アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

南の川から(気まぐれダイアリー)5月16日

2024-05-16 | 南の川から(気まぐれダイアリー)2024

 おはようございます。四万十は、晴れ。

「風がひやいねぇ」「ひやいっすねぇ」

チャリを走らせながら、散歩中のおんちゃんとアイサツをかわし、沈下橋へ。

朝っぱらの川は、北よりの風がビュウビュウと強く吹いています。

水面には、白ウサギが飛 び、止めた自転車は、吹きたおされ、キャップは、被ってられないほどの。

おーさぶい、冬かよ・・・。ぷるぷる。

うっかり薄着できてしまったさのは、はやばやと川から退散したのでした。

今日の最低気温は、14、0度。

冷たく強い風が吹く今朝の川は、冬のような風情が感じられました。

でも、季節はちゃんとすすんでいて、

昨夜の川には、ふわりふわり飛ぶホタル(ゲンジボタル)の光りが、チラホラと見られました。

南国四万十は、ホタルの季節となりました。

ホタルの光りの川を、カヌー(カナディアン)で下るのもオツな季節に。

 

 最高気温21、1度。午後も晴れ。

♪風が強い日 雲が流れてく 手をのばせば 届きそうな空に 鳥の群れが 遠ざかってく♪

今日は、風曜日。

吠える風は、ベランダの手すりに干した布団もふっ飛ばしていきました。あらら。

 

風の通り道でもある川は、強い風が吹くコトもおおく、風向きは、季節によって変化します。

晩秋~春は、北よりの風(西~北東)が、初夏~秋は、南よりの風(東~南西)がよく吹きます。

*季節によっては、朝と日中で風向きが変わるコトも。雨や曇天、秋の川は、風が凪ぐことがおおい。

 

あたたかい季節の南よりの風は、カヌーには向かい風です。

夏の平水時の四万十川下りは、長いトロ場(流れがゆるいところ)に吹く向かい風のなか、

わっせわっせとパドルを漕がないと、なかなか思うように下っていけないコトも多おおい。

そんな、夏風とトロ場が、距離を稼がせてくれないときの川では

・カヌーの距離を短めにする・川遊びの時間を長くする、とより楽しく遊べますよ。

 

先日(5月14日)のツアーも、昼から強い向い風に吹かれましたが、

14日の川は、いつもより水位が高く、流れがはやく、

あまりパドルを漕がなくても、スイスイ快適にくだれるので、長い距離をくだりました。

R1A(江川崎スタート1日コース)。最高気温28、2度。漕行15キロ。

 

自然のなかを流れる川は、天候、風、水量などの要素により、刻々と表情をかえます。

人間の都合には、あわせてくれません。

自然が(マザーネイチャーが)、ドラマをすすめていくのです。

 

*画像は、5月14日撮影。


感じるココロと5月の空

2024-05-16 | ・最新のお知らせ・イベントなど

 *2010年初夏に書いた雑文です。書き直し雑文、期間限定公開です。

  最高気温25度。

 アップル社の携帯情報端末「ipad」が日本でも販売され、大きな話題となってますね。

もうひとまわりボディを小さくし、

防水性と耐ショック性能にすぐれた野外仕様の「ipad」があれば、僕もほしいと思います。

野外仕様の「ipad」は、山、川、海でフィールドワークをする時に、なかなか使えそうです。

今までは、背中のザックが、数種類の図鑑類でふくれ、重くなってしまった。

しかし、「ipad」なら、ボーダイな情報や画像をコンパクトに携帯できるので、身軽になるし、

樹木の名前、生き物の生態、特徴などをスバヤク調べることができ便利そうです。

 

 「ipad」は、ネイチャーガイドをするときも、

その場で、参加者に画像や音を使った説明が出来るので、とても役にたちそうです。

だけど、野外でこのような便利な情報を携帯するときは、気をつけないと便利な反面落とし穴も。

それは、「頭は知っているつもりになり、体とココロでの感じかたが浅くなる」というコト。

便利な情報がすぐそばにあることで、それにたより安心し、

実際に目の前にある物、現象をよく観察せず、感じず、なんとなく知ったつもりになってしまう。

「だいたいで覚えておけば、あとでいくらでも調べられるさ・・・」

しかし後には、薄い記憶しか残っておらず、知ったはずの名前もうろ覚えでしかなかった、という結果に。

それは、自然観察会などの参加者が「この花の名前は?この木は何て名前?」と、

ガイドに無邪気に質問するけど、あとで聞いてみると、

参加者は、聞いたものの名前をあまり覚えていない、というケースと少しにています。

 

 僕がその落とし穴に落ちないように気をつけていること。

それは例えば樹木の場合。

まずはフィールドノートに、葉、花、樹形、樹皮の特徴をメモし、スケッチする。

そして、触り、匂いをかぎ、五感も使いその樹木の印象を記録&記憶する。

それから、その場では「テキトーな名前」をその木につけてみる。

実際に図鑑とその木を照らあわせるのは、そのあとに。

そのようなやり方をすると、比較的、その木の名前や特徴は記憶に残りやすいようです。

(その後・他の人に説明する・書き出す、などアウトプットするとより効果的に)

まぁでも、僕の場合は、もっと根本的なモンダイがあって、

それは、「三歩歩いたら忘れてしまう、鳥頭」ってコトなのでした。



 「知ることは感じることの半分も重要ではない」

海洋学者で作家でもあったレイチェル・カーソンさんは、

その著書「センス オブ ワンダー」中でこう言っています。

 

 『妖精の力にたよらないで、

生まれつきそなわっている子どもの「センス オブ ワンダー」をいつもたもちつづけるためには、

わたしたちが住んでいる世界のよろこび、感激、神秘などを子どもと再発見し、

感動を分かち合ってくれる大人がすくなくともひとり、そばにいる必要があります。

多くの親は熱心で繊細な子どもの好奇心にふれるたびに、

さまざまな生き物たちが住む複雑な自然界について自分がなにも知らないことに気づき、

しばしば、どうしてよいかわからなくなります。

そして、「自分の子どもに自然のことを教えるなんて、どうしたらできるというのでしょう。

わたしは、そこにいる鳥の名前すらしらないのに!」と嘆きの声を上げるのです。

わたしは、子どもにとっても、どのようにして子どもを教育すべきか頭をなやませている親にとっても、

「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。

 

 子どもたちがであう事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生み出す種子だとしたら、

さまざまな情緒やゆたかな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。

幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。

美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知なものにふれたときの感激、

思いやり、憐れみ、賞嘆や愛情などのさまざまな形の感情がひとたびよびさまされると、

次はその対象になるものについてもっとよく知りたいと思うようになります。

そのようにして見つけ出した知識は、しっかりと身につきます。

消化する能力がまだそなわっていない子どもに、事実をうのみにさせるよりも、

むしろ子どもが知りたがるような道を切りひらいてやることのほうがどんなに大切であるかわかりません』

以上「センス オブ ワンダー」から引用。

 カンフーの達人ブルース・リーさんもその極意を、「ドント・シンク!・・フィール」と言ってますし。

結局、便利な情報が身近にあふれていても、それを使う側に、

まずは感じるココロがなければ、それを充分には生かせない、ということかもしれませんね。

 「今日の空のようにどんより曇っている僕のココロ」は棚に上げといて・・・。

ぼんやりと5月の空を眺め、そんなことを考えていた午後でした。

 

 「自分のカメラで撮ることに集中してしまって、その瞬間の景色が、心象があまり記憶に残らない・・・」

そのようなコトにはならずに、四万十川を、ツアーを、全身で感じて楽しんで欲しい。

そのような思いから、アークツアーでは、出来る限りこちらのカメラで、皆さんの様子を撮っています。