今朝は台風の影響で雨が降ったり止んだり。
スヌーピーの散歩から帰って来ると、猫たちはとうに朝ご飯を食べ終えて、各自それぞれの場所に行ってしまった後だった。
さあ、私もひと休みして・・・と玄関を入ったら、レオが待ち構えていたように窓から入って来て、ニャアニャアと鳴く。
猫が何か知らせたいことがある時はわかるものだ。
上がりがまちに腰掛けると、彼は鳴きながら膝の上に乗って来て、ゴロンと腹を見せた。
お . . . 本文を読む
人も動物も、植物もみんなそうだけれど、
それぞれの体には、持って生まれた先天的な「強さ」がある。
その強さがどの程度現れるかは、それが生まれてから大人になるまでの「成長期」に何を食べるか、どのような生活をするかで決まってくる部分が結構大きいような気がする。
例えば鶏を育てるのに、ヒヨコの時に何を食べさせるかで、胃袋や消化器官の強さが明らかに違ってくる。
出来合いの配合飼料、特にヒヨコ用の餌を食べさ . . . 本文を読む
昨日は久しぶりに他所で働いた。
猫家から少し離れたところに、脱サラ・新規就農の大先輩が住んでいる。
彼はちょうど今の私くらいの歳(40代前半)に都会を離れ、山里に移住したそうである。
鶏を飼い、木工で家具や日用品を作り、田や畑を耕して、その一家4人は暮らし始めた。
それから苦節15年、平飼い(ケージに入れずに、土の上で飼うこと)の鶏の卵の販売も何とか軌道に乗って、今日まで生きてきた。
私がこの地に . . . 本文を読む
人は、生まれ、生きて、死んでいく。
この「当たり前」と思われていることに、敢えて一石投じる人はどれだけいるだろう。
「一石」、とまでは行かなくても、その都度心のままに疑問を持つことは大切かも知れない。
j-tentenさんの朝顔の観察文を読ませていただいて、改めて「命」というものは、なにものだろうと感じさせられた。
生まれて、生きて、老いる、そして死ぬ。
命は死ぬのだろうか。
朝顔の命は、明ら . . . 本文を読む
マルダヌキは、朝早くから興奮していた。
昨夜、町の「虎場亭」で見たスノーキャットの甘く切ない歌声が、いまだ脳裏を離れないでいるのである。
あぁ、なんて素晴らしい声だろう。それにあの触れれば折れそうなたおやかな体の線。
マルダヌキにとっては、憧れを絵に描いたごとくに映るスノーキャットの甘く憂いを含んだ姿は、あの晩の彼女との出会いと同時に、心の奥深くに焼き付けられてしまったようだ。
それと、あの窓 . . . 本文を読む
クマは昔、町で出稼ぎしていた頃の友人、とらケン(今は「とらばたろう」と名のっている)に手紙を出した。
それは、クマが生まれて初めて書いた手紙だった。
おう、元気か。
オレだ。久しぶりだな。
この前は招待状、ありがとよ。
あれからおまえの働いてる「虎場亭」に行ったよ。
おまえは、相変わらずだったな。
ちょっと、立派になった。
あんまし久しぶりなもんだから、
もしかしたら、オレはおまえがわかんな . . . 本文を読む
おう、おやじ、いるかい?
おお、相変わらずじゃネエか。
あぁ、オレは見ての通りさ。ぴんぴんしてらあ。
今日は、ジャガイモひと箱持って来たんだ。
ここの肉じゃがは最高だもんな。
おい、マルダヌキ、それをこっちに降ろしな。
さあ、今日のところはこれで飲ましてくれや、おやじ。
この間昔の仲間に会って来てさ、
ああ、おやじも知ってるよナ、
あの、チェロ弾きの、とらケンさ。
アイツあ、随分立派になって、 . . . 本文を読む
どうだ、いいとこだろう。
ここは昔オレが出稼ぎしてた時に、
よく来た店なんだ。
安いし食い物も美味いし、
なんてったって、雰囲気がいい。
どことなく、落ち着けるだろう。
オレの気に入りなんだ。
ホラ、あのネエちゃんなんか見てみなよ。
この店の娘は、昔っから愛嬌がいい。
尻尾の先のリボンが可愛いなあ。
それに、ほっぺがちょっと赤いとこなんか、
りんごみたいで、うまそうじゃないか。
もしかしたら今は . . . 本文を読む
ブシュッ・・
血しぶきが上がった。
羽をバタバタと煽る度に、首から赤黒い液体が勢いよく噴き出す。
頭は既に鉈で切り落とされていた。
断末魔、というのだろう。鶏が命を振り絞って羽を、足を猛烈に動かそうとする。
それを私は、両の手で力一杯地面に抑えつける。
ここで少しでも力を緩めれば、鶏は羽をばたつかせながら、走って行こうとするだろう。
生きようとする炎のようなエネルギーが、私の両手、両腕を伝わって、 . . . 本文を読む
ダンプを機械の脇に付けて、バックホーのエンジンをかける。残りの土もあとわずかなので、もう少しでこの仕事も終わりそうだ。日暮れまでには、どうにかなるかもしれない。さあ、急いでやってしまおう。
ブームを伸ばして今まさに残りの山を崩そうとしたら、土山の上にロッキーの姿が見えた。
ロッキー、こんなところにいちゃ、危ないじゃないか。
機械のエンジンを停めて近づくと、ロッキーは目を丸くして、落ち . . . 本文を読む
ボクの名はロッキー。向こうに見える板張りの小さな家がボクのうちだ。みんなはあの家を「猫家」と呼んでいるけれど、確かに猫はたくさんいる。ボクの兄貴も、妹も、父ちゃんも母ちゃんも、それとバアちゃんも、みんな一緒に住んでいる。中には山に捨てられて迷い込んで来た猫もいるけど、ボクらはみんな、家族なんだ。
何しろ猫だけで7匹もいるものだから、ご飯時などは大変だ。そろそろ時間かな、と思う頃に、みんなどこからか . . . 本文を読む
今朝、スヌーピーと猫たちを連れて散歩してたら、
隣りのバッちゃんが箒で玄関口を掃いていた。
お盆を過ぎる頃からめっきり涼しくなったので、だいぶ体調を取り戻したようだ。
(バッちゃんの倒れた経緯については、『都会と田舎の近所づき合い』を参照してください。)
バッちゃんは背中がエビのように曲がっていて視野が狭くなっているのか、なかなか周りのことに気づかない。
でも、私が行くよりも先に手放しで散歩させ . . . 本文を読む
このところ、猫家の主食は、栗になっている。
猫家のと言っても、実際栗を食べてるのは私だけなので、「アグリコの主食は」と言い直した方がいいかもしれない。
我が家の猫たちは、ジャガイモでもカボチャでも、里芋でも食べる。
生後3週間で離乳させ、徐々に玄米に慣れさせている胃袋だから、かなり広範囲のものを食べても消化できるのだと思う。
実際、季節によっては毎日ジャガイモばかり、という時もあるのだから、これ . . . 本文を読む
ホルスは、どうして家を出たのか。
クマとの確執だったのだろうか。
私たちがこの家に引っ越してからおよそひと月後に、多分近くの山に捨てられたのだろう野良猫が迷い込んで来た。
大きい猫だった。けれどあばら骨が浮き出るほどに痩せ、尻尾は途中から千切れ、痛々しくびっこをひいていた。
首輪をしているところを見ると、明らかに飼い猫だったんだろう。黄色の毛並みはボサボサで、あたかも継ぎはぎだらけの毛布にくる . . . 本文を読む