阿部ブログ

日々思うこと

ロシアが地中海艦隊を編成する意向

2013年04月18日 | ロシア
シリア内戦でアサド政権を支援しているロシアだが、情勢を楽観視はしていないようだ。西側にしても反政府軍の精鋭ヌスラ作戦部隊がアルカイダに忠誠を誓って事態を受け、今まで通り武器援助を行うか困惑しているような状況だ。

このような中、ロシア海軍が、地中海を常時遊弋する海軍作戦部隊の創設を企図している。ソビエト時代には1967年から1992年まで、ソビエト海軍第5地中海艦隊所属の約30隻程度が地中海で活動していた。勿論、対抗部隊は米国第6艦隊。

新生ロシア地中海艦隊は、黒海艦隊から抽出して、2015年までに完全編成される。ロシア下院の国防委員会委員長であるウラジーミル・コモエドフ提督は、地中海艦隊は10隻程度の戦闘艦、対潜艦、掃海艦、支援艦から構成される必要がるとしており、必要に応じてバルチック、北方両艦隊からも臨時に編入して戦力を維持すると明言。地中海艦隊には、黒海艦隊所属の巡洋艦「モスクワ」が旗艦として艦隊の要になる。

ロシアは、地中海艦隊の編成に併せて、継続的使用が懸念されるシリアのタルトゥス海軍基地以外の根拠地を探しているが、アルジェリア政府に海軍艦艇への補給基地提供を要請した。ロシアは、相互防衛条約の締結と兵器供与と軍事技術提供をアルジェリアにもちかけたが、西側との関係悪化を懸念したアルジェリアは断っている。

アルジェリアの海軍基地marsa al kebirの使用については、中国も要請していたが、アルジェリアはロシア同様に断っている。同国のジブラルタル海峡を見据えた地政学的環境を考えると、軽々に両国の提案には乗れないのは自明だ。

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