あしたのブログ!趣味や日々の報告ページ

このページを活用し趣味や日々のことなどを中心に報告しています。

マイルス・デイビスの2枚

2013-03-01 | JAZZ
マイルス・デイビスの数あるLPの中に、日本での企画盤が2枚あります。
この2枚はいずれも1970年代に購入しましたが、いまでも時々聴いています。

マイルス・デイビス(1926年5月26日 - 1991年9月28日)
イリノイ州アルトンで生まれ、翌年イースト・セントルイスへ転居する。
13歳で父親からトランペットを買ってもらい演奏を始める。
18歳の時、セント・ルイスにやって来たディジー・ガレスピーとチャーリー・パーカーとの共演を果たし、その直後ニュー・ヨークへ出て、ジュリアード音楽院に入学するも途中退学し、チャーリー・パーカーを探し当て、約1年間生活を共にする。
1945年に、ライオネル・ハンプトン楽団に所属していたハービー・フィールズの録音に参加したのが、初レコーディングとなる。

マイルスがリーダーとなったレコーディングは、レーベルだけでもプレステッジ、ブルー・ノート、コロンビア、ワーナーと数多く(他にフォンタナなどもあり)ありますが、比較的初期の録音の中に、日本企画で編集されたアルバムが2枚あり、マイルスのアルバムの中では良く聴く部類のものです。
そして共に名盤であり、多くの方々が色々述べていますので、詳細解説はいりませんよね。

まずは1954年12月24日に録音された「MILES DAVIS AND THE MODEAN JAZZ GIANTS」で、「歴史的クリスマス・セッション」と言われているアルバムです。
このオリジナル・アルバムは、プレスティッジの2枚に分散されていますが、その昔、日本ビクターが1枚に纏めて発売しました。
これはモノラル録音で、音の状態も良いです。
ジャケットの写真はこの録音から10年後の、1964年の日本の来日公演時のものと思われます。
だとすると、「マイルス・イン・トーキョー」のモノクロのジャケット写真で有名な、内藤忠行さんのフォトということになりますかね。
内藤忠行さんは、マイルス・デイビスに憧れて写真家になった人で、数々のマイルスの写真や、アフリカの自然などのものもあります。

このLPに収録されているA面、B面の曲目は、レーベルに記載されています。
  
MILES DAVIS(tp) MILT JACKSON(vib) THELONIOUS MONK(p) 
PERCY HEATH(b) KENNY CLARKE(ds)

なお、オリジナル・ジャケットは以下の通りです。
  
左側のバグス・グルーブには、その名の通りのテイク1と2が、そして残りは右側のモダン・ジャズ・ジャイアンツに入っています。
モダン・ジャズ・ジャイアンツというタイトルからして、その名に恥じぬピアニストのセロニアス・モンクや、ジョン・ルイスを除いた初期のMJQの面々など、錚々たる人達ばかりです。
そして曲目の中で、バグス・グルーブとザ・マン・アイ・ラブの2曲は、それぞれテイク1と2の2曲ずつが入っていて、聴き比べもできます。
また、マイルスがモンクのバッキングでは吹きにくいと言ったとかの話で、その因縁の内容もたっぷり詰まっていて、非常にスリルがあります。
全体を通して聴いてみると、確かにモンクのピアノとマイルスのトランペットでは、ソリが合わなかったことも納得できます。

モンクはテナー・サックス奏者の方が相性が良かったようで、ソニー・ロリンズ、ジョン・コルトレーン、ジョニー・グリフィン、チャーリー・ラウズとのセッションでは、いずれも好演奏をしています。
但し、ソニー・ロリンズ(Blue Note Vol.2)だけは、自身のブルー・ノートの2枚を含め全てリーダー・アルバムであるからして、当然かもしれません。
一つだけ例外は、クラーク・テリー(flh)がリーダーとなり、リバーサイド・レーベルに吹き込んだ「In Orbit」(RLP 12-271)です。
ここでのクラーク・テリーはモンクの先輩格だったようです。
 
CLARK TERRY(flh) THELONIOUS MONK(p) SAM JONES(b) PHILLY JOE JONES(ds) 
1958年5月7日、12日録音

それからもう1枚のマイルス・デイビスは、「THE MILES DAVIS SEXTET」と「1958 MILES」です。
こちらは日本のジャズファンのために特別に編集された正真正銘の日本企画盤です。
このアルバムはタイトルからも分かる様に、当時のレギュラーグループの1958年の演奏が収められています。
元来これらの曲は、いくつかのアルバムにバラバラに入っていましたが、これを1枚に纏めて発売されました。
当初は左側のマイルスの写真のものが、その後は池田満寿夫の書いたイラストのもので発売されました。
このアルバムの1958年は、ビル・エバンス(p)がマイルスのバンドに参加した初めてのレコーディングが収められていて、その後エバンスの出番は1年後のカインド・オブ・ブルーまで続くことになります。
但し、2枚のアルバムの内容は少し違います。
  
最初に発売されたマイルスの写真の方は、LPのB面に1958年5月26日の録音が3曲、そしてA面には同じ年の7月3日のニューポート・ジャズ・フェスティバルからの4曲となっています。
一方、イラスト画のアルバムの方は、5月26日の録音の完全盤で4曲+1となっています。
ここでその4曲とメンバーを紹介します。
1. ON GREEN DOLPHIN STREET
2. FRAN - DANCE
3. STELLA BY STARLIGHT
4. LOVE FOR SALE
MILES DAVIS(tp) JOHN COLTRANE(ts) JULIAN CANNONBALL ADDERLEY(as) 
PAUL CHAMBERS(b) JIMMY COBB(ds)

1曲目のオン・グリーン・ドルフィン・ストリートはエヴァンスのフリーなピアノ・ソロで始まり、やがてベースがピアノの左手のフィギアに沿ってリズムをつけ、その後マイルスがミュートでテーマをなぞり、アドリブに入って行くという構成で、次に出てくるコルトレーンも、続くキャノンボールのアドリブも甲乙つけがたく、非常に洗練された好演奏だと思います。

また7月3日のニューポートでのライブは、「MILES & MONK AT NEWPORT」というタイトルで、セロニアス・モンクとのカップリングで発売されましたが、現在は各々別々でも出ています。

ここも6人編成で、メンバーは同じです。
そしてCDに入っている曲目は以下の完全盤となっています。
1. INTRODUCTION
2. AH - LEU - CHA
3. STRAIGHT NO CHASER
4. FRAN - DANCE
5. TWO BASS HIT
6. BYE BYE BLACKBIRD
7. THE THEME         

こちらはライブだけあって、ハードな内容となっています。
そしてこちらの2枚は、ビル・エバンスが参加した重要な時期のスタジオと、ライブの両方が聴ける貴重なアルバムです。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ジョニー・ハートマンに出会... | トップ | ハンガリーのジャズ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

JAZZ」カテゴリの最新記事