今日からスタートした、「鴻池朋子展 インタートラベラー 神話と遊ぶ人」に行ってきました。
オペラシティアートギャラリーがオープンするのは午前11時。
家を出るのが9時半くらい。
あっ!これくらい時間があれば大丈夫。
ってことで世田谷から徒歩で初台までいくことに。
体を動かして気分を高揚させて挑みました。
ここまでの規模で鴻池さんの世界に浸れて大満足でした。
以前からの作品はもちろん、新作も含めてメディアも紙と映像とインスタレーションと多岐に渡ります。
会場をすすむにつれて地球の内部へ向かってくという構成になってて「地中へ」「上部マントル」「下部マントル」「不連続面-2885km」「内核」「地上へ」というふうな看板がポイントとなる箇所に掲示されています。
さて、まずは「隠れマウンテン」と再会。ミヅマで見て以来。
(関連記事:鴻池朋子展「隠れマウンテン&ザ・ロッジ」(ミヅマアートギャラリー))
4枚の襖絵なのですが、以前は閉まってました。
でも、今回は開かれて閉じることは出来ないようにしつらえてあります。
その奥には白い蚊帳。
その中には「みみお」の原画が渦を巻くかのように標本箱に一枚一枚納められた状態で鑑賞していきます。
みみおが朽ちるところがやはり切なくなる。世の理だから仕方のないことなのだけれど。
さて、上方に目をやるとでっかいオブジェが。
バージニア
心臓+子宮+翼+角
消化不良しかねないパーツがバランスを保ててるのが不思議。
相当に重いんだろうなあ。
部屋の奥の角には映像が流れてました。
「ミミオ-冬の最後の日」
これもなんかたまらない感じでした。
スノードーム(っぽいような物体)の中にある世界に踏み入れてしまったみみお。
その中の炎のような髪をもつ女性(?)となかよく遊ぶのだけども最後にはその世界ごとが滅んでしまう。
現実の世界に戻り、スノードームを手に涙をぼろぼろと流すみみお。
ほんとうにかわいそう。。。。でも、そのあとドームの中にはひとつの新しい芽が。
「下部マントル」と書かれたその先は真っ赤な部屋。
4点の作品がそれぞれの壁にかかっています。
「第1章」、「第2章 巨人」、「第3章 遭難」、「第4章 帰還-シリウスの曳航」
サイズが大きく、想像性が高いなあと。
特に第2章とかは他の誰も描けない。テクニックではなく、着想として。世界として。
あと、印象的だったのは部屋の中央のイスの真ん中に置かれた半分くらい咲いたユリの花。さらに花が開くと香りが立ち込めて空間がまた濃密なものにかわることでしょうね。
不連続面を超えて、外核へ。
こちらもまたとんでもないものが!
「シラ-谷の者 野の者」
向かって中央がどくろ、右斜めに開くように人間足のおおかみ、左斜めに人間足の蝶。
ネオテニージャパンの会場でこの狼の4種類の本展のチラシをもらってて楽しみにしてたのです。
人間の足が狼にくっついてるというあり得ないはずのものがそこに悠然とあるという不思議。
蝶も不気味なのですがそこはかとない気品のようなものが漂うのは何故なのでしょうね。
どこかのお城かお寺にこの襖を入れた状態で鑑賞したいものです。
あと、ぎりぎりで気づいたのですが、背後に目を凝らすとナイフがたくさんぶら下がってました。
そして、内核へ。
焚書 World of Wonderのシリーズが標本箱に入って展示されています。
こちらも以前にミヅマで見ています。
こういう遥かなイメージを紡ぐのがしっくりときますね。それを押し通せるだけの筆致はもちろんですが、その画面に添えられる言葉も力がありますね。
そして、ミミオ-オデッセイ。開かれた本に投影されています。
ネオテニージャパンには2回行ったのですが、2回ともフルで見ちゃいました。
(参考記事:ネオテニー・ジャパン その2(上野の森美術館))
残念ながらちょうど終わったところでなかなか始まりそうにないのでここはスルー。
澁澤龍彦著「狐媚記」の挿絵3点を後にして、いよいよ地球の中心-6377kmに。
新作インスタレーション「赤ん坊」。
!!!!!!!!
入った瞬間に酔いました。
暗い中、鏡を貼り付けた巨大な赤ん坊の頭が回転しています。
しかも部屋中にその鏡に反射した光が動いてるのです。
参りました!
片目は真っ赤で、もう片方は白目。頭のてっぺんはぱっくりと開いてる。
この光景はちょっと見たことがありません。
見ててぐらぐらきちゃいます。
これでもうお腹いっぱいでしたがこの後もまだありました。
「後の部屋」なるインスタレーション。
天井からぶら下がる10体以上の狼の毛皮。
そして、水の中に立つ白い毛。変化する光を浴びる白い毛と滴る水の音。
明らかに人工物なのですが植物のような佇まいでした。
そして、地上へ。
鴻池さんが影響を受けた絵本を読める「深度図書館」コーナーでおしまい。
一時間かけてじっくりと見られて満足。
ポストカード、ついついまた買ってしまいました。やはり大きなサイズのは見栄えがいいのです。
9/27まで。
ミミオ ピンズ:鴻池朋子ラムフロムこのアイテムの詳細を見る |
みみお鴻池 朋子青幻舎このアイテムの詳細を見る |
この展覧会はとても作り込まれていましたね。
それぞれの作品がこのために用意されてきた
かのようでした。
# ネオテニーのオオカミのオブジェも並べて
# 欲しかったなぁ...
>入った瞬間に酔いました。
ですね、同じく。
どういう記事を書いたらいいのか
思案中です。しかし鴻池さん
持てる力存分に発揮していますね!
構成と配置がばっちりと決まってましたね。
鏡の狼、鏡の赤ん坊。鏡の、、、、なんてシリーズで続いてさらに巨大なインスタレーションになってなんてことを妄想してしまいます。
>Takさん
こんにちは。
想像の領域を超えてるレベルが尋常ではないですね。
赤ん坊はちょっと衝撃でした。
絵もいいのですがああいう大仕掛けなものもまた見てみたいですね。
切ない…
展示室への移動にカーテン(?)を使っているのもおもしろい演出だと思いました。
自分で手で払って中腰で入室って感覚が楽しかったです。
また行かないと!
時間がなかったので映像は飛ばしたから、あらためてじっくり見てきます。
鴻池さんにはしてやられました。
みみおは顔がないのがいいんですよね。
手の丸め方はちょっとあり得ない感じでかわいすぎます。
以前のミヅマの展示でも襖を開けて体を低くして入って見るというのがありました。そういう部分のこだわりも大事ですよね。
>ogawamaさん
とくにみみおの最初の映像がいいです。
>鴻池さんにはしてやられました。
今回くらい、してやられた!って言葉がしっくりくるのってそうそうないような気がします。
私も見に行ってきました。
本当に素晴らしかったですね。
鴻池さんの世界を
体全体で感じる事が出来きました。
個人的には
赤い靴の女の子の脚の存在に強く刺激を受けました。
会場内のいたる所に彼女が居た事に気づきました?
入り口で見送られて、
出口で迎えてくれただけでなく、
途中も見守っててくれた
彼女にありがとう。
ここまで作家の世界に浸ることの出来る展示は少ないですよね。特に現代美術でこの規模となると。
>会場内のいたる所に彼女が居た事に気づきました?
ちらちらと見かけるなあと思いましたがそこまで深く意識してませんでした。
またちょっと時間を空けて再訪してじっくり見てこようと思います。
暑気払いかねて
この展覧会鑑賞しましょうか。
ぐるぐる目を回し
一気にビールを流し込む!!
ぐるぐる~見た後は酔いが回りそうですね。
夢に赤ん坊が出てきそうです。