世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

“官僚主導政治”からの脱却 “毒には毒をもって”市場原理を過渡的に容認

2012年04月20日 | 日記

 

SIGHT (サイト) 2012年 04月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
ロッキング・オン



多くの応援に感謝、励みになります
人気ブログランキング


“官僚主導政治”からの脱却 “毒には毒をもって”市場原理を過渡的に容認


 gooブログの更新日が狂っているようですが、特に筆者は狂ってはいませんので、ご安心ください。(笑)ところで、18日の「IWJ小沢単独インタビュー」を聞いていて、やはり小沢は民主党A(小沢・鳩山G)と他の政党で、“国民の生活が第一”を目指すと腹を決めている様子が覗えたことは収穫だった。特に肝だったのが、09年マニュフェストに掲げた政策実行の一丁目一番地が“中央集権から地方分権”に尽きると云う言質だ。あきらかに、地域政党を意識している。地域からの政治参加が日本の政治を変えると云う図式になって来たのだろう。

 現時点での小沢一郎のスタンスは、あくまで民主党に政権与党を守らせながら、尚且つ09年政権交代時のマニュフェストを遵守する方向を模索するだろう。多分、ギリギリまで堪える腹も固まっている。現在の民主党衆議院の数は291議席。乱暴な括りだが、この内小沢系が3割:反小沢系が2割:日和見が5割という按配になっている。つまり、コテコテの反小沢と云うのは、凌雲会を中心に仙谷、前原、枝野、小宮山、古川、渡辺周、安住らである。オマケに岡田克也と云う馬鹿がついている。野田は必ずしも反小沢と切り捨てにくい存在で、準反小沢的である。

 つまり、小沢が民主党内で意見を集約させようとする時、意識的に逆らうのは衆参両議院を含めてみると、数で云うと2割を割り込むと云うのが事実だ。この辺が、小沢が民主党を早々に見切らない最大の理由があるのだと思う。野田内閣が消費増税法案を抱えたまま憤死するであろうことは、概ね見えてきた。どのような憤死を遂げるか、その姿は相当重要だ。間違っても全員討ち死にするような解散総選挙をさせない配慮も必要になる。

 その配慮の一方法として、“大幅に修正した消費増税法案”を衆議院で通過される手は残っている。実質的に“凍結法案扱い“にしてしまうのだが、詭弁はどのようにでも行える。如何にして、野田佳彦の顔を立てて総辞職させるか、ここが輿石の腕の見せどころと云う事だろう。そのような流れで民主党に政権交代時の初心に回帰させられるなら、小沢一郎は残された1年数カ月で、死に物狂いの大改革に奔走する事になるだろう。たしかに、背中から鉄砲や槍などを構えているのは気色が悪いが、それを承知で行うのも”天命“なのかもしれない。

 勿論、このような流れにおいては小沢無罪判決が前提になる。筆者の場合、小沢公判で有罪を出せる判事はこの世に居ないと信じているので、この無罪判決前提には、重きを置いていない。ただ、反小沢の結集に日和見議員が何らかの利権に惹かれて糾合しないとも限らない。野田が消費増税法案の手直しを一切拒否し居直ることも考えられる。この場合、小沢や輿石の親心無視で、衆議院に提出した法案を、其のまま採決させる暴挙に出てくることも考えられる。

 自民党はムキニなって野田政権打倒を旗印に、問責の嵐で政局を揺さぶっているが、公明党の態度が曖昧なため、宙ぶらりんになっている。谷垣は、出来たら大連立、最低でも解散総選挙を望んでいるようだが、公明党が旗幟を鮮明にしない是々非々の態度を示したことで、何処かの時点で審議に応じざるを得なくなるだろう。それが野田佳彦の狙いでもあるが、小沢一郎は絶対に法案を阻止する構えである。野党よりも、党内の小沢一郎の迫力の方が勝っていると云うのも皮肉な話だ。

 野田が暴挙、一か八かで衆議院での採決を強行した場合、自民党は公約とは言え、素直に賛成に回ることも難しい。景気条項の削除を求めてくるのは間違いがない。ウッカリすると、その時点で自民党は割れるかもしれない。その採決において、小沢グループも賛成票を投じるのは無理だろう。現時点を見る限り、自民も公明も単純に賛成票を投じることは出来ない。そうなると、民族派の国士気取りになってしまった商人野田、ヤケクソを起こさないとも限らない。ヤケクソの答えは解散総選挙だ。こうなると、消費増税と云う主権者に対して、逆臣的行為に出た民主党は終わるだろう。つまり、小沢・鳩山の民主党はピリオドを打つ。残されるのは、市場原理主義で官僚依存の、国民にとって最悪の政党民主党となる。

 5月中に解散総選挙となった場合を考えてみよう。国賊的立場に立たされた政党からの立候補は地獄だ。それは民主党も辛いが、自民党も増税公約だから、同様に辛い。それでも、党の公認料欲しさにシガミツク民主党議員も多いだろう。連合や官僚・経済界出身議員もしがみつくしか手立てがないのだから、それなりは居残る。ただこの時小沢新党に従ってくる衆議院議員は現在の数より増えるだろう。目先は党の公認と公認料が欲しいが、ただそれだけでは落選間違いなしの議員連中は、思案のしどころになる。

 おそらく、「小沢新党」に参加する人々は現状の「新政研」の参加者を核に150人から200人に達するだろう。衆議院だけを抽出すれば150人規模の候補者擁立となる。選挙資金の心配は無用、その辺にぬかりのある小沢一郎ではない。その目処がなければ「新政研」自体を立ち上げることはない。しかし、仮に全員が当選しても衆議院241議席には届かない。100議席の不足が現状考えられる。この不足をどこと組みことで充足するか、これも小沢一郎の政治的力量にかかっている。

 まず既存政党で考えられるのは、公明党だ。色々の異論はあるだろうが、政治理念を貫くための妥協は、支持の世界にはつきものだ。みんなの党も組める相手だ。社民党も組める。新党大地・真民主も組める。亀井静香、田中康夫も参加する。新党きづなも組めるが、おそらく小沢新党に参加してしまうのでカウントはしない。公明党を除くと25議席程度のプラスになる。「国民の生活が第一」(原点は霞が関改革)の勢力は、この時点で130~170議席をカウントできる。後80前後の議席が足りない(笑)

 この80議席が地域政党と云う事になる。果たして、橋下新党がどの位の候補者が擁立でき、何人が通るか未知数だが、最低でも50人は当選するだろう。現在の勢いだと100人に届くか届かないかだが、80議席は視界に入る議席数である。そこまで行けば公明党はついてくる。そうなれば政権を握れるだろう。本来であれば、小沢新党だけで200議席が理想だが、現実はそんなに甘くないだろう。衆議院過半数241議席は大変な数だと云う事がこれでも判る。300人以上を当選させた先の衆議院選挙は奇跡だったに違いのないと思うほどだ。

 問題になるのは、小沢新党と橋下新党が核となる連立政権の性格の問題だ。ここで初めて今夜のコラムの「“官僚主導政治”からの脱却 “毒には毒をもって”市場原理を過渡的に容認」の意味の解説になる。読んで字の如しだが、橋下徹のブレーン等を見る限りマッキンゼー率いる市場原理主義の経済成長路線をひた走る方向性を示している。その点では、小泉純一郎とダブるのだが、実体は相当に違う。

 大前研一等の市場原理での経済成長路線と霞が関大行政改革がセットになっているのが橋下徹の新党だ。橋下も、何をするにも、先ずは中央集権の打破が基盤となり、そこから派生的に政策が展開される。どうも観察していると、橋下徹は単なる米国礼賛の市場原理主義とは異なる部分も有している。脱原発の発想はマッキンゼーではあり得ない結論である。金持ちに阿る政経塾出身者とも一線は画している。関西の財界や新興勢力との関係も密だが、大衆に訴え続けなければ、あっという間に人気を失う立場だけに、市場原理主義を旗印に選挙を戦うのは躊躇するだろう。当面の消費増税反対と原発再稼働を限りなく抑え、再生可能エネルギーシフトを公約にするのではないだろうか。小沢新党と中央集権打破と云う点で、当面は協力関係を築ける環境にある。

 この調子で行くと、1カ月後が愉しみだ。勿論、筆者の推測通りに政局が動くとは限らない。1%は小沢への有罪判決もあるわけで、26日を境にどのような政局が展開されるか?総選挙でもない限り、当面国民としては予想したり、怒ったり、喜んだり、ツイッターで持論を展開したり、外野で騒ぐか、野次馬になっているしかない。当面は国会議員に任せたのだから致し方ない隔靴掻痒だ。




日本経済の真相
クリエーター情報なし
中経出版



多くの応援に感謝、励みになります
人気ブログランキング

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“天と地ほども違う”政局の振幅 小沢裁判の判決が、政局のコアになる

2012年04月20日 | 日記

 

中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史
クリエーター情報なし
文藝春秋




多くの応援に感謝、励みになります
人気ブログランキング


“天と地ほども違う”政局の振幅 小沢裁判の判決が、政局のコアになる


 もう野田内閣に打つ手は残されていないようだ。マスメディアのヨイショ論調に関わらず、民意は“消費増税にNO”を明確にしている。日本の財政事情も財務省、マスメディアの思惑通り、国民洗脳がことの他上手く行っていない。国民洗脳機能が有効に働かない一番の理由は、ネットメディアの存在が思った以上に国民に影響力を及ぼしている。新潮・文春以外の週刊誌陣営も善戦している。

 50万人、100万人の読者を抱える新聞と云うマスメディアの力は絶大だ。しかし、311以降、この絶大なプロパガンダ洗脳報道が突然のように機能しなくなった。勿論、原因は3月14日に起きた福島第一原発の重大事故後の各新聞社・テレビ局の報道姿勢があまりにも隠蔽体質に毒されている事を、国民が知ってしまった影響が色濃く影を落としている。政府も、電力会社も、学者も、コメンテータ・評論家も、嘘をあれだけ吐き続ければ、馬脚どころか内臓の腐臭まで漂わせたのだから、平和ボケの国民でも流石に気づいたわけである。

 この間隙を突いたのがネットメディアであり、多くの個人ブロガーやツイッターの威力だ。自由報道協会などフリー・ジャーナリストの活躍も目をひいた。原発事故、放射能に関して、マスメディアや政府、電力会社の発表は、ことごとく嘘に違いない、という“空気”が国民の間に蔓延してしまった。小室直樹の“近代国家にあらず”から、僅かに国民が“空気”を頼りに民主主義の根底を支える、自主と云う意識に目覚めた瞬間であるかもしれない。空気だから、持続的自主かどうか判断しかねるが、マスメディアの報道が正しいとは言えなくなった、と認識出来ただけでも、これは相当の国民的進歩である。

 この国民の間に起きた“懐疑”の精神は、政府が行おうとしている、あらゆる政策にも“HATENA”の枕詞を冠する傾向を齎した。消費増税・野田佳彦が立ち往生し掛けているもの、この国民の猜疑心に由来する。原発再稼働問題でも、政治決断なんて信じるわけもなく、電力会社の電力需給データもまったく信用されていない。消費増税の成立云々の前に、談合大連立構想は“泡沫の夢”と消え、野党は解散総選挙に大きく舵を取ってしまった。支持率も日増しに凋落傾向が続き、早晩10%台に突入する事になるだろう。

 このような状況になってくると、与野党の構図は連立など砕け散り、元の木阿弥だ。再び、“民主vs自民”の対立構図が再構築されると、俄かに問題になるのが、民主党内の勢力争いになってくる。一番のポイントが、東京地裁・大善裁判長が出す、小沢一郎への判決だ。筆者は今まで、有罪無罪どちらにでも転ぶみていたが、此処に来て“小沢無罪”という答えを導いた。此処でその理由をくどくど言うつもりはないが、99%“無罪”と考える。法的解釈からではなく、司法行政及び最高裁にとって、その方が彼等にとって有利だからである。

 筆者の予測が当たろうが当たるまいが、何らこの世に影響は及ぼさないが、“小沢無罪判決”は民主党内、延いては日本の政治情勢には大きな影響を及ぼすだろう。輿石幹事長は、完全に26日判決まで一切動きを止めようとしている。消費増税法案が、衆議院で通過するもしないに、小沢の意志如何になりかけている。閣議決定の内容のままなら、法案は否決され、支持率10%台になっている野田内閣は総辞職の道しか残されない。政治生命をかけると言った野田だが、パナソニック商人には、シロアリ退治で判明している通り、二言でも三言でも変幻自在だ。(笑)野田は武士ではないのだ!

 継続審議と云う線で有耶無耶になる可能性が高いが、野田に“花道”を作ってやる小沢一郎と云う場合もあるだろう。財務省は、自民党の消費増税対案丸呑みで、完璧消費増税法案の成立を画策したわけだが、小沢が“骨抜き消費増税法案”であれば、野田の顔も立つだろう、という妥協案を出すかもしれない。小沢は今までも、「いま消費増税は間違いだ」と言っているわけで、慎重であるべきと云うスタンスだった。故に、手枷足枷がメインの修正法案を通過させようと云う妥協案を出す可能性はある。少なくとも、その方が党に傷はつかない。

 輿石も“小沢無罪”の確率を信じて、2閣僚の問責を受けても、正面突破で更迭はならず。少なくとも26日を待ってからでなければ、政治は動かせない、と云う態度を取っている。二人の次に、ミサイル発射対応に不手際が顕著な藤村官房長官が問責ターゲットにされている。直近で3人もの問責では、内閣が持つとは思えない。小沢無罪の噂は、あのTBS時事放談で怪しい司会をする御厨貴(東大教授と云うより元都立大教授)が野中広務に教えられた通り「政治とカネへの国民目線が厳しくなり、小沢氏は政権交代の功労者であるが、最も罪深い人になってしまった。小沢元代表の“終わりの始まり”であり、仮に無罪になっても元には戻れないだろう」等と逃げまくり“引かれ者の小唄”のように嘯いている。おそらく、そのように野中が耳に囁いたのだろう。(笑)

 田代検事の疑惑を曖昧なまま封印しようとする検察庁の姿勢は、一定の司法の流れを示唆している。国民の空気状況は、前田検事より悪質な田代検事の虚偽記載が検察審査会の判断を誤らせた、という方向性を示しているのだから、此処で有罪を宣することは、裁判所の威信にかかわる。小沢と裁判所の公平公正と云う国民の信頼を天秤にかけるほど馬鹿ではないと考えるのが妥当だ。出来る事なら、検察審査会の実態をこれ以上詮索されたくない思惑もある。早々に隠ぺいしたいはずである。まぁ、臭いものに蓋をするのを見過ごすかどうか別の話だが、必死になって正常な形態への法整備を行うに違いない。

 いずれにせよ、26日の判決が愉しみだが99%無罪判決だ。勿論、1%が顔を出すこともある。その時はそれなりの落とし前をつけることにする。当然、厚顔無恥の筆者が、頭を剃るとか、蟄居謹慎するとか考えてもいない。(笑)いや~外れましたね、のひと言だけだ。ただ、約束出来ることは、最高裁事務総局、最高裁判事、その他疑惑の裁判等々、司法行政、検察審査会、裁判所及び判事に関するバッシング・コラムを連発しようと決意している。以上!


PS: IWJ岩上氏の小沢単独インタビューを視聴したが、今回のインタビューでは傾聴すべき重要なポイントがあった。
 第一は消費増税も、TPPも、原発を含むエネルギーも、問題の根っこは同じだ。官僚主導から政治主導の政治。言い換えれば、中央集権から地方主権のドラスティックな転換。これが問題解決の1丁目一番地だ、ゆえにそのような方向性を有する政治家を同士とすると云うところだ。(多分、橋下・河村・渡辺を指している)
 第二に、中国共産党の脆弱性への危機感と、その混乱から生じる北朝鮮の誘発的混乱の危険を強く危惧している。悪い状況の連鎖は、朝鮮動乱の二の舞を招く。一時、ソウルが火の海になる危機は冗談ではない。米軍が助けるにしても、10万人規模の軍事力が必要になる。それを米軍が出来るのか?最終的には国際連合による軍事介入が起きるだろう。この安保に関する大局的観察眼は貴重だ。メディアがスルーしているようだが、ここは重要だ。



徳川幕府の実力と統治のしくみ
クリエーター情報なし
新人物往来社



多くの応援に感謝、励みになります
人気ブログランキング

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

よろしくお願い

https://blogimg.goo.ne.jp/img/static/admin/top/bnr_blogmura_w108.gif