医療ライターのいもづる話 by 中保裕子

広告代理店のマーケッターから医療ライターに転身。仕事や、趣味の音楽、沖縄民謡がおもな話題。

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遺産相続争いは小金持ちに多い〜樋口範雄「超高齢社会の法律、何が問題なのか」

2016-02-23 18:21:01 | レビュー

 


大金持ちより、小金もちこそ遺産相続争いが多い

ってご存じでしたか? 

恥ずかしながら、遺産相続なんて、サラリーマン家庭にはおよそ関係のない話だと思っていました。
「華麗なる一族」の世界の話で、資産家か、一流企業の役員クラスか、一戸建てでもそれなりに大きくて庭もあって、マンションでもせいぜい億ションを買うようなお家の話だと思ってました。 

しかし、実態はというと。
相続争いの裁判の7〜8割は、相続財産が5000万円以下の案件なのだそうです。びっくり。

それほど大きくない土地付き一戸建てでも、場所にもよるけれど3LDKくらいのマンションでも、売却すればそのくらいになりそうです。
親が小金もちなら、子どもも親類も皆さほど裕福とは思い難いので、「争族」が起こりやすいってことなのでしょうか。ましてや、今後、子世代以下は将来の年金が手薄になりますから、もらえるものは少しでもほしい。浅ましいと思ってた相続のドラマが意外に誰にでも身近な問題になってくる。いやな話ですね。。
まあ超リッチな資産家であれば、事前に相続でモメないように手を打っているのかもしれませんが、小金もちですとそこまでは大げさと考えてしまいそうです。

ともあれ、著者は今後増えると予測される相続争いを避けるために、「生前信託」「家業信託」などのシステムを日本でも普及させることが必要とおっしゃるわけです。
また、これから進められようとしている地域包括ケアのステークホルダーの中に、弁護士などの法律の専門家も入れてほしい、という提案も、なるほど!と思いました。

・地域包括ケアシステムには利用者や介護者、ソーシャルワーカーと並べて法律の専門家も加えてもらえないだろうか。法的な助言があれば申請しそこなっていた社会給付に気づくことや、(中略)紛争予防に意義があるのではないか。p.212

確かに、たとえばがん医療でも、高額医療費制度があるのに知らずにいたり、面倒な手続きに役所に出向くことができない、面倒・・・という理由で、自治体によっては未払い金が相当額あるという話を聞きます。
本来、法的に受け取ることができるお金が使われていないのです。
高齢者になると、要介護になったときの資産の処分とか、先述の遺産相続とか、さらにさまざまな法的な問題がありそうです。

法律家は単に法律を順守するだけではなく、現在の社会状況の間尺に合わなくなってきた法を見直すことも重要、という著者の考えに目からウロコでした。
何よりこの先生、ところどころにユーモアがあって、面白そうな方であることが文章からうかがえました。

 

以下、私の読後メモよりコピー。

・終末期の問題。胃瘻はフランスではあくまで治療のために一時的に行なう医療。(=日本での使い方は国際的にみるとおかしい)p.58

・終末期(尊厳死)の問題。日本の病院あるいは医学部では、立ち会っている家族の様子を伺い、家族がもう十分ですと言う表情を浮かべるまで心臓マッサージを続けるのが適切だと教えている。p.62

・単身の高齢者の住まいの問題。「朝日新聞2015年2月7日の記事は、貸す相手として単身の高齢者は不可が40.6%。高齢者のみの世帯は不可34.9%という数字を紹介している」p.96

・相続争いについて。「相続争いの7割から8割近くが相続財産5000万円以下」p.158

・日本でも生前信託制度を普及すべき。アメリカでは「人生の失敗とは、財産形成に失敗したと言う意味ではない。自分で考えてするべきこと、何もしないで任せにすることを意味する」p.177

 

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