田中悟の片道旅団

大阪で芝居と弾き語りをしています。

余った夏のナックルボール

2009年08月29日 | 日記


小学生の頃の僕は、ひ弱なモヤシっ子だった。(今もか)
そのコンプレックスを克服しようとして始めたのが少年野球。

どんどん夢中になってのめり込んでいったけど、ひ弱はひ弱。
他の子供達には全然かなわなかった。

ある日、キャッチボールをしていると監督が一言。
「お前、もっと肘を上げて投げてみろ。」
その通りに投げてみると・・ビシュッ!!
見たこともない豪速球が。
その瞬間のミラクルで、
僕はいきなりチームの速球派として台頭した。
何故かナチュラルにシュート回転する癖球だったけど。



あれから時間は流れて、今の僕は野球なんてしていない。
唐突に少年時代を思い出したのは、
淀川の河川敷で少年野球の練習を眺めていたからだ。

週末はここに来て、太陽の下で本を読む。
それが最近見つけた小さくて大きな幸せ。

赤トンボと鈴虫と推理小説。
余った夏と記憶のページ。

あぁ、野球がしたい。

もう昔の癖球は消えてるだろう。
今投げるとしたら、
人生の味が染み付いた、ゆるいナックルボールを投げてみたい。



コメント
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