阿部ブログ

日々思うこと

旧約の民の食事規定 ~カシュルート~

2012年09月04日 | 日記
ユダヤ人を母に持つ人が来訪した。
夕食時だったので、食事を勧めた。
彼曰く「普通の日本人は化学薬品満載の食材を食しているので、普段は食事を共にする事はない。だが、あなたの所は完全な日本食なので、喜んでいただきたいと思う」と~

家は、昔から玄米食で、味噌は田舎で造ったもの。特に醤油は「かめびし」の3年醸造物を愛好している。家で肉食はしないし、会社にも「日の丸弁当」1個を鞄に入れて出社する。これで特段問題なし。最近は昼飯を抜いても歳のせいか空腹に耐えられるようになったので、食べない事も多い。
同僚達は大手町界隈のナニが入っているか分からない代物に金を出して食べている。自分は食品業界の実態を知っているから、とても「外食」しようとは思わない。

個人的には化学薬品満載の食品が特に「不妊」を引き起こしていると感じているが、まあまあ、外れていないだろう。
しかし、今時の女性は、生まれた時に一生分の「卵」を抱えて生まれてきている事を理解していない人が多い。毎日新鮮な精子を製造する男性とは違い、卵子は年齢と共に「老化」するのだ。
歳を経ても人工授精など現代医学で簡単に受胎出来ると勘違いする女性が多いのは、これは悲劇のなにものでもない。
女性ならば子供を持ちたいと思うのは人情~いや、脱線した。

件の彼曰く、ユダヤ人は今でも厳格な食事規定を遵守しているとの事。それをカシュルートと言うらしい。
カシュルートとは“きよい”または“汚れている”という意味を併せ持つ言葉で、ユダヤの食事に冠する律法全体を表すと言う。
この食事に関する事は、申命記14章とレビ記11章に書かれているとも。流石に詳しい。しかしタルムードには言及しない。

このカシュルートに完全準拠した厳格な調理法、食材、組み合わせなどの基準をクリアした食品や日用品には「コーシャ―マーク」と言うものが付いているという。しかし、日本では「タカラミリン」や日本酒の「大関」なと極々一部の商品に限られている。
そんな日本にも「コーシャマーク」の認定をサポートする「Yama Mizrah OU 日本事務所」がある。場所は仙台だ。

しかし「コーシャマーク」は食品に限らないもので、生活全般に係わる。
コーシャは、勿論食品全般とその他の関連品、食品工場での食用油、大豆に由来する全ての商品、製薬・医療関係、これにはビタミン剤なども含まれ薬局での医療品も当然対象。それとベビーフード、化粧品、衛生用品、洗剤、掃除用品も含まれるというから、大変なものだ。

カシュルートで有名なのは、牛肉と鳥肉は、一定の作法に則り完全に血抜きされた肉以外は不可とされる点。
この作法をシェヒーターと言うらしい。
しかし、最近は動物保護法の観点から、シェヒターが問題視されている。動物保護の観点から食肉用の全ての動物は、安楽死できるように、殺す前に気絶させる事を規定する事があるようだが、シェヒターは、殺す前に気絶させることを許可していない。この法が法の精神に反すると理解されているようだ。

これは2010年にニュージーランドで動物保護法が制定された際、ユダヤ人社会から猛烈な反発を喰らったようだ。現在は、どうなっているのかわからないが・・・

まあ、イスラムの食事規定と言い、ユダヤの規定といい、旧約の民は、我々日本人では理解しがたい面があるのは確かだ。
 

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