陽炎日記

日々の出来事を中心に綴ってます。

西條奈加著 「千年鬼」

2021-08-24 20:58:01 | Weblog
 メルカリで買って読んだ。古本屋でさんざん捜し回ったが結局
メルカリ頼み😅  私の“読みたい本リスト”の中にあった一冊で、
ようやく手に入ったので読んだら涙ものの一冊になった。

自分で思っていた鬼とは違っていた。
鬼と言ったら「桃太郎」の鬼を想像するだろう(思い込み?😅
悪さをして人間から金品を盗んで、桃太郎に成敗されるが改心する、
というのが桃太郎の話だ。
話しとしては近いものはあるがまたちょっと違った作風。
時代小説だが、鬼は人間が作るものだと言う根底は同じか?
そこからどういう風に色つけするか作者さんの力量だろう。

7編で構成されているが、最初は3匹の小鬼が出てくる。
小鬼と一緒に出てくるのが黒鬼。黒鬼が持っている錫杖(しゃくじょう)、
その頭からぶら下がっている飾り紐。この紐に“鬼の芽”をつなげている。
3匹の小鬼は“鬼の芽”を捜し集めること。
“過去見世”を行い人々を救っていくが、何せ小鬼は見た目は7~8歳。
普通人間は見えない。子供や人鬼が小鬼を見ることが出来る。
1000年の時をも超えられる力を持っているが、まだまだ小さいので力は
足りないのだ。「最後の鬼の芽」章は泣けてきた。
民という女の子は小鬼“愛”を貫くのだ。小鬼はすでに罰として砂に
なってしまったのだが・・・砂になってしまった小鬼を(硲 はざま)で
永遠に捜すだろうという話しで終わったのだ。
好きになった小鬼の砂の一粒を見つけては手に乗せて・・・って
想像するだけでゾクゾクするし泣けてきた。
私の中に今までにない感覚が沸き起こっていた。感動作の一品!
いい作品に巡り会えた喜びってこういうものなのかな。お勧め作品です。
(予備知識なくても感情移入できます!)
コメント
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