阿部ブログ

日々思うこと

北朝鮮の食料危機とウラン濃縮、そして核恫喝

2012年08月01日 | 日記
朝鮮半島が104年ぶりと言われる猛烈な大干ばつに襲われていると報道されている。
しかも台風の影響で農地も冠水するなど、北朝鮮の農業生産は更なる打撃を受けている。

北朝鮮の危機的な食料問題は、核問題を巡って北京で行われたアメリカと北朝鮮の直接協議において、北朝鮮側は、アメリカが穀物を含めた食糧支援をすれば、IAEAの監視官を核施設に受け入れ、ウラン濃縮を停止する用意があるとの見解を示している。

この北朝鮮の申し出には、米国から北朝鮮への食糧支援を巡って穀物ではなく、栄養価の高いビスケットやビタミン剤など24万トン分を支援するとの交渉を行っていた事による。しかし4月の長距離弾道ミサイル発射により米国による支援は頓挫した。

このような状況の中、7月21日、米国上院が北朝鮮に対する食糧支援の条件を厳格化する農業法改正案を可決している。この農業法改正案は、「平和のための食糧法」に基づく北朝鮮への緊急食糧支援を禁止する内容であり、北朝鮮には致命的に影響がある法案だ。
この改正案はケリー上院外交委員長(民主党)と共和党の重鎮ルーガー上院議員が発議したもので、上院では賛成59票、反対40票で可決された。この法案が、もし下院を通過すれば5年の時限立法なので2017年まで適用される事となる。

この状況の中、金正恩総秘書(総書記とは日本のメディアが勝手に付けた職名で、正しくは総秘書(チョンビソ)が正しい)は、韓国に核恫喝により食料を提供させよ、と指示下とも言われるが、北朝鮮の食料問題の抜本的解決にはならず、大量の餓死者が出るのは避けがたい。北朝鮮の人口は従来言われていた2200万人ではなく、実は1800万人程度であるので、人口がどこまで低下するか注視が必要だ。

しかし、北朝鮮で餓死者がもっとも多く発生した1996年から98年の期間の内、98年には国際支援による食料供給が行われたが、この食料支援で一番最初に復活したのは、崩壊寸前であった社会安全部の末端組織がだと言う。
脱北者によれば「98年の食料支援が無ければ弾圧機関の末端組織が崩壊しただろう」と証言している。要するに余計な事をしてくれたと言うことらしい。

さて今回の北朝鮮の食料危機はどのように推移するのか?

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