明鏡   

鏡のごとく

傷口

2017-06-21 23:43:45 | 詩小説
父母の家のるーふばるこにいに亀裂が入り
その透明な亀裂の穴埋めに
透明な撥水性のテープを貼りに行くも
姉夫婦が貼ってくれていたものだから
雨漏りはしていなかった
見えない地震の亀裂のように
雨水だけが教えてくれる
見えにくい傷口は
消えることなく
雨水と太陽の熱に
剥がされないように
傷口を塞いでいた
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段差

2017-06-21 23:36:05 | 詩小説
右半身不随の父
段差を超えて廊下を歩く
この段差の山の上に滑りにくいマットを敷くと歩きやすいけん
と言いながら山を越える

店の中に入る時も
二十センチの段差があり
左足から二十センチを超えていく
後から右足がくっついていく

そうして
最後には
たどり着くのだ
おもいを持ち越して
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