ドルフィンベルベット

高齢馬のケアと徒然日記

『あんじゅう』

2013年11月26日 12時26分41秒 | 読書日記
『あんじゅう』(宮部みゆき著)
三島屋変調百物語シリーズの第2弾 
といっても、第1弾事始めは読んでいません。
でも『しゃばけ』のような短編なので続編からでも十分楽しめます 

江戸時代の神田、袋物屋の三島屋の一室「黒白の間」。
ここで店主の姪おちかは叔父の提案で「世にも不思議な体験談」の聞き役をしています。

事始めの第1弾は本当に怖いお話だったようです
でも、第2弾は、文庫の帯にある「こわい、かわいい、切ない、いとしい」という表現がピッタリのほんわかした物語です 

本当に不思議な現象もあれば、実は「人がやっていた」ということもあり、ムムム、やっぱり怖いのは人間だわ、と思うこともありました

タイトルになった「あんじゅう」は、長年空き家となった家が人恋しさから暗獣(あんじゅう)を生み出します。
わけあってある夫婦が住まうことになると、暗獣は人に興味を示し近づき、打ち解けます。
夫婦も「くろすけ」と呼びたいそう可愛がりますが、そんなくろすけは日に日に衰えていきます。
理由は、人恋しさゆえに作り出されたものが、人が住まうことでその存在が不要となったから、というものでした。
夫婦はくろすけの身を案じて、家を離れます。
そのお別れのシーン、「離れていても決して一人ではない」と諭す主人の、妻の、くろすけの気持ちを思うと切なくて切なくて 

やっぱり宮部みゆきってすごいなぁ…とそんなところで感心してしまいました
おススメの一冊です 


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
クーちゃん 良かったですね (きびイチの母)
2013-11-26 20:42:55
今日はお休みだったので、クーちゃんの足がどうなったかなぁ~と気になってお邪魔しました。
良くなってる様子で、安心しました。良かったですね。
「あんじゅう」ついこの間読みましたよ(^_^)☆ 宮部みゆきさん GOOD!

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有難うございます (alohadream)
2013-11-26 20:56:02
☆きびイチの母さん
わざわざ見に行ってくださったんですか、本当に有難うございます。
今日も報告してくれるとT君は言ってくれたのですが、問題がなければ要りませんとお断りしました。
良くなっていると聞いて安心しました(^o^)
明日は様子を見て常歩してみます。
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面白い作家 (シャル君)
2013-11-27 09:02:19
朝日新聞で連載している宮部みゆきの荒神を読んでいますが、時々この手の小説についていけなくなります。現実離れしているからです。彼女の脳裏は私には理解できないことがあります。でも好きな作家の一人です。
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頭が良い (alohadream)
2013-11-27 19:24:01
 ☆シャル君さん
という印象があります。
ストーリーもそうですが、表現力が豊かで色々と勉強になります。
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