田中悟の片道旅団

大阪で芝居と弾き語りをしています。

えれじー

2009年08月01日 | 日記
俺はお前をボロと呼んでいる。

でもそれは、お前に対する当て付けなんかじゃなくて、

俺から俺に宛てた、批判のメッセージなのだ。

俺が手にするモノは、みんなボロである必要がある。

なぜなら俺が、しょぼい男だから。

俺は・・

俺に対してそう思ってるんだ。

しょぼい男に、高価な品は不釣合いってもんさ。

そんな俺に抱かれて、鳴くに鳴けずに、お前は俺からボロ呼ばわりされ続けてきたんだ。

ごめんよ、ギター。

でも、実際にお前の音は鳴くにも鳴けない、薄っぺらい音なのだ。

俺のせい?

一番分かっているのは、誰でもない、

俺とお前なんだけどね。

「暑いから夏は嫌だ。」

そんな愚痴を何年も繰り返しているうちに、年をとっちまった。

今更言ってもあれだけど、

あんまり愚痴は言うもんじゃないね。

腐って生きてても、神様は俺らにチャンスをくれる。

バカなもんだから、愚痴も忘れて小躍りさ。

そしてステージでこけちまって、我の愚かさにまた気付く。

チャンスを与えておきながら、神様は俺らを突き放しになられるのだよ。

我の愚かさを知るために?

いいや。

もっと自分を大切にしなさいと、神様は仰ってるんだよ、きっと。

救いは、人生とゆう長い時間にある。

もう彼これ何万回とお前を押さえたかも知れない。

CとかGとかFとかDとかAとか。

今じゃ無意識に左手が押さえて、右手がかき鳴らす。

その時だけ、

俺は少し自由になれるんだ。

おどけて唄えば、神様だって笑ってくれるさ。

なあ、ギター。

もう少しだけ、俺と一緒に遊んでくれないか。

俺の狂ったチューニングで。
コメント
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