宝泉寺
卯辰山(うたつやま)は、標高141メートル、そんなに高くないのですが、
文学碑・記念碑・彫像が散在し、全国一の碑林公園です。
東茶屋街から、この卯辰山にかけて、
曲がりくねった小路と、40数か寺が、山麓に点在する卯辰山寺院群があります。
芭蕉などの句碑や、金沢の歴史文化に足跡を残した人々の墓碑も多く、
古寺巡礼と文学散歩には、絶好の地域です。
その寺院群をつないでいるのが、’心の道’といわれる石畳の小路です。
この道は、全長2.6キロ。寺院群のうち21社寺を廻るとまる1日かかります!
私も、友人と一緒に、少しずつ廻っていますが、
まだ全部は見たことがありません。
宝泉寺は、400年間、金沢の鬼門を封じてきたお寺です。
鬼門は、北東の方角を示して、現在でも家造りのときに、「鬼が出入りする方角」として、避けられる方角です。
京都では、「鬼門」に延暦寺、江戸には寛永寺と、日本の都市計画に重要な意味がありました。
加賀藩は、金沢城の鬼門にあたる卯辰山周辺に、
真言以外の寺社を集中させる「都市計画」を展開しました。
加賀藩三代藩主、前田利常が、その鬼門を封じる寺としてこの宝泉寺を建てたのが、
今からちょうど400年前の1606年。
ちょうど先日、10月7日に、創建400年祭として「八千枚護摩供」という記念祭があり、
8000枚の護摩がたかれて、盛大に執り行われたそうです。
この境内には、上の写真の「五本松」といって、幹が5つに分かれた松もあり、
泉鏡花の小説にも登場し、現在のこの松は3代目だそうです。
日本文学研究家のドナルド・キーン氏も、
このお寺から見える夕日を絶賛しています。
写真は、夕日の時間ではないですが、
金沢の町並みが、拡がっています。小さく石川門も見えるんですよ。大好きな場所です。
東茶屋街から、心の道を通って、400年前に建てられたお寺を見て、
現在の金沢の景色を見る。
ずっと昔にタイムスリップしたような、でも何とも居心地のいい時間です。
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