アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

春の小さな嵐

2010-04-27 | 四万十川 春

のち

 春の小さな嵐が、四万十の夜を駆け抜けてゆきました。

吹きすさぶ風と家を叩く雨音にココロを揺すられた僕は、うつらうつら浅い眠りの夜をすごす。

この大雨で、四万十川は増水です。

 

 13:20分現在。上流の窪川で、総雨量200㍉。

家地川&津賀ダム併せて720㌧の放流。

水が水を集めて、川は、約2メーターの増水(我が家付近)。水はコーヒー牛乳色。

 

 これから夜にかけて、水位はまだ上がってゆくもよう。

でも、この増水のおかげで、GW中盤~後半にかけては良い水量の川を楽しめそうです。

ザンネンながら、水の透明度は悪そうですが・・・。

剥き出しの風、水、陽に近い、四万十川ほとりの暮らしです。


夜の静けさのなかで

2010-04-25 | 四万十川 春

 最高気温20度。

 風さわやかな五月晴れの朝です。

開けていたベランダのガラス戸から、2羽のツバメが部屋に入ってきました。

ツバメは、いきおい良く飛びこんできたのではなく、

(まるで自分達が長年住んでいた巣に戻るかのように)

自然な感じの羽ばたきで部屋に入ってきたのです。

 

 彼らは、部屋の天井に張られた登山用ロープにとまり、(雨天時洗濯物干し用)

しばらく部屋のようすを探っていた。

が、やがてその下で布団に包まり惰眠をむさぼっている僕を見つけると、

「やれやれ」といったかんじで部屋から空に羽ばたいていきました。

 

 幸福を運ぶツバメちゃん、ザンネン・・・。ここは、カヌーオヤジが先に巣を作っていたのだよ。

しかし、同じ鳥類でも、部屋にまっしぐらに飛び込んできて、

ドスンと壁にぶつかって気絶したウグイスとはえらい違いだなぁ(過去に2回)。

 

 風薫る5月。

いよいよ来週から皆さんお待ちかねの大型連休となりますね。

四万十へ車でお出かけの方々。

対向車とのすれ違いが困難な酷道441号は、車で大変込み合います。

この区間は、地図で見るよりもずいぶん時間がかかります(江川崎~口屋内間)。

時間には余裕を持って、ハンドル・ウィズ・ケアです。

 

 さて皆さん、四万十ではどんな遊び方をしますか。

昼間はカヌーなどで楽しんで、夜は飲食店や宿でのんびりビールタイム?

それもいいけど・・・でもせっかく、まだ自然濃い四万十にきたのなら、

夜はライト片手にぶらぶらと夜の川辺を散策したり、

夜空をながめたりするのもなかなか良いですよ(雨でなければ)。

 

 四万十の夜の自然の楽しみかたは

・深い闇に包まれた夜の川原でねころがって、夜空の月や星をながめる。

・川の浅瀬をライトの明かりで照らして、目が赤くひかる手長エビをさがす。

・焚き火をかこんで酒を飲み、姿を変えつづける火と夜のしじまに心と耳をすます。 

・甲高く鳴くシカやタヌキや夜の鳥の泣き声など、夜の生き物の声をきく。

・自販機の光や大きな橋の水銀灯はライトトラップ、そこで昆虫採集をする。

 クワガタやカミキリなどのスター達もやってきます(夏場)。

・沈下橋からホタルの光をながめる(四万十川でホタルの光りが見れるのは、5月半ば頃~6月半ば頃)。

 

 でも、くれぐれもよっぱらいの千鳥足で散策して、沈下橋から川に落ちないように。

夜の自然にキバを向かれないように。まれに車も沈下橋から川に落ちたりしてますし・・・。

都会とは一味ちがう、四万十の夜の自然も、ぜひ楽しんでみてくださいね。

 


つかの間の夏日

2010-04-21 | 四万十川 春

のちのちのち 最高気温21度。

 山と海に囲まれ東西に長い高知県、その海岸線は713キロ。

四万十川流れる西部は「幡多地域」と呼ばれ、県中部や東部とは言葉や文化が若干異なります。

 

 そして昨日と今日の中部と西部は、天気も違ったようです。

ここから東へ120キロほど離れた高知市は、よく晴れ25℃の夏日(今年初)。

一方、西の四万十は、湿っぽいくもり空。

それでも今日の午前中の3時間だけは、太陽が顔を見せてくれました。

チラリ顔を見せてくれた太陽は、もう夏の光。

湿ってもわんと暑い空気に、若草と花が甘く濃く香っています。

 

  雨に濡れた若葉が陽射しにキラキラと輝いています。

僕は、束の間の青空をムダにしないように、えいやっ!と洗濯を2回戦、布団も干す。

その後、短パン一丁でハダカの上半身を太陽にジリジリと焼きました。

今年初の夏の陽射しがたまらなく嬉しい。やはり暑い方が大好物のビールも旨いですし。

 

 日向ぼっこをしていると、レンタルカヌー屋の平塚さんから電話です。

(かれこれ20年以上も前に、東京から口屋内村に移住した平塚さん。

当時の四万十川はまだ無名で、カヌーで下る人なんてほとんどいなかった)

彼が代表を務めるレンタルカヌー「シマムタ共遊国」は、今年20周年を迎えます。

(20周年記念イベントやりましょうよ、平塚さん)

シマムタ共遊国

「もしもし、何しちゅう?忙しいがか・・・」と平塚さん。

「いやヒマ、暇。なにもしよらん・・・」と僕。

「わしは、久しぶりにカヌーで下りようがよ。今日は水量も天気もえいし、最高やぞ!うらやましいやろー」

「うーん、いいなぁー」

 

 川は、水量、気候、風、景色の組み合わせにより、毎日ちがった表情を見せます。

本当に良い条件がそろった時の川を下れるコトは、あんがい少ないもの。

でも、しょっちゅう川を下っているガイドの僕には、

今日の川の素晴らしさと川下りの気持ち良さは一瞬でわかりました。

そんな川の自然には、陸から見てるだけや、エンジン付きの船やボートでは味わえない部分があります。

 

 でも、カヌーに乗って人力で漕ぎだせば(カヌーを道具に全身で川と遊べば)、

時に川は、僕たちにその自然の神秘な部分を見せ、味あわせてくれます。

それは、いつもとは少し違う新しい世界と経験です(もちろん、センス・オブ・ワンダーな心は必要ですが)。

 

  結局、今日の太陽は3時間しか顔を見せませんでした・・・。

やがて、雨雲が音もなく空をおおえばポツポツと雨が。

あわてた僕は、布団とまだ半乾きの洗濯物を大急ぎで部屋に取りこんだのでした。


春のフラワーズ

2010-04-17 | 四万十川 春

 最高気温19度。

 この春は、全国的に天候不順となってますね。

春のあたたかさが一転、昨日と一昨日は、四万十も冬のような寒さに・・・。ぶるぶる。

電気ストーブをひっぱり出した僕は、毛布に包まって「1Q84」Book3を読む。

 

 例年並の気候なら、晴れた日の四万十はもう初夏の陽気。

ほどよく暑い陽射しをたっぷり浴びながら僕は、

短パン一丁で「プハァー」とビールを飲み、本を読んでいるのですが。うーむ。

良く晴れたけど、肌に冷たい北風が

ビュービューと強く吹いた今日は、コイノボリたちもじつに寒そうに風に泳いでます。

*今日は四万十の春の花達を撮ってみました。

春山を一際紅く彩るオンツツジ。

あけび

シイの木の花。もうすぐ開きそう。

生まれたての若葉はこんな色。アラカシ。

春の川岸を彩る、岸ツツジ。そろそろトサシモツケも咲き始めます。

もうすぐ山は、シイの木の黄色い花に染まります。

マルバウツギ

ココブ?

花を見てると心が落ち着きます。

花と新緑の甘い薫り。

春~初夏の四万十川をカヌーピクニックしませんか。


春の川ゆらり

2010-04-10 | 四万十川 春

時々 最高気温20度。

 日ごと移りかわる新緑の山の色は、見ていてあきることがありません。

風は、一雨ごとにぬくさを増し、深呼吸する空気には、緑の香りが濃くなってきました。

春は、もう一つの落ち葉の季節。

シイやカシの落ち葉が吹き溜まった山道を、紫色のフジの花がひときわ鮮やかに彩ってます。

 四万十川は、昨日のまとまった雨で少し増水しました(上流の窪川で総雨量150㍉)。

都賀ダム&家地川ダム併せた放流量は、約300㌧(四万十川にはダムがあります)。

川は、1、5メーター程の増水、サンドベージュ色の水の流れ。

 

 ♪うつろな心は 遠い空のはて♪

春の午後、コーヒー片手に春の空と濁り川をぼんやりと眺めていたら、

なんだかむしょうに旅に出たくなりました。


若葉とカヌーピクニック

2010-04-05 | 四万十川 春

のち 最高気温19度。

 ♪ 2222年 空がまだ青いなら 君と2人ピクニック サンドイッチとコーヒー ♪

byチューリップ「2222年ピクニック」

 

 春にぴったりのナンバーがラジオから流れてきました。

風があたたかく、新緑が美しい春~初夏は、ピクニックも楽しい季節ですね。

・おにぎり・お茶・ビール・つまみをカヌーに積んでGO!

春の光の中、風や鳥の歌を聴きながら、四万十川でのんびり「リバーピクニック」しませんか。

 某日。空は花曇り、川は春にごり、の四万十。

サクラの花を長く楽しませてくれた花冷えもようやく収まりました。

四万十に春らしいあたたかさが戻ってきたのです。

 

 山ではウグイスが、川ではカジカ蛙がニギヤカに歌っています。

ピンクの花びらが、瀬おわりの小さな渦で群れている。

春の里山を、芽吹きたての若葉、咲きたての野花が素朴にいろどっています。

日々変化してゆく春の空とやわらかな新緑の世界。

春は、そんな景色をベランダでぼんやりと眺めながら、半日を過ごしてしまいます。


 某日。半日ほど家を留守にして戻ると、

玄関先に「モンベル」というアウトドアメーカーのカタログが2冊置いてありました。

カタログは、紙が水を吸いぶよぶよにふやけた状態。

住所を間違えた配達人が、近所の家にカタログを配達し、

それに気付いた近所の人が、わざわざ我が家まで届けてくれたようです。

今回で同じメール便の誤配は3回目。わおっ!

「うーん、確かに山奥でわかりにくい家ではあるのだが・・・」

*ちなみに誤配はクロネコさんのメール便。カタログは後日再送してもらいました。

モンベルは、「短足、胴太、大昔の日本人体系」の僕に合うサイズのウェアが豊富なので愛用してマス。

「街まで遠い田舎暮らし」でも、最近はネットショッピングが出来るので便利ですね。

 某日。我が家から見て、右ナナメ下に比較的新しく大きな2階建ての家があります。

その家には、僕と同じように他所から移り住んだ家族が暮らしていました。

が、僕がこの春四万十に帰ってきた時には、

お隣さんはすでに引っ越してしまっていて、その家は再び空き家に。

小耳に挟んだところでは、大家さんはその家を売りに出しているのだそうです。

時々見学らしき人がその家を訪れます。

 

 川の側に住むということは、川が大増水する時もあるというコトを知らないと怖い。

実際、隣家は4年前の大増水の時に、1階の半分位まで泥水に浸かってしまってます。

うーん、その事を見学に来た人にそっと教えてあげた方がイイのだろうか?

それとも大きなお世話かな?

僕としては、隣家が空いてた方が静かだし、人目がないので素っ裸で外をうろうろ出来て良いのですが・・・。

「2222年、空はまだ青いか?」