九州ツアーのラストは福岡市美術館のボストン美術館浮世絵名品展。
ちょうどこちらで始まって1週間。
朝一で行ってきました。
やはり、浮世絵ですから一点一点の大きさが小さいので、なるべく空いてる時間に行ったほうが正解なのです。
でもさすがに人気みたいで朝一にしてはひとが入ってました。
○鈴木春信(雨中美人)
このゆらいだポーズと風の描写がたまりません。
春信って以前はよさがあまり分からなかったのですが、ここ最近は見ててううむとうなってしまう。
やはり品があって美しいなあと。
○鈴木春信(水仙花) 部分
これ、目線が見事!
細い目の中のちいさな黒目が互いを見てるこの表情がなんとも言えません。
この二人の関係が見事に現れてますね。
○歌川国政「市川鰕蔵の暫」
あと、すごく気になったのがこの歌川国政。
目の表情がすごくいい。独特。
あと、体とか顔以外の部分の墨線を太くしてることで顔が引き立つという仕掛け。
同じく、「三代目市川八百蔵」「松本栄三郎」もよかったです。
「松本栄三郎」は口元がエロチックでした。
葛飾北斎(雪松に鶴)
羽の描写が美化されることなく、ふさふさとしてていい感じ。
ちゃんと鳥という獣であるっていう雰囲気が出てました。目もぎょろっとしてましたしね。
○歌川広重「名所江戸百景 両国花火」
この押さえた色のトーンがストイックでいいのです。
藍と黒が画面のほとんどを占めているからこそ、この花火が引き立ちますね。
○歌川国政「団扇を持つ立美人」
これは肉筆の掛け軸です。
着物の足の間だけ赤く開いてる。これって女陰に見えてしまう。狙って描いたんだと思います。
○歌川国芳 布引ノ瀧悪源太打難波
これ、永井豪みたいなんですよ。
目の見開いたチカラのこもった表情。
あと、国芳は3枚続きのパノラマのがよかったです。
「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」は鰐鮫がとにかくでっかくて迫力がありました。
見応え十分の内容で浮世絵のいいところは網羅してるように思いました。
8/31まで。
嫌味のないたおやかさが素敵なのです、彼の美人画は。
褪色はしていても、色合いの上品さも魅力。
浮世絵って、以前はどれも似たり寄ったりと思っていたのですが、慣れると絵師の個性の違いが面白いです。
東京に来るのが待ち遠しい。
わたしも昔は浮世絵ってどの絵師か分かりませんでしたよ。写楽くらいは判別ついていたくらい。
でも、いまはもうちょっとは分かるようになりました。
しかし、こういうコレクションが海外にきちんと残ってるというのは有り難いことですね。
やっと観に行くことできました。
待った甲斐ありあり。
大満足でした!
現地まで行くことを考えたら絶対に見逃せない内容ですよね。
やたらと保存状態のいいのが多くてびっくりでした。