きのねの本音

染色や木彫り そして気の合う仲間たち
大好きなものに囲まれ シニアライフを楽しんでいます
時には 愚痴や本音もポロリ

同級生だから…

2017-06-29 22:15:55 | 日記
午前中、いきいき体操に行っている留守に、
同級生のS君から電話が掛かっていた。

帰宅後、電話をかけ直し…📞
「ゴメンね!暇すぎて、外をウロウロしているのよ。アッハハ
同級生の気安さが、私を饒舌にさせていた。

しかし、冗談はここまで…

「あのなぁ〜……」電話の向こうから、重たい空気が流れて来た。
「東京のY君が癌で入院してて…」
暗い声が耳に入って来た。

「エッ‼︎」
最近、癌という言葉に敏感になりすぎていて、
次の言葉が出て来なかった。

「それで、E君がお見舞いに行こうとして、奥さんに断られたって…
今は、ちょっと、来ないで欲しいって…」

「そう……大変なのかな?」
癌と聞くと、悪い方に悪い方にと、想像してしまう。


来年は、地元で4年振りの同窓会を開催する予定になっている。

4年間、同窓会が無いのは、寂しいよね…と、
1年前に、近畿に在住している同級生だけで、阪急ホテルで同窓会をした。

その時、Y君は、東京からわざわざ来て、参加してくれた。

その時のことが思い出される。

「お互い、もう歳だから病気せんように、気い付けんとなぁ〜」
S君も私も、69歳…だもんなぁ〜

「病気せんようにと思っても、癌は分からんけん、厄介やわ」

「Y君、元気になって、来年の同窓会に参加して欲しいよね」
そう言って、電話を切ると、
一瞬、全ての音が消された気がしたが、
心だけは、ザワザワと騒ついていた。

細い糸のような雨の降るベランダに出てみた。
湿った風が、半袖の肌に冷たかった。

Y君には、子供さんがいない。
奥さんは、心細いだろうな…

病室の窓から、こんな冷たい雨を
見ているかも知れない奥さんのことを思っていた。

音の無い雨は、
私の心の中で、ザアザアと、音を立てた。









コメント
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