写楽 幻の肉筆画（江戸東京博物館）

今日から江戸東京博物館で始まった「写楽 幻の肉筆画」を見てきました。

タイトルにあるように写楽の肉筆がメインですが、他にも見所が満載の内容でした。


「牧馬図屏風」狩野山楽

これ圧巻でした。

屏風の表面がにかく、馬馬馬。

表情はマンガちっくでまるでひとのよう。

あと気になったのが水玉模様の馬。なんだかカルピスみたい。


「竹虎図屏風」狩野種信

竹の描写は素晴らしいのにこの虎のあんぐりと開いた口ったら。。。

でも、この口のフォルムと波の形が呼応してるかのよう。


「見立て琴高仙人図」周幽斎夏龍

鯉の上に美人が乗ってるというあり得ないシチュエーション。

この鯉がひれを顔の前に持ってきててかわいい。


「遊君　鉄拐仙人」

遊女と仙人のシリーズ。その中でもこれが一番印象に残りました。

遊女が吹く息が屏風にあたり、その中に小さな女性が映ってます。

まるでプロジェクターで投影しているかのよう。すごく妙です。



「初代市川門之助」鳥居忠清

これはキレイでした。

実物でないと分かりませんが真鍮をまぶしてあって金を吹いたかのよう。

思わず、キラキラを確認するために何度もしゃがみました。


「碁」鈴木春重（司馬江漢）

鈴木春重の名前からわかるとおり、鈴木春信の作風を踏襲しています。

春信の死後はしばらく、春信として作品を制作していたようです。

でも、これはもう春信ではありません。

手前はフラットですが、奥に広がる景色は遠近法で超パースペクティブ！

なんかバランスが狂ってて面白いですね。


「風流六玉川」喜多川歌麿

なんと6枚揃いです。これは壮観でした。

左から2枚目の赤子を抱く女性の着物の紫は当時の色がかなり残ってていい状態で残っています。

玉川が6枚続きで流れてて大パノラマです。



「四姓ノ内　源　小烏丸の一腰」葛飾北斎

さすが北斎といった感じです。

この烏がなんともいい表情。



「四代目松本幸四郎の加古川本蔵と松本米三郎の小浪」東洲斎写楽

今回のメインです。冒頭の写真の図録の表紙です。

いや～、まさかこんなに早く日本で見られるとは。

ギリシャに感謝です。

もともと扇子だったのをはがしたもの。竹紙という竹の繊維を入れた紙で独特の艶が出てるのです。

どうしても写楽というと大胆なフォルムを思い浮かべますが、これは至極まっとう。

やはり、肉筆だとタッチが変わりますね。



「扇絵より立ち昇る龍」魚屋北渓
　　
摺物です。

扇から抜け出す龍のどよーんとした黒い雲。

一度見たら忘れられない感じ。


思ってた以上にバラエティに富んだ内容でした。

9/6まで。