信じられない大震災がおこりました。
ニュースを見ては泣き、ニュースを見ては泣き、
こんなにピアノを弾くのがつらいのは初めてでした。
被災された皆様、心よりお見舞い申し上げます。
どうかどうか、早く元の生活にもどれますように。
笑顔の生活がもどりますように。
東京公演は26日(土)に音楽の友ホールで予定していましたが、
お客様が都区外の方が多く、地震後、生活が成り立っていないということで、
多くの連絡が入り、苦渋の判断で中止になりました。
そのすぐ後に、計画停電が始まり、現在は、またほかの多くの問題で、本当に大変な生活をしていらっしゃいます。
万感の思いで開催した金沢の本番は、まず1曲目のタルティーニのとき 、
お客様の、今まで、感じたことのない波動を、舞台上で感じ、
突然、地震のいろいろな映像が浮かんできて、気が遠くなりそうでした。
でも、皆さんの温かい拍手と、ブラボーの声に、力つけられ、励まされて、
本当に自分ががんばらなくてはと、弾き続けました。
楽章ごとの拍手は、演奏者は嫌う方もいらっしゃいますが、
以前のリサイタルでも、スプリングソナタでいただいたとき、
とてもうれしくて、今回は、また全く違う空気の中で、皆さんとともに時間を共有している喜び
を感じました。
会場にお越しいただいたお客様、本当にありがとうございました。
フローリンは、3月2日に来日し、我が家にホームステイをしていました。
地震が起きた時は、練習中で、ルーマニアの家族も、ニュースの映像をみて、大変心配しましたが、
各国の帰国令が相次ぐ中、フローリンは、たとえ政府からいわれても、
金沢公演が終わるまでは、帰らないよと頑張ってくれました。
彼は、天才といわれる人で、6歳の時から、音楽の専門コースで、13歳の時から常にオケと共演し、
練習も2時間以上はしたことがないと、
合わせのために早く来てもらったのに、私との合わせは、1日ほんの少しだけ、
私だけがいつもと変わらず、必死に練習するパターンで、
「こんなロングリハーサル初めてだよ」と笑いながら、
リラックスし、日本食を楽しみ、本当に日本の生活を楽しんでいました。
我が家は、外国人がホームステイする事が多く、食事、家事等全然問題がありません。
でもいつも思う事は、皆、シェアする事に慣れていて、
いらぬ気を使う事が全くなく、気持ちよく生活できるという事です。
とても人間的で、学ぶことが多いです。
今回も、フローリンは家族に親しみ、ねこのともすけとも大のなかよしになりました。
また、
被災された方々をすごく心配し、でも明るく前向きに日本のことを気使ってくれていました。
この予想もできなかった大震災のまっただなかで、
コンサートをすることになったことを受け止め、
本番を終えたことに深い意味を感じています。
この同じソナタプログラムは、これから先、続く予定なので、また練習を続けます。
このコンサートの売り上げの一部を、地震で被災された方々への支援として、
お送りさせていただきます。
被災地の一日も早い復興を、お祈りいたしております。