第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作(過去の受賞作)。
おおらかな江戸時代を舞台に、ゆえあって妖(あやかし)たちに好かれ、守られている大店の若旦那の活躍と成長を描く作品。
以前から気になっていたシリーズではあったのです。
『後宮小説』と『バルタザールの遍歴』のインパクトが強いので、ファンタジーノベル大賞の作品は気になる賞でもありますし。
江戸時代で軽めの妖怪ものといえば、好きに決まってるよ、という感じで、そのため、かえって先送りになってしまい、今の今まで読まずに来てしまいました。
しゃばけ
著者:畠中 恵
発行:新潮社
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人気シリーズで、もう文庫で3冊。単行本なら6冊もでています。
もう少し冊数がたまってから~、などと思っていたら、あれよあれよと。
「しゃばけ倶楽部~バーチャル長崎屋~」というHPまであるのですから、すごいですね。
← 「しゃばけ倶楽部~バーチャル長崎屋~」へ。
ドラマ化にあおられてようやく読みました。
このシリーズがお気に入りのI嬢には、「変なイメージをつけられちゃう前に絶対読んどいたほうがいい」と力説されましたし、私としても、観る前に読みたい派です。
ぼんやりTVをつけておいたりすると、「放送まであと●日!」と登場人物勢揃い(なのかしら?)で盛大に宣伝されるので、見ないようにするのが大変でした。
それでも目に入ってしまうのが困ったところで…。
白塗りなところをみると屏風のぞきは宮迫か…とか。
う~ん。
手代のふたりはOKです。
…というか、それが目から刷り込まれてしまったので…。
読んだ後で、キャスティングをみてみると、お母さんの真矢みきとおばあさんの十朱幸代はまあまあ?
私のイメージでは木村多江さんと、浅丘ルリ子がイメージでしたが。
人外の存在といえば、浅丘ルリ子ですよ。
300年や900年くらいは軽く生きていそうです。
ドラマはどうなるかはさておき、『しゃばけ』。
おもしろいですね。
ファンタジーノベル賞にあわせてか、長編になっているので、物語の運びとしては多少間延びした印象がありますが、その分、病弱な若旦那の心情がきっちり書かれていて好印象。
自分は弱い。皆が心配して守ってくれる。でもそれじゃあいけない、強くなりたい、と。
幼馴染の栄吉とふたり、歳相応、立場相応の悩みを持ちながら、踏みとどまってがんばっているところが応援したくなるツボ。
身体は弱くても、気持ちは強い。若旦那、健気です。
まるでシリーズ化されることを見越して書かれたような作品ですねえ。
若旦那がいかに成長していくか、腹違いの兄の存在はどうなるか。
栄吉の餡子作りは上達するのかも気になります。
妖たちもかわいいですし。
妖からみの事件を解決というスタイルも、連作短編にはぴったり。
人気なのも、なるほどなるほど、な1冊でした。
ちなみに文庫の続刊はこちら。
年末年始に楽しむのにうってつけかもしれません。
ぬしさまへ
著者:畠中 恵
発行:新潮社
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ねこのばば
著者:畠中 恵
発行:新潮社
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むぎこは仁吉は仁科桔平のイメージでした
あばあさまは・・・浅丘ルリ子。確かに人外ですからありですねえ。
そうそうこの畠中さんってもともと漫画家さんだったそうですね
曽我めぐみというペンネームのようです
仁吉さんは色男がいいですものね
>曽我めぐみ
…存じ上げませんなぁ…。
曽根まさこならわかる…というのは古すぎる話でしょうか。
最近、昔読んでいたりぼんとかなかよしとかの作品が読みたくなったりしています。
家鳴り… 人形じゃなくて、だれか子供にしてほしかった…
『チャーリーとチョコレート工場』の映画のウンパルンパ人のように一人の子が演じて、画面に可愛い子家鳴りが一杯…なんて
横レス
曽我めぐみ…どんな作品を描いていたかは覚えていないのですが、この人、曽根まさこの妹だという噂がありませんでしたか?
家鳴りのイメージは
辺境警備の兵隊さんとか
よい子の時のグレムリン・・・
なので人形でもとっても出来が良ければ・・・
いかかでしょうきし様
しゃばけの話じゃなくてごめんなさい!
ワタクシ、子鬼じゃなくて、小鬼、ちゃんと鬼の姿だけど小さいから怖くなくてかわいいというイメージで読んでいたのです。風塵雷神図をもっとデフォルメした感じ。
…うわっ。かわいくない。人か人形か以前の問題で却下ですね
人なら座敷わらしっぽくて、いかにも家に憑きそうな感じもします。上戸彩のドラマの子役の子がいいです。あのもちゃもちゃ頭のままで、ぜひ。
とはいえ、実は、読んでみての感想として、ドラマ化はいかがなものか…と、ちょっとアンチ派です。
>姉妹?
えっ。そんな話もあるのですか。年齢にギャップがあるような気がしますけど…そうでもないのかしら。
女の子なのに王子として育てられていて、魔法で本物の男の子にされてしまうのですよ。で、一目惚れしていたお姫様と結婚までしちゃう。
私もそれを思い出して、つい最近、タイトルを調べたのでした。奇遇だねぇ。
しょうもないですね(^o^;)>poripori
ようやく読みました。なかなか面白かったです、現代版『聊斎志異』、大江戸幻想譚。主人公の名前が一太郎と来れば、どうしてもヒロインは花子を連想してしまうのは、パソコン・マニアの悪弊でしょうか。トラックバックしました。
花子、懐かしいですね~。最近、彼女をとんとお見かけしませんが、会社に入って最初の仕事が花子のマニュアルをコピーすることでした。今考えると違法ですね。
「しゃばけ」はシリーズ続行中ですが、先の楽しみにしすぎて、1冊目で止まってしまっています