阿部ブログ

日々思うこと

『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』 を読了!

2012年03月08日 | 日記
~ビートルズより、またローリングストーンズより儲けたロックバンド「グレイトフル・デッド:Grateful Dead」~

TBSラヂオの「文化系トークラジオLife」と言う番組をご存知だろうか。
毎月最終日曜日の深夜25時~28時に放送される社会評論とサブカルチャーを語る番組。

こんな深夜帯でトークがメインの番組は珍しいので、毎回寝ながら聴取している。
勿論、半分寝てるので意識朦朧で記憶も定かではないが、珍しく2月26日(日)に放送された「好き好き大嫌い★アメリカ西海岸」は、意識鮮明に全部を聞けた。
理由は面白かった、から。

特に『グレイトフル・デッド(Grateful Dead)』と言うツアー・バンドの紹介を柳瀬博一氏が語りはじめてから目が覚め、全部聞く羽目になった。

『グレイトフル・デッド』と言うバンドを不肖にして知らなかったが、早速紹介のあった『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』を購入し一読。
並行して『禁断 2.26事件』と言う切ない本を優先していた事もあり、薄い本ながら本日ようやく読了。読んで、驚いた。

『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』の96ページにある「顧客関係管理(CMR)」とあるがこれはCRMの間違い(Customer Relationship Management)である事はさておき、実に示唆に富む内容だ。
以下、徒然なるままに書いてみたい。

(1)グレイトフル・デッドと言うアメリカのツアーバンドは、実はビートルズより、またローリングストーンズ、ビーチボーイズより儲けたバンド。

(2)1965年にカリフォルニア州サンフランシスコで、ジェリー・ガルシアというギターリストが結成したバンド。
音楽的にはロック、フォーク、ジャズ、ブルーグラス、カントリー、ブルース、サイケデリック・ロックなど、既存のカテゴリーを超えた、何でもありのバンドで、特に彼らのライブは長時間にわたり、ジャズにみられるような即興演奏を信条とし熱狂的ファン、所謂「デッドヘッド」を生み出した。彼ら「デッドヘッド」はバンドのツアーに同行し、巨大なコミュニティが移動するような感じだったと言う。

(3)グレイトフル・デッドのビジネスモデルは、レコードやCDを売って儲けるのではないと言う、業界の常識を無視したもの。特に驚くのが、ライブで観客が録音するのが自由であった事。わざわざ録音しやすいような場所も設けられた言うから徹底している。録音したテープはコピーしてOKだと言うのだから、尚驚く。普通ライブ音源の録音は厳禁、タブーなのは言うまでもない。

(4)彼らの名は口コミ耳コミ、それとライブでコピーされた「テーパー」とグレイトフル・デッド用語で呼ばれるテープにより広まりライブはいつも超満員。前述の如くデッドヘッズと呼ばれる熱狂的な追っかけファンが多く生まれ、ヒットチャートとはほとんど無縁の存在ながら、常にアメリカ国内のコンサートの年間収益では1、2を争うと言う希有な存在。

(5)グレイトフル・デッドは、1960年代から、自分たちの音楽を無料で開放し、録音してコピーし放題、海賊版OKと言う、将に「フリー」&「シェア」のはしり。突出したスターがいないグレイトフル・デッドは何故売れ続けたのか?
答えは、フリーな海賊版からプレミアムへアップグレードしてもらう事で利益を得る事。彼らは、過去の評判のよいライブの高音質録音版を、ファンへ直接販売すると言うプレミアム版の提供で利益をえた。つまり海賊版は、観客席で録音した音源でどうしても雑音が入ってしまう。が、当時の最新技術を駆使したグレイトフル・デッドのリマスター版にはそれがない!だから熱狂的なファンは、厳選されたリマスター版をバンドから、中間業者を介せずに直接購入する。これこそフリーミアムだ。
 
(7)フリーミアムを可能としたのは、ハイテクを駆使する事。グレイトフル・デッドのコンサートは自由奔放で長時間なライブが特徴だったが、当時の最新技術である「ウォール」と呼ばれる巨大スピーカーや、8年にわたる開発をへて導入した55台のマッキントッシュのパワーアンプにより600台以上のスピーカーを非常にクリアな音源でライブを盛り上げた。
このような高価な最新技術の導入を他に先駆けて行う事により、彼らのコンサートに行くことが大いなる楽しみとなる。
彼らのコンサートは、所謂お祭りであり Dead head が旧交を温め、情報交換をする場ともなった。

まあ、徒然なるままに書いてみたが、次回は、ロッキー・ホラーショウ現象とグレイトフル・デッドの類似性など書いてみたい。

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