阿部ブログ

日々思うこと

シリア情勢とトルコ

2012年11月27日 | 日記
ガザでは停戦に合意しているが、相も変わらずシリアとトルコ国境付近が焦臭い。

それはトルコ国境近傍で、シリア政府軍と自由シリア軍が戦闘を繰り返しているからで、この影響でトルコへシリア難民が約12万人程押し寄せる状況。しかもトルコのギュル大統領はシリアの化学兵器に対する懸念を表明している。

両シリア軍は極めてトルコ国境に近接する場所で戦闘している模様で、トルコ政府軍機による爆撃でトルコ側に被害は無いものの対地攻撃用の爆弾や歩兵の手榴弾などがトルコ領に落下している。当然の事ながらトルコ政府は警戒を怠っていない。

既に国境付近には陸軍部隊が展開し、実弾を搭載したF16が国境地帯を警戒飛行している。特に陸軍は国境から5km以内にシリア軍の何れかが接近すると交戦を許可する命令が出されており、不測の事態を惹起する可能性を否定出来ない。これはトルコをシリア内戦に関与させるシリア政府側の意図に合致するもので危険だ。

トルコ空軍は何度か報復攻撃を実施しているが、前述の通りシリア政府側の思惑引きづり込まれる事が十分に考えられる事から、トルコ政府はNATOに対してパトリオット・ミサイルの配備を要請しており、オランダのティマーマンス外相は、内閣での承認を得た後、トルコにパトリオット・ミサイル一式を搬送するとしている。因みにオランダは、1991年と2003年にもトルコにパトリオットを搬送し配備している実績がある。

そんな中、ロシア黒海艦隊所属の巡洋艦モスクワなど6隻がシリアのタルトウス港に寄港すると言う。ロシア海軍本部によれば、ガザからのロシア人の退去に備えるとの事だが既に停戦に入っているので、ロシア艦隊のシリア寄港には別の意図がありそうだ。

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