熊本県を中心とする地震は21日に発生から1週間を迎える。地震活動は依然活発で、9万人を超える避難は長期化する可能性が高い。震災関連死を含む死者は20日までに59人。停電が同日夜にすべて解消するなどインフラや企業の生産活動は徐々に正常化に向かい始めたものの、完全復旧は見通せず、官民の粘り強い取り組みが課題となる。
政府は20日の持ち回り閣議で、被災者への緊急支援に2016年度予算の予備費から23億円を充てる方針を決めた。食料や避難生活に必要な物資の調達などに充てる。
気象庁は20日、16日未明のマグニチュード(M)7.3の本震でも、熊本県益城町と西原村の2カ所で震度7を観測していたと発表した。震度計のデータが送られていなかったため、現地調査して判明した。益城町では14日夜のM6.5の前震で震度7を記録していた。
同庁によると、14日からの地震回数は20日に700回を超え、震度5弱以上の揺れも17回に達した。青木元・地震津波監視課長は20日の記者会見で「例をみない活発な地震活動が広域に広がっている。いつまで続くか見通せない」と述べた。
熊本県によると、家屋倒壊や土砂崩れなど地震による直接的な死者は20日までに48人。これに加え、静脈に血栓ができる「エコノミークラス症候群」などの震災関連死も11人に上る。行方不明者は3人。熊本・大分両県の避難者は同日夕時点で約9万3千人いる。
損壊した家屋は約8600棟。国土交通省によると崖崩れや土石流、地滑りが計78カ所で起きた。断水は熊本、大分、宮崎3県で計約9万1千戸。被災自治体は仮設住宅建設の検討を始めた。
九州電力は20日、地震による停電が同日夜に全て解消したと発表した。停電は本震直後に最大47万戸に上っていた。
JR九州は在来線の鹿児島線の熊本―八代間を21日にも再開する。八代駅で接続する第三セクターの肥薩おれんじ鉄道などを使えば、博多―鹿児島中央間が鉄路でつながる。一方、九州新幹線の全面復旧時期は未定。高速道路も不通が続き、大型連休の観光客の足に影響が出るのは必至だ。日本経済新聞web版より
政府は20日の持ち回り閣議で、被災者への緊急支援に2016年度予算の予備費から23億円を充てる方針を決めた。食料や避難生活に必要な物資の調達などに充てる。
気象庁は20日、16日未明のマグニチュード(M)7.3の本震でも、熊本県益城町と西原村の2カ所で震度7を観測していたと発表した。震度計のデータが送られていなかったため、現地調査して判明した。益城町では14日夜のM6.5の前震で震度7を記録していた。
同庁によると、14日からの地震回数は20日に700回を超え、震度5弱以上の揺れも17回に達した。青木元・地震津波監視課長は20日の記者会見で「例をみない活発な地震活動が広域に広がっている。いつまで続くか見通せない」と述べた。
熊本県によると、家屋倒壊や土砂崩れなど地震による直接的な死者は20日までに48人。これに加え、静脈に血栓ができる「エコノミークラス症候群」などの震災関連死も11人に上る。行方不明者は3人。熊本・大分両県の避難者は同日夕時点で約9万3千人いる。
損壊した家屋は約8600棟。国土交通省によると崖崩れや土石流、地滑りが計78カ所で起きた。断水は熊本、大分、宮崎3県で計約9万1千戸。被災自治体は仮設住宅建設の検討を始めた。
九州電力は20日、地震による停電が同日夜に全て解消したと発表した。停電は本震直後に最大47万戸に上っていた。
JR九州は在来線の鹿児島線の熊本―八代間を21日にも再開する。八代駅で接続する第三セクターの肥薩おれんじ鉄道などを使えば、博多―鹿児島中央間が鉄路でつながる。一方、九州新幹線の全面復旧時期は未定。高速道路も不通が続き、大型連休の観光客の足に影響が出るのは必至だ。日本経済新聞web版より