昨日(20日)の「第4回生活扶助基準に関する検討会」を傍聴してきた。
早速
「基準引下げ確実」という報道(時期が来ればリンク切れ)(11月21日付「北海道新聞」)がなされている。
これまで4回の検討会を傍聴していても容易ならざる事態だという気がして、この事の重大さをどのように伝えたらいいのかという焦りのような感覚をおぼえてしまう。
そんななか、各地でこの動きに抗する集会が企画されている。
まずは大阪の集会のご案内。転送転載熱烈歓迎です。
(以下、転送転載歓迎)
みなさまご存じの通り、国・厚生労働省は生活保護のうちの生活費にあたる「生活扶助」の減額を図っています。厚生労働省内に設置した「生活扶助基準に関する検討会」で検討されていますが、議論は11月20日に開かれる第4回検討会で打ち切り(注・第5回が11月30日に決まりました)、12月の来年度予算に反映するという筋書きのようです。このままでは来年度より、基準額の算出方法を改訂した上で、生活扶助支給額が引き下げられることになってしまいます。
私たちは、遅まきながら大阪でもこの動きに反対の声をあげていきたいと思い、11月29日(木)に生活扶助の引き下げに反対する集会を開催することにしました。
集会は、在関西の生活保護に関連する様々な団体・個人・グループが意見やそれぞれの状況・課題をもちよりつつ、「生活保護の切り下げに反対する」一点で集約しています。母子家庭の当事者の方からの発言、野宿生活から生活保護を受けた方からの発言の他、生活保護利用者やその支援に係わっている様々な方々の発言を検討しています。また、木谷公士郎さん(生活保護問題対策全国会議事務局次長)に、厚労省の動きなどの全体的な問題点の指摘をいただき、吉永純さん(花園大学、公的扶助論)を講師に各種基準との関連を解説いただきます。生活保護を利用していなくても、あるいは利用することができないで、困窮した生活に苦しんでいる方々からの発言も求めていきます。
生活保護の切り下げに大阪・関西からも反対の声をいっしょにあげていきましょう。
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生活扶助の切り下げに反対する緊急集会
日時:11月29日(木)18:30~
場所:エルおおさか606室(京阪・地下鉄「天満橋」西へ徒歩5分)
資料代:500円(収入の少ない方はかまいませんので、受付で遠慮なくおっしゃってください。)
発言:木谷公士郎さん(生活保護問題対策会議事務局次長)、吉永純さん(花園大学准教授、公的扶助論)、シングルマザー、元野宿者などの当事者
主催:同集会実行委員会
呼びかけ人:小久保哲郎(生活保護問題対策全国会議事務局長)
中野冬美(しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西)
井出窪啓一(なかまユニオン)
中桐康介(釜ヶ崎パトロールの会)
今までより多く税金を納めないといけない
安い時給の仕事が増える
保育料を今よりたくさん払わないといけなくなる
かろうじて高校にいけてた子どもが進学できなくなる
健康保険料が高くなる。払えないと保険証をもらえなくなる
障がい者の介護保険もいまより厳しくなる
アラァ~
それって、相当マズイんじゃないかしらぁ?
いやだわ~ 何とかしなくっちゃァ
という訳で、集会企画しました。
今、つらいのに生活保護を受けられないでいる人は多い。問題なのは、福祉の窓口で断られるとか、なけなしの貯金が財産としてみなされるとか、親や兄弟に頼れと無理なことを言われたりして、生活保護を受けられない現実のほう。
生活保護の水準以下の生活をかつかつの思いで暮らす低所得者はたくさんいます。でも、より低いそっちに基準をあわせて生活保護を削ることが繰り返されてゆけば、生存権保障水準がどんどん引き下げられていくことになって、非常にマズイです。
このまま貧乏の基準(生きるギリギリライン)を下げたら、貧乏は固定化されます。個人の努力の範疇じゃないです。自殺者は、減りませんよ。殺人行政には反対です。
生活保護の切り下げに反対する緊急集会 実行委員会
連絡先:090-1953-0886(中桐)
iryourenあっとまーくair.ocn.ne.jp
safetynet_osakaあっとまーくyahoo.co.jp
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つきましては、集会開催にあたって広範な方々の意思を示すための賛同をいただきたいとお願いする次第です。
個人名での賛同や、地域の作業所・事業所レベルで賛同の声をぜひあげてほしいです。
今後、以下のスケジュールを念頭に、実行委員会への参加・賛同の募集を25日(日)ごろを目途にと考えています。お名前の公表の可否もお教え下さい。経済的な裏付けの何もない中での呼びかけです。賛同いただける方・団体には一口1000円からの協力費の拠出をお願いしますので、ご了承下さい。賛同費は集会当日にご持参いただけるとありがたいです。ご持参が不可能な場合は、お振り込みでも結構です。
振込先は<郵便口座>00930-6-139747(大阪キタ越冬実)。「生活保護集会」とご明記下さい。
あわせて、実行委員会会議にもぜひご出席いただけますよう、よろしくお願いします。次回は11月21日(水)に以下の内容で開催する予定です。
20日(火)厚生労働省第4回検討会
21日(水)実行委員会会議 19:00~21:00 @:市民共同オフィスSORA
集会の発言者・発言内容調整、資料検討、決議文なり申入書なり文案検討、集会の役割分担、集会以降のあり方など検討
29日(木)集会 18:30~20:30 @:エルおおさか606室
市民共同オフィスSORA:(中央区内淡路町1-3-11 シティコープ上町402)京阪・地下鉄谷町線「天満橋」(4番出口)から谷町筋を南へ徒歩5分。「文具のディスカウントショップFUKUYA」の角を右折。一つ目の十字路を越えてすぐ左手。
エルおおさか:京阪・地下鉄「天満橋」西へ徒歩5分。
賛同団体・個人(11月20日現在、敬称略):全大阪生活と健康を守る会(大生連)、障害者の自立と完全参加を目指す大阪連絡会議(障大連)、しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西、女のおしゃべり会、ユニオンぼちぼち、なかまユニオン、北大阪合同労組、NPO法人釜ヶ崎医療連絡会議、野宿者ネットワーク、釜ヶ崎パトロールの会、日本人民委員会、行動する会働き人、ATTAC関西グループ、人民新聞社、松山秀樹(兵庫生存権裁判弁護団長)、田中寿雄(NPO法人サニーサイド)、遙矢当(介護福祉士)、入部香代子(障害者の政治参加を進めるネットワーク代表)、木村真(豊中市議)、稲村和美(兵庫県議)、丸尾牧(兵庫県議)、中谷秀子(淡路市議)、中西とも子(箕面市議)、北上哲人(川西市議)、中川ともこ(元衆議)
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■呼びかけにあたって、釜ヶ崎パトロールの会より
私たち釜ヶ崎パトロールの会は96年以来、野宿者・日雇い労働者を中心に下層労働者の運動を組織してきました。その間、大阪市行政との激しい攻防を展開しながら、多くの野宿労働者と出会い、相談を受け、生活保護の申請も含めた対応をしてきました。私たちには、現在生活保護を利用している仲間や、今後利用しようと考えている仲間がたくさんいます。また、いわゆる「ネットカフェ難民」「ワーキングプア」「日雇い派遣」と野宿の仲間と重なり合っている現状を日々実感しています。申請時の「水際作戦」に多く触れてきましたし、福祉制度から排除された結果として野宿に至った仲間とも何人も出会ってきました。
いま、母子家庭は生活保護の母子加算の段階廃止に加え、児童扶養手当の減額も生活に深刻な影響を及ぼす事態に直面しています。「障害者自立支援法」の弊害は言うに及ばず、障害者福祉・高齢者福祉の施策も切り下げられています。労働組合への相談も、生活保護や借金にかかわる相談が増加していると聞いていますし、海外からの移住労働者も生活困窮から生活保護申請をする事例も相次いでいると聞いています。若い労働者も、いわゆるネットカフェや日雇い派遣と野宿生活とを往還している層が少なからず存在していることが各種調査などにより明らかになっています。20代の若者から「働くよりも生活保護をもらった方がマシ」という声があり、最低賃金の水準が低すぎる問題もクローズアップさせる必要があるでしょう。
様々な問題が重なり合って表出している「貧困問題」ですが、一方で私たちの運動は、他領域のグループや当事者と、これまで十分な連携関係・信頼関係・相互批判関係を築けていないという現状があります。それぞれの抱える課題において必ずしも利害が一致しない場合もあるでしょうし、「貧困との対決に向けて一致団結」といっても、相互の認識において大きな隔たりは厳然としてあるでしょう。
しかしながら、お互いの経験を交流させることが、相互の運動と貧困に苦しむ当事者たちの生活にプラスに働くことと信じています。まずは「生活保護の切り下げに反対する」という一点でお集まりいただくことを呼びかけます。それが今後さらに、日常的な連携を模索するなり、相互の信頼関係を築くなりの取り組みへと発展させる契機となればなおよし、と考えます。
私たち自身が「貧困問題」にどのように向き合っていくのかを問いながら、私たちがお互いに出会い直していく機会としても、この集会をもつことができたらよいなと思います。
釜ヶ崎パトロールの会
(以上)