阿部ブログ

日々思うこと

福島第一原子力発電所からトリチウムを含む処理水を海洋放出すること〜トリチウムは水爆の原料なので日本では分離・抽出できない〜

2021年04月17日 | 日本

福島第一原子力発電所からトリチウム(三重水素)が含まれた処理水を海に放出することが、話題になっている。
しかし、トリチウムを含む処理水は、海に放出するしかないのだ。

トリチウムだけを分離することは不可能なので、薄めて海に放出するという報道がなされているが、これは嘘。
トリチウムや重水素は、分離することが可能である。
重水の分離は、現在廃炉中の「ふげん」でも行われており、分離した重水はカナダに売るのだと視察した際に関係者が言っていた。
「あれが、重水が入ったドラム缶」と指をさす方向を見ると丈夫そうなドラム缶の列を見ている。

さて、トリチウムを分離する装置は既に国内企業が開発している。1基350億円以上と高額だが分離は可能。
トリチウムの分離・抽出が可能なことは、日本政府も東京電力を承知している。これは、お金も問題でもなく、手間がかかるとかなどの話ではない。
トリチウムは、水爆の原料なので、日本の技術で分離・抽出できるが、分離できない(分離しようとしても阻止される)のだ。
処理水からトリチウムを分離・抽出することは、日本の潜在的な核武装化に近づくので、絶対阻止となる。
技術的には分離・抽出できるが、出来ないのでトリチウムを含んだままの処理水で海中放出するしか方法はないわけだ。
完全に政治的な問題。

軍用のトリチウム製造は、軽水炉などの燃料棒に「リチウム6」を仕込んで中性子を照射してトリチウムに変換するのが一般的。
(※リチウムは、リチウムイオン電池で有名な元素で、同位体としてリチウム6とリチウム7がある。)
なので、IAEAは、日本国内の原発でそうはさせじと、保守作業などを完全監視下においているのだ。
日本に国際熱核融合炉ITERを誘致しようとする動きもあったが、当然無理筋、核融合炉ではトリチウムを使うからだ。
今回、リチウムを含む処理水を海洋放出する際に、IAEAが監視して協力するなど報道されているのは、このような理由があるから。

まあ、リチウムは放射性物質で半減期は12.4年だったかな〜ほっとけば崩壊するので問題はなさそうだが、保管する場所がないと言っている。
しかし、何故「汚染水」は発生しつづけるのか? こっちの方が問題である。



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