羽海野チカさん原作のマンガ「ハチミツとクローバー」にこんなシーンがありました。
主人公はぐが大怪我で絵を描くことができなくなった時に、彼女を治すことに自分を捧げる決心をした花本という男性がこう言います。
「女で世に出た芸術家がどのくらいいると思う?」と。
これから大変な道のりを歩む覚悟を表した言葉なのですが、確かに歴史に名を残した女流画家はそれほど多くありません。
西洋画家である程度評価が固まってる中ではフリーダ・カーロとマリー・ローランサンくらいでしょうか。
しかし、これまで女性の芸術家が少なかった理由は男女差別のせいでも女性に芸術的才能がないからでもありません。
その「美」に対する態度の違いにあります。
芸術を「美」を追求することだとすれば、人間は一般的に男性より女性に「美しさ」を求める傾向があります。
そこで男性は美を対象として求め、女性は美を自分自身に投影することが多くなります。
ですから、絵や音楽など何か自分なりの想いを作品という対象に投影するのは男性に多くなるというわけです。
また、女性は美を自分自身や身近なものに表現することを好む傾向があります。
服や化粧はもちろん、部屋を綺麗に飾ったり、食事の彩り豊かにしたり、庭に花を植えたりと心豊かです。
その点、一般的な男性の感性の貧しさは、独身男性の一日を追えば他に言葉はいりません。
男性画家でさえその美しい絵とは対照的にアトリエは汚かったり身なりに無頓着な人がほとんどです。
(そういう意味では仕事として一点集中型に取り組みたがるのもオタク気質の男性の特徴と言えます)
それに日本画家に限って言えば女性で名を成した方もかなりいます。
上村松園さんと迷いつつ、インパクト重視で片岡球子さんをご紹介して今回の記事を締めくくりたいと思います。
素晴らしい絵をご紹介すればするほど普段の拙すぎる挿絵との落差が半端ないことに…
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