではここまで全試合で微妙にメンバーやポジションを入れ替えつつ戦う奈良クラブ。この日も日野、牧、蜂須賀をベンチに温存して新たな布陣。特に檜山と辻村剛を前線で組ませたコンビは前半から縦横無尽。開始1分で檜山がGKと1対1のチャンスを作れば、その直後にCKに三本菅の強烈なヘッドでゴールを強襲。直後に辻村剛のシュートがバーを叩くなど序盤から大きなチャンスを立て続けに作った。これらが決まっていれば試合はまた大きくの展開を変えていただろう。案の定、この後先制点を奪うのに苦労することになる。

 ただ、スロースタートなチームのことを考えると非常に安定感のある試合だった。守備でも随所でGK星野、橋垣戸、眞野が好プレーを披露。いつも以上に守りも盤石で、それほど攻守にバタバタする時間もない。相手の運動量が落ちるのを待って…ということも含めて得点数は期待できる試合だった。
 30分に、左サイドを駆け上がった吉田の速いライナー性のクロスをゴール前でフリーになっていた辻村剛が走り込んで合わせる。これで先制することに成功。それまでに決定機逸の場面が目立ったものの、これでようやくリードを掴み余裕ができた。

 後半に入って次々に選手を替えながら、運動量の落ちてきたL京都相手に攻め込む。相手の守備がルーズになってかなりスペースが空くようになっていたので、嶋がスピードを活かして加点すれば、辻村剛が岡元とのワンツーから抜け出して更に1得点。それらはどれもが途中出場した選手による貢献度が高い得点場面だった。
 そして、試合終了直前のアディショナルタイムに差し掛かる頃、大塚がカウンターから裏へ抜け出してGKとの1対1を制す。昨年の天皇杯奈良県予選決勝以来の得点で、このカップ戦での完全復活を印象付ける得点だった。後半途中からの投入後、常に前線でのチェイシングを厭わず、相手の運動量を削いではそのドリブルとパスセンスで相手守備陣を蹂躙。何度かオフサイドで得点機を逃したものの、その存在感は十分。これまで1年間厳しいケガとの戦いに耐えてきた彼がようやく安堵できる瞬間がやってきたのかもしれない。地域決勝前に大塚の完全復活はこれ以上ないプラス要素だ。

 予選リーグをこれで3連勝で突破。すぐ2日後に迎える準々決勝の相手は、奇しくも地域決勝に共に駒を進めたバンディオンセ加古川。9月の桃源郷での敗戦もあって、これ以上ないタイミングでの再戦だ。他のカードはDiv2のチームがDiv1のチームに挑戦するという構図だが、このカードはDiv1の1位対2位の直接対決。満を持して地域決勝前に素晴らしい真剣勝負の場が与えられたものだ。内容にこだわってしっかり戦ってほしい。

決勝トーナメントへ大きく前進

2011年10月31日 | 脚で語る奈良クラブ
 29日にKSLカップのグループリーグは第2節を迎え、奈良クラブはDiv2の京都紫光クラブと対戦。前半からペースを掌握した奈良クラブが4-1と勝利し、グループリーグ突破へ大きく前進。関学クラブがAS.ラランジャ京都に勝利したため、グループリーグの突破は最終節の結果次第となったが、初のグループリーグ突破へ大きな勝利となった(2009年KSLカップにて最初からトーナメントという形式は経験)。

 

 京都紫光クラブとは奈良クラブがDiv2で戦っていた2009年シーズン以来2年ぶりの戦い。そういえば最後に戦ったのも太陽が丘でのKSLカップだった(4-0で奈良クラブが勝利)。今季の京都紫光はDiv2で勝点1ポイント差で昇格をあと一歩まで引き寄せながらも涙を呑んでいる。しかしながら、その得点力はリーグ2位につけるほどで十分脅威なもの。前節の関学クラブのようにまずは守りからというわけにはいかないだろうということは予測できた。
 前節から守備陣を入れ替えての一戦。GKには日野ではなく公式戦では2試合目となる星野を起用。前節退場処分を受けた谷山の代役に黒田が久々に右サイドバックに入った。そしてCBには橋垣戸に代わって三本菅が1列下がる形で入り、守備的MFに矢部が先発復帰した。特に最近好調ぶりをアピールしている蜂須賀はこの日も先発。その逆サイドのMFとして辻村剛が出場停止明けで顔を揃える。

 前半から奈良クラブがボールを支配。積極的に攻め続けた。試合の入り方は前節に比べるとかなり良かった。しかしながら先制点までは遠く、あと一歩というチャンスは数知れず。逆に前がかりになった際に京都紫光のカウンターをモロに受ける場面もあり、ヒヤリとさせられる決定機が前半だけで2度ほどあった。前線でボールを持つと京都紫光の種子田は特に危険な存在で、京都紫光のアタッカー陣の良質ぶりを垣間見た。
 先制点は、辻村剛だった。積極的に左サイドで吉田とのコンビから相手を崩しにかかっており、先制点の場面も牧と重なるような形でアタッキングゾーンに入っていった。そして追加点を檜山がお得意の右足で相手GKの頭上を越えるループシュートで奪う。前半終了直後には三本菅のアシストから矢部が見事なボレーシュートを突き刺してリードを3点にして後半へ折り返した。

 しかし、前半から幾度も枠内シュートで脅かされるという場面がなかったこともあって、GK星野が結果的にボールを触る機会があまりなかった。試合の大半で奈良クラブのポゼッションだったこともあり、少し守備が怠慢になる場面は見られたのはチームとして未熟なところか。後半の立ち上がりにはまさにそんな状況下で失点を食らってしまう。ここは少し頂けなかった。
 その直後に蜂須賀が左足で見事なミドルシュートを決めて4点目を決めてリードを再び3点差に。選手も入れ替えながら後半45分間を乗り切った。

 「快勝」といえるかもしれない内容だったが、地域決勝大会のことを考えればもっとシビアに、まだまだ追い込めるような気はした。むしろそうでないとあの過酷な3日間は乗り切れない。決めなければならないところで決定機逸を繰り返す場面を見る度にそう思うのだ。地域決勝大会ではその1点が本当に試合を大きく左右する。そういう意味では前半のうちからもっと得点を重ねることはできたし、守備面でも特に試合の序盤は集中は必要だということを再確認させられた試合だったと思う。
 とにかく、これで2連勝。決勝トーナメント進出に大きく前進した。次の試合は同じDiv1のラランジャ京都。更に意識した戦いでしっかり3連勝で決勝トーナメントへ進んでくれることを期待している。

貴重な実戦期間

2011年10月28日 | 脚で語る奈良クラブ
 奈良クラブはKSLカップの戦いに突入。11月の地域決勝大会を前に是非ともこの大会をじっくり戦ってチームを仕上げたいところだ。22日には関学クラブ(Div2)とのグループリーグ初戦に2-0と勝利。退場で前半のうちに10人という人数的不利を強いられながらもDiv1王者の意地を見せた。

 

 この関学クラブ戦は、守備をきっちり施してきた相手に、序盤こそ試合の入り方に苦しみ、チャンスを与える展開になった。36分にはDF谷山が2枚目の警告で退場処分。よもやの10人態勢に陥る。しかし、そういう意味では地域決勝大会を見込んだ貴重なシミュレーションとなったのかもしれない。41分に中盤にポジションを下げることになった檜山が左サイドから折り返したところに蜂須賀が決めて先制点を奪う。10人になってから先制したが、その後の45分間をもう1点取りにいくのか、それとも守り切るのかという点において難しい試合となった。そこを吉田監督は選手たちによく考えさせてプレーさせていたと感じた。
 後半に入って出場した岡元や嶋などのバックアップ陣も好プレーを披露し、運動量で相手に差を見せて終始攻勢を貫く。追加点はスピードを活かして相手の最終ラインを陥れた嶋が牧のラストパスを持ちこんで冷静に決めた。82分には大塚が昨年の天皇杯1回戦佐川印刷戦以来の公式戦復帰を果たし、積極的なプレーを見せるなど、今後のチームのことを考えると大きな収穫も見られた。地域決勝大会同等のレベルというわけにはいなかないかもしれないが、このカップ戦で目一杯結果を出せれば、11月12日の準決勝まで駒を進めて地域決勝大会に臨むことができる。常に11月18日からの連戦を意識した緊張感のある試合に拘ってカップ奪取を目指して欲しい。

 明日、29日は同じくDiv2の京都紫光クラブとの一戦。2年ぶりの対戦となるが相性だけを見せれば負けなし。しかし、あと一歩で昇格を逃したというだけあるDiv2で2番目に多い得点力には、守備陣の注意が必要かもしれない。この試合に勝利すればグループリーグ突破は決まる。もちろん内容にこだわった結果の勝利を見届けたいものだ。この地域決勝大会までの3週間は非常に貴重な実戦期間だ。

リーグ終了、試練の秋へ -vsバンディオンセ加古川-

2011年09月26日 | 脚で語る奈良クラブ
 関西リーグはいよいよ2011年シーズンの最終節を迎え、和歌山の桃源郷運動公園陸上競技場では、Div1優勝を決めている奈良クラブが2位・バンディオンセ加古川と対戦。撃ち合いの末に2-3で敗れた。奈良クラブは今季リーグ戦初黒星。対するバンディオンセ加古川はリーグ3連勝で有終の美を飾り、10月15日から開幕する全社に繋ぐ勝利となった。ちなみにこの後に行われた第2試合では、Div2の1位と2位が激突。既に来季のDiv1昇格を決めていたディアブロッサ高田に2-2で引き分けたアルテリーヴォ和歌山が来季のDiv1昇格を決めた。

 

 初のリーグ戦敗戦。前節のメンバーから出場停止の辻村剛に代えて李を中盤に加え、試合に臨んだ奈良クラブ。しかしながら、ここまで攻撃を抑えられるとは思わなかった。前半から効果的な攻撃は影を潜め、決定機もほとんど作れず。前半唯一といっていい見せ場は蜂須賀のミドルシュートの場面ぐらいで、攻めあぐねた末に両サイドを揺さぶられて先制点を献上するという悪い流れで前半を終えることとなった。前節のTOJITSU滋賀戦と同じく、前期の戦いを踏まえて研究され尽くしたという加古川の戦いぶりは強かで、守備ラインを上げすぎることなくしっかり引いてまずは守りに徹してきた。

 後半、いつも通りのパスワークでリズムを掴みつつあったが、スピードが武器である嶋の投入で一気に縦への推進力は上がった。69分に左サイドのFKから橋垣戸が合わせて同点に追いつく。完全に流れは奈良に傾いた。84分には、嶋のスルーパスに走り込んだ途中出場の浜岡が冷静にGKとの1対1を決めて逆転。残り時間が5分ほどいう場面で勝利をグッと手繰り寄せたかに見えた。
 しかし、ここからが魔の時間帯だった。加古川も交代出場で余力を残していた宮本が89分に左サイドから折り返すと、これを西口が決めて同点に。そしてアディショナルタイムの3分には、最終ラインでボールを持った眞野が相手をかわそうとした際にボールを奪われ、GK日野が上がっていたところを突かれて豪快なループシュートでそのまま決められた。前期の淡路佐野では4-0という完勝を演じることができたが、この日は攻めきれず、ペースこそ作りながらも試合巧者になれず惜敗となってしまった。

 結果的に順位は決まっていたが、しっかり勝って無敗でリーグを終えたかったのは本音。優勝祝勝会のこの試合の後に控え、なんとも寂しい負け方にはなってしまった。しかし、前向きにとらえるしかない。リーグ再開後は交代出場の選手が結果を出したり、良い動きを見せることで明らかにチームを鼓舞できていることは確か。特に3試合で2得点を演じた浜岡というベテラン選手の存在はチームに大きなものであることを改めてプレーで示してくれた。無論、シーズンを通して回顧すれば、11勝2分1敗、総得点42、総失点13というこの戦績は選手層のことを考えても評価されてもちろんだが、得点を生み出した選手たちが12人に上ることを考えると、まさに全員サッカー、全員攻撃を体現できたのではないだろうか。対照的に守護神・日野に頼るところが大きい守備陣の奮起はまだまだ必要。被シュート数が多かったことからも分かるように、まずはシュートを打たせない守備面の建て直しは今後の課題になる。それにしても、昨季の10月、KSLカップでの空中分解したような無様な負けっぷりが嘘のようで、今季の開幕前には「Div1残留」が今季の最大目標にもなりかねないと頭を過っていたことを思えば、昨夜のような盛大な祝勝会を迎えられたことは最大の喜びだろう。
 また、この試合で橋垣戸の得点をFKでアシストした吉田がアシスト王を決定づける今季7アシスト目。昨季の畑中(昨季限りで退団)に続き、2年連続でアシスト王の輩出となった。シーズンを通してそのスピードと段違いの正確なクロスで得点を量産してくれた。彼自身も町田、福島Uで満足に活躍できなかった鬱憤を晴らすかのようなパフォーマンスだった。
 残念だったのは、トップに1点差で牧が得点王を逃してしまったこと。これは悔しい。祝勝会でも本人が相当悔しがっていた。今季は6節から11節まで6試合連続で得点を叩き出してくれるなど驚異的なペースでゴールを量産したが、再開後はまさかの無得点と失速。檜山とのコンビは相変わらず観る者を魅了するコンビネーションだったが、周囲を引き立てる脇役に終始してしまった。その分も是非とも地域決勝の舞台で暴れて欲しい。

 シーズンを勝利で締め括ることはできなかったが、優勝というかけがえのない経験を手にした。果たして関西リーグの卒業試験、そしてJFLへの入試となる地域リーグ決勝大会で、この集大成を見せられるか。この秋、より一層のリファインを経て、次の公式戦であるKSLカップを迎えられるようにして欲しい。まだ奈良クラブのシーズンはここからが正念場だ。

遠かった1点 -vsTOJITSU滋賀FC-

2011年09月19日 | 脚で語る奈良クラブ
 関西リーグは残り2節となり、18日に奈良クラブは、TOJITSU滋賀FCと第13節をビッグレイクにて対戦。優勝を決めて更に連勝を伸ばしたい奈良クラブだったが、1-1の引き分けで試合を終えた。TOJITSU滋賀FCは負ければ来季からのDiv2降格が決まっていたが、この引き分けによりAS.ラランジャ京都との降格争いは最終節にもつれ込んだ。

 

 久々のビッグレイクでの試合。この場所は府県リーグ決勝大会時代から何度も奈良クラブが試合を行ってきた地。今季は初めてとなるBコートでのリーグ戦となった。無論、優勝が決まったことで、残り2試合のモチベーション維持はこれまでより難しい。TOJITSU滋賀には前期の鴻ノ池での対戦でも勝利こそしたが、再三決定機を作られて苦しめられた。そういう意味では厳しい試合になると予想された。
 奈良クラブは、前節途中からボランチで入り、今季初得点を決めた黒田を先発で起用。李をあえてベンチに置いた。いつもポゼッションの中核として全方位にボールを捌いてくれる彼をあえて不在にして、どこまでやれるかを試したのだろう。地域決勝に向けて、層の薄い選手層の中でいかに個々の経験値を積み上げるか、このメンバーで絶対勝てというメッセージは間違いなく込められていた。

 試合は、開始直後にこの日キャプテンマークを巻いた檜山が惜しいシュートを早速放っていくが、案の定TOJITSU滋賀も序盤からアグレッシブ。ホームで負ける=降格するわけにはいかないということもあって、フィニッシュはシュートでという意識は高い。TOJITSU滋賀の岩田のシュートがポストに当たってかろうじて失点を逃れる場面もあった。奈良も黒田、三本菅が高い位置でボールを奪って、右サイドの蜂須賀、左の辻村剛に繋いでチャンスを作る。31分には、吉田の左CKから橋垣戸が完璧なタイミングでヘッドを合わせて先制点を奪った。
 しかし、36分にはTOJITSU滋賀がDF上田のパスに土岩が反応して抜け出し、シュートを決めて同点。こちらの先制後の守備の緩みを巧みに突かれた。前半を1-1で折り返すことになる。

 後半に入ってもTOJITSU滋賀の集中した守備を崩せない。今季は、2節のアミティエ戦、8節のラランジャ戦、11節の阪南大クラブ戦と、先制点を奪われても試合をひっくり返してきた。明らかに1点を争うこの試合でも次の決勝点を狙うのはこちらだという気迫を見せて欲しかったが、相手の運動量低下に合わせて回数が増えるダイレクトプレーも最後の最後でパスが繋がらない。自分たちのミスから食らうTOJITSU滋賀の鋭いカウンターに肝を冷やす場面が度々見られた。後半には吉田監督が「なんでお前たち1点を取りに行かないんだよ!」と激高する場面も。TOJITSU滋賀のスピードある飛び出しを警戒するあまり、積極的なアタックが影を潜めがちになった。シュートの打てない後半は非常に長く感じられた。
 それでも、前節初得点の浜岡、そしてスピードのなる嶋を投入して最後まで狙い続ける。後半終盤に嶋がGKと1対1の場面を迎えたが、わずかに決められない。両チーム死力を尽くした試合は1-1のドローで終えることとなった。

 双方ベストを尽くした良いゲームになった(試合終了後の辻村剛の一発退場は想定外だったが…)。勝ちたかったのは本心だが、何よりTOJITSU滋賀の残留への執念がそれを阻んだ。しかし、11月から臨む地域決勝のことを考えると、これを弾き飛ばせるほどの決定力と構成力が欲しいところでもある。13試合に渡ってリーグで負けていないことは非常に評価できるが、10月にほとんど公式戦を戦えないことを考えると、これまで以上に結果、内容にこだわって欲しい。残留をかけた相手の気迫に決勝点が奪えないようでは、まだ地域決勝を勝ち抜くことはできない。来週の最終節は、2位・加古川との試合(@桃源郷)。加古川も全社、そして補充枠という点でまだ地域決勝進出のチャンスはある。前期は圧勝できたが、もちろん後期も内容、結果ともに圧勝で今季のリーグ戦を王者らしく締め括って欲しい。

優勝、フロックではないこの力 -vs三洋洲本-

2011年09月12日 | 脚で語る奈良クラブ
 関西リーグがいよいよ再開。奈良クラブは、後期第12節ということで先週の天皇杯1回戦で敗戦を喫した三洋電機洲本と三木防災陸上競技場にて対戦。7-0という圧倒的なスコアで完勝。Div2を優勝して以来2年ぶりとなるリーグ優勝で、Div1は昇格してから2年目にして初優勝。昨季の王者からリーグ王者のタイトルを奪取することに成功した。

 

 5月にリーグ戦の前期で五色にて戦い、初めて三洋洲本から白星を挙げた奈良クラブ。8月には、この日と同じ三木防災のスタジアムで、「奈良県選抜」と「兵庫県選抜」として対戦。0-2のビハインドからアディショナルタイムに追いつき、PK戦では日野の大活躍もあって勝負には勝った。しかし、この2勝を遥かに忘れさせてくれる強さを取り戻して、昨季の王者は先週奈良クラブの前に立ちはだかった。雨の橿原でのあの敗戦は、1-3というスコア以上に、昨季JFL入替戦まで進んだ三洋洲本の屈強さを見せつけてくれた。それはまるで「お前らの実力なんてフロックだよ」と訴えるかの如きものだった。

 
 この大一番で檜山が大活躍を見せてくれた。

 1週間後の再戦となったが、やはり脳裏にはこの天皇杯での敗戦がすぐに想起され、順位こそ奈良の方が上であるものの、逆に「挑戦者」という形は否めなかった。選手たちのメンタルに三洋洲本に対する変な苦手意識が植わっていないか少し心配にもなったが、こんな考えが全く杞憂だと思わせてくれるのに時間はかからなかった。
 奈良クラブは、先週の天皇杯で矢部が負傷し、この試合では蜂須賀が5試合ぶりの先発で中盤に入った。選手層の薄さもあるが、結果的に大幅なテコ入れなど不要。この日は選手たちの気迫が違った。まず9分に辻村剛が易々と先制点となるシュートを決める。先週は立ち上がりの同じ時間帯に先制点を許し、試合の流れに大きく響いた。序盤から不安定な入り方をする悪癖がここ最近では目立っていたため、この先制点は序盤からチームを上昇気流に乗せてくれた。4分後には、蜂須賀がエリア手前左手から左足で豪快にシュートを決める。これでかなり楽になったが、33分には再び辻村剛がGKとの1対1を制して3点目を決めた。前半を3-0で折り返せるとは良い意味で想定外だった。

 
 前半、チームに勢いをもたらした辻村剛。
 さすが関西Div2の得点王。得点力は非凡。

 とにかく面白いようにパスが繋がる。相手のプレッシャーが緩いわけではないが、先週の三洋洲本に比べると少し元気が無いようにも思えた。しかしながら、先週の天皇杯でもシュート数では15対8と奈良クラブが上回り、決定機はいくらでも作れていた。ポストやバーに3本ほど嫌われた場面があったが、もしかしたら「運」の有無ということで、あの敗戦は片付けられるのかもしれない。それぐらいの勢いでパスワークの精度に圧倒的な差を見せて、後半も奈良クラブは得点を重ねていった。
 後半開始直後に檜山がシュートを決める。牧との完全に息の合ったパスコンビネーションで三洋洲本の守備陣を崩した。この4点目が既に試合を決めたといえるが、ピッチの中で走る選手たちは更にゴールを渇望する。後半に入ってギアが全開になってくるいつものサッカーはこの試合でも健在。ダイレクトパスがこれほど相手エリア前で繋がれば負けることはない。83分には、途中出場で右サイドの高い位置でプレーしていた浜岡が檜山の折り返しを中央で決め5点目を奪う。88分には同じく途中出場の黒田も今季初得点となるシュートを決めた。アディショナルタイムに入ってラストワンプレーというところで檜山がとどめの7点目を決めて試合は終了。初のDiv1優勝を派手な得点劇で締め括った。

 
 今ではすっかり古参選手だが、蜂須賀は今季最高のプレー。
 待ちに待った今季初得点を決めてくれた。

 先週の試合を振り返ると、「気迫」という言葉でしか勝因を分析できないような見事な大勝劇。そして同時に最後までワクワクさせてくれたエンターテイメントとしても最高の試合だった。浅野や成瀬という主力選手が帰還して昨季のメンバーが復活した三洋洲本にこの完璧な試合運びは、一体リーグ戦以外の夏の苦戦の連続は何だったのかと悩ましくさせてくれると共に、これから「地域決勝」というチーム未踏の舞台へと挑戦する強い意志表明にも思えた。ピッチで戦う選手の誰もがJFLを目指してプレーしている。一つ一つのプレーでもう一つ上のレベルを意識してやってくれているようだった。「今年はチームのほとんどが仕事を変えたり、生活水準を落としてまでサッカーに賭けていたので、自分の中では優勝して当然やし、正直なんの驚きもありませんでした。」と辻村剛が公式でコメントを残しているように、皆がここでのサッカーに人生を懸けている。その結果が気持ちとして、プレーとして最大の結果をもたらしたのだろう。本当にサポートする側として敬意を表すると共に、選手たちを労いたい。

 
 奈良クラブの司令塔としてパスワークの中心に君臨する李。
 ノッている時のキープ力は凄まじい。

 さて、2試合を残しての優勝を果たしたが、来月は全社出場を逃したチームにとっては公式戦の激減する期間となる。勝負はここからだ。リーグ戦は「無敗」に拘って残り試合に挑んで欲しいし、これ以上のブラッシュアップを地域決勝までに求められる。正直、リーグで戦っているどのチームよりも強豪が集まるこのカテゴリー最大の舞台。全国の強豪クラブと比較しても、3年前の府県決勝を勝ち上がった際のような突出した強さはここでは期待できないだろう。どれだけ「勝利」に拘れるか、この試合のようなメンタルを発揮して挑んでいかなければならない。